コッコラーレ スペシャリテ(COCCOLARE)/淡路島

淡路島随一のMICE施設「淡路夢舞台」にある「グランドニッコー淡路(旧ウェスティンホテル淡路)」。そのメインダイニングにあたるのが「コッコラーレ スペシャリテ(COCCOLARE)」。ウェスティン時代からのレストラン名をそのまま引き継いでいます。
テーブルは10卓弱で合計30席ほどでしょうか。リゾートホテルのダイニングだけあって、客層はかなりカジュアルです。照明も非常に明るく、しっとりとワインを楽しむという雰囲気ではないかもしれません。
なので飲み物は3杯3,500円のワインセットを注文。給仕は特にワインの説明をするでもなくただ注いでいるという雰囲気なので、あまりワインひいてはフランス料理文化に興味が無いレストランなのでしょう。
前菜にシマアジのカルパッチョ。うーん、なんか盛り付けがダサいなあ。素材そのものは悪くなさそうなのですが、情熱が感じられない乾いた味わいでした。
淡路島産の海苔を練り込んだ米粉のパンは面白い味わいですね。磯の香りが強く、一方で記事そのものは軽やかな仕上がりで美味しかった。
トウモロコシと玉ねぎの冷製スープ。こちらは素材そのものといった味わいで美味しかった。
お魚はイサキ。こちらもビュッフェ料理をキレイに盛り付けたような代物であり、パッションが感じられず座持ちしません。
肉料理は豚肉、ソースはトