Din Tai Fung at JB City Square(鼎泰豊)/ジョホールバル(マレーシア)

みんな大好き「鼎泰豊」。私は台湾のお店は当然として、世界各地の鼎泰豊を巡るひとかどの鼎泰豊ラヴァーなのですが、この日は「世界一安い」と取り沙汰されるJB City Square店にやって来ました。シンガポールにも支店があるというのにシンガポール人がわざわざ食べに来るという噂のお店です。
土曜日の午前10時半にお邪魔したのにも関わらず、15分近く待ちました。国境駅に直結しているため、シンガポールからの日帰り旅行者が朝イチで訪れがちであり、オープン直後から全力で営業を開始します。
まずはお野菜。豆苗の炒め物にエビをトッピングしてもらいました。豆苗は豆苗ですが、エビの質が良く大きさも中々のもので、印象としてはエビ食べた感が強いです。
酸辣湯(サンラータン)。日本でもすっかり有名になった料理ですが、思いのほかマイルドな味わいで私好み。具材もたっぷりで、色んな素材のエキスが詰まった一杯です。
真打登場、小籠包です。美しく折られたヒダの数は18と規定されており、重さもピッタリ21グラムと厳格に定められています。スープや具が透けてみえるほど薄い手作りの皮はツルツルとした食感で口当たりが実に滑らか。10個入りで千円弱と、シンガポールの半額で、東京よりも3-4割は安い印象を受けました。
エビマヨ。小籠包の美味しさは変わらずといったところですが、初めて注文したコチラもかなりの美味しさ。衣が厚くザクザクとした食感が心地良く、やはりエビそのものの質も素晴らしいです。
マレーシアにはイスラム教徒が多いため、鶏肉の小籠包も用意されており、物は試しと注文。うーん、普通に美味しいのですがジューシーさに欠け、やはり豚肉に比べると見劣りするなという印象でした。
エビと豚肉のワンタン。おー、これこれ、この豚肉のジューシーエキスが必要なのですよ鼎泰豊には。加えてエビのプリプリ感も加わり、ある意味では小籠包を超えてくる味の良さです。
〆にチャーハン。具材はベーシックに豚肉をチョイスし、やはりベーシックな美味しさです。

以上の料理とお茶のポットを2人でシェアし、お会計はひとりあたり4千円ほど。周囲のゲストの倍は注文してこの支払金額なのだから、「世界一安い」という噂が流れる理由もわかる気がしました。

国境駅に直結するモールに入居しているので旅行者にとっても便利。シンガポールからの出入国の前後にどうぞ。

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それほど中華料理に詳しくありません。ある一定レベルを超えると味のレベルが頭打ちになって、差別化要因が高級食材ぐらいしか残らないような気がしているんです。そんな私が「おっ」と思った印象深いお店が下記の通り。

本場志向で日本人の味覚に忖度しない中華料理が食べたい方へ捧ぐ書。東京の、中国人が中国人を相手にしている飲食店ばかりが取り上げられています。ある意味では中国旅行と同じ体験ができる裏技が盛りだくさん。

KINO_ (キノ)/代々木

札幌でミシュランで1ツ星を獲得し、ゴエミヨにも掲載され、食べログでは百名店にも選出された「lien(リアン)」が東京進出。店名は「KINO_ (キノ)」とアンダーバーが入るあたりが今風ですが、シェフの苗字は「キノシタ」なので実際のところは駄洒落かもしれません。場所は代々木駅から歩いてすぐ。カラ館の脇を入ったところです。
札幌の店舗とは雰囲気が大きく異なり、厨房に面したドーンと長いカウンターが印象的(写真はヒトサラ公式ページより)。テーブル席もいくつかあって、使い勝手の良い構成です。

木下雄介シェフは札幌出身。日本各地のヒルトン系のレストランで腕を磨き、「ヒルトン小田原リゾート&スパ(Hilton Odawara Resort & Spa)」では料理長も務めました。2012年に「lien(リアン)」を開業したのち、10周年の節目に東京進出という乾坤一擲の大勝負へ出ました。
ワインにつき、泡白赤のワインセットのほか、各皿に合わせたペアリングも用意されており、飲む量も自由自在。自由度の高い構成です。というか泡白赤のワインセットの泡はシャンパーニュであり、それを含めて5千円かそこらというのはお値打ちだと思います。
アミューズが豪華。リッチな味わいの甘海老に旨味抜群のリエット、プリンのような独特の食感を奏でるキッシュと、もうこれだけでガッツリ飲めてしまいそうなほど愛くるしい味わいです。
メジマグロ。表面を軽く炙って香りを立てつつ、ハーブ類のオシャレな味わいで全体を整えます。ほどよく苦味もきいて大人の味わいです。
春巻き風のひと品。サクラマスと菜の花をライスペーパーで巻き込んで揚げており、マヨネーズ(?)をたっぷりつけて至福のひととき。春巻き考えた奴って天才だよな。どうやったって美味しいもんな。
スープは春キャベツ主体。瑞々しい甘味が心地よく、また、奥に潜んだブルーチーズの塩味もピリっと心地よいアクセント。
貝特集はホッキガイ・ホタテ・アワビの三種の神器であり、いずれも調理法は変えています。それぞれの食感と味わいの有意差を楽しむひと皿であり、磯の風味のきいたソース(?)が上上手に全体をまとめ上げます。
スペシャリテのイカ飯。シェフの郷土料理をフランス料理風にアレンジしたものであり、ヤリイカの中にウニのリゾットを詰めて蒸し上げます。本体そのものの美味しさはもちろんのこと、バターたっぷりのソースがバリ旨い。アンチョビの代わりに塩辛を用いているのも面白い。
パンも深みがあってとても美味しい。穀物の複雑な旨味が噛みしめるほどに滲み出てくるタイプであり、先のソースをたっぷりつけて艶っぽい味わいです。
メインは蝦夷鹿のカツ。ドッシリと存在感のある肉の旨味をジュワっとディープフライしており、存在感抜群のひと皿です。行者ニンニクの風味が食欲をそそり、また、インカのめざめのジットリとした甘さも見逃せない美味しさです。
お口直しに日本酒の氷菓。みむろ杉を用いているのですが、これが日本酒かと驚くエレガントな味わいです。
メインのデザートは北海道マンらしく〆パフェで。そのへんの〆パフェ屋とはダンチの美味しさであり、スイーツ屋としてスピンオフしても大成功を収めそうなクオリティの高さです。これはイカ飯に次いで第二のスペシャリテと言えるでしょう。
最後のお茶菓子まで手抜き無し。ごちそうさまでした。

「lien(リアン)」時代はランチにお邪魔し、その料理センスをビンビンに感じてディナーにも是非お邪魔したいと切望していたのですが、いやはや素晴らしい食体験でした。シェフもマダムも感じよく、とても居心地の良いひと時。

なぜかネットでは「イノベーティブ」「フュージョン」に分類されていますが、むしろクラシックな料理に私は感じました。いずれにせよ、ジャンル分けなど無力化するほどのレベルの高さなので、安心して予約を入れましょう。私が保証します。

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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。

ここ数年で滞在した高級・有名とされているホテルを一覧化し◎〇△×と記した

年間を通じて外泊が多いので、ここ数年で滞在した高級・有名とされているホテルを一覧化しました。

◎〇△×と記していますが、これは私が滞在した時点における感想であり、価格や為替の変動、混雑度合い、当時のスタッフの対応など偶然に因る部分も多いので、話半分に捉えてください。また、ハイアットやヒルトンは最上級会員であり、ひらまつは株主なので、素で予約する場合とは対応が異なるかもしれません。

費用対効果も重要視しています。お金に糸目をつけないお金持ちの方々とは観点が異なることをご承知おきください。

ところで、私は子連れ客とそれをコントロールできない宿泊施設を憎んでおり、そういった客層が支配的なホテルは自然と△や×が多くなります。しかしながら、これは見方を変えれば家族旅行に向いたホテルを選ぶ指標となり得るかもしれません。


【ハイアット】

<北海道>

<関東>
△:ハイアットリージェンシー東京ベイ

オクマ プライベートビーチ & リゾート/国頭村(沖縄)

沖縄の最北端の市町村「国頭村」にある「オクマ プライベートビーチ & リゾート」。もともとはアメリカ軍の接収地だったのですが、その一部が返還されたことによりリゾート地としての開発が始まり、一時期は日本航空の関連会社が運営していたりもしました(写真は公式ウェブサイトより)。
現在は「ケン・コーポレーション」のホテルグループが運営しており、隣接する岬部分は現在も奥間レスト・センターとして在日米軍の保養施設になっています。
1978年開業というだけあって、ハコはめちゃんこボロいですねえ。もちろんそれは覚悟の上で予約を入れたのですが、スタッフのレベルが信じられないくらいに低いのは想定外でした。バレーパーキングサービスがあるのに車寄せにスタッフは不在であり、その後のオペレーションもグッダグダ。館内設備やサービスの説明にも真心がこもっておらず、自宅のアレクサのほうが愛想が良いレベルです。
ちなみに我々は夕食付のプランで予約しており、いくつかあるレストランのうち好きなところに行って良いとの案内。それぞれどんなレストランか、どんな料理かを尋ねると「ココにQRコードがあるのでそこから見て下さい」と信じがたい返答。1泊6-7万円も要する滞在でggrksと真顔で言われるとは思いも寄りませんでした。
気を取り直してお部屋へ向かいます。我々は「ジュニアスイート」タイプのコテージにご案内頂きました。広さは64平米とのことですが、メゾネットタイプであり天井が超高いので、数字以上の広さを感じます。
1階はリビングエリア。L字型の大きなソファに加え、ダイニングテーブルも備え付けられています。白を基調としたヘルシーな色合いがリゾート感を演出します。しかしながらネットは大変遅く、昼間のゲストが少ない時間帯であっても下りで20Mbpsに届かないので、ワーケーションでの利用などでは苦しいと言わざるを得ません。
2階はベッドルーム。螺旋階段を昇って雰囲気があるのですが、この階段はちょっと怖いですね。盛大に酔っぱらって足元が覚束ないことが多い私としては死を予見させる誂えです。今回の滞在で事件は何も起きませんでしたが、将来メゾネットタイプの部屋には住むまいと決意しました。
クローゼットは2階にのみ設置されており、この使い勝手はとても謎。旅行用トランクは当然に1階に広げており、ハンドキャリーで2階へ持っていけという意味なのでしょうか。そういえば2階にお手洗いは無いので、夜中にトイレに行きたくなった場合など危なっかしくてしょうがありません。
ウェットエリアに参ります。リビングルームのインテリアコードを引き継いでおり明るい印象なのですが、ドライヤーのプレゼンテーションがちょっとアレでロマンに欠けます。ちなみにアメニティは「Miller Harris TEA TONIQUE」で統一されていました。
バスルームはホテルとしては広々としており、一般家庭のそれのようです。ちなみに別館に大浴場とサウナも用意されているのですが、温泉というわけではないし結構離れているしで私は使用しませんでした。
テラスは一面の芝生に面しており大変気持ち良いですね。「Hyatt Regency Danang Resort and Spa(ハイアット リージェンシー ダナン リゾート&スパ)」のコテージエリアに雰囲気が似ていて、このお部屋で一番好きなポイントです。
敷地内の散策に参りましょう(画像は公式ウェブサイトより)。当リゾートはバカンス大好きのアメリカ人が目を付けただけあって、リゾートとしてのポテンシャルが潤沢。ブセナリゾートとまでは言えないまでも、沖縄本島においては屈指の敷地面積を誇ります。
目玉は1キロメートルに渡る天然白砂のプライベートビーチ。砂の肌理が細かくピュアッピュアに真っ白で、このビーチの美しさは世界でもトップクラスと言えるでしょう。スマホのカメラでは見たままの光景をお伝えすることができないのが心苦しい。
プールもいくつかあるのですが、これはちょっと、いやかなりダサいですね。屋内プールは無いため暖かい季節限定でしか水遊びできないのも勿体ない。ちなみにジムの用意も無いのですが、この規模のリゾートでその装備は極めて珍しいと言えるでしょう。
いわゆるクラブラウンジである「潮風のラウンジ」は名前からしてダサいですが、実際中身もダサいです。内装もスタッフもどこか洗練されておらず、外資のラグジュアリーホテルに憧れて無理くりクラブラウンジを名乗っているみが強い。他方、先述のオクマビーチに隣接しており、窓やテラス席からはエメラルドグリーンの海を望むことができ、ロケーションとしては素晴らしいです。
酒類につき、カクテルタイムだけでなく常時置かれているのは良いですね。カクテルタイムに限定するとどうしても「今だけ飲み放題だ!」みたいな雰囲気が醸成され闇落ちしてしまう方々を数多く見て来たので、こうして民度を平準化する試みは好感が持てます。
カクテルタイムのアペタイザーもそこそこ充実しており、軽くつまむにはちょうど良い塩梅です。ガッツリと腹を膨らませる料理は用意されていないので、夕食の代用とはならないのでご注意を。
夕食は和食のダイニング「いじゅ」へお邪魔しました。お品書きこそはそれっぽい雰囲気を出していますが、実際のところは国際通りあたりで食べる観光客向けの郷土料理セットと大差無く、1泊6-7万円も要する宿泊の夕食としてこれは無い。かと言って、近場に飲食店などはなく、当館の中で食事を摂るしか道はない。完全に詰んだ。詳細は別記事にて。
ところで私は週末を静かに過ごすため当リゾートのヴィラに予約を入れたつもりなのですが、ヴィラと言いつつ他の部屋と上下左右と繋がっているので、生活音の響く度合いという意味では一般的なホテルと大差ありません。夜間はチー牛グループが互いの部屋を行き来しながら大宴会を催すので、ドアを開け閉めする騒音が延々続いてとてもうるさい。

そのどんちゃん騒ぎは深夜まで続き、メロディアスな放歌は耳を圧するばかりなのですが、フロントに相談しても事情を聞くだけで結局何もしてくれませんでした。流石はggrksのサービス精神です。
寝不足状態での朝食はクラブフロアゲスト向けの朝食会場「OASIS(オアシス)」へ。一般向け朝食会場のほうが料理の種類も豊富とのことですが、ディナータイムの混雑っぷりがヤバかったので、料理の質よりも空間を優先しました。ただ、やはり当レストランにおいてもサービスのレベルは非常に低く、ぽい雰囲気を出そうとはしていますが、中身が全く伴っていないレストランでした。詳細は別記事にて。
2024年上半期やっちまったぜオブザイヤーでした。ビーチは魅力的ですが、とにかくスタッフのレベルが低い。もちろんこんな僻地では人材確保は難しいことは百も承知ですが、であればクラブラウンジなどがある高級っぽいリゾートを志向すべきではない。

ネット上の口コミにも「どこかの運動部の合宿にぶち当たり散々な目に遭った」など辛い体験談が散見され、ある意味では騒いだもん勝ち大人しくしたもん負けな世界。神戸大学のバドミントンサークルのように、乱痴気騒ぎを通じて他のゲストをオーバーウェルムする自信がある団体様ご一行のみどうぞ。

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寒い季節は沖縄で暮らしているので、旅行やゴルフだけで沖縄に来る人よりかは一歩踏み込んでいるつもりです。沖縄の人ってネットに書き込みしないから、内地の人が知らない名店が結構多いです。
沖縄通を気取るなら必ず読んでおくべき、大迫力の一冊。米軍統治時代は決して歴史のお話ではなく、今の今まで地続きで繋がっていることが良くます。米軍の倉庫からかっぱらいを続ける悪ガキたちが警官になり、教師になり、ヤクザになり、そしてテロリストへ。沖縄戦後史の重要な事件を織り交ぜながら展開する圧巻のストーリー構成。オススメです。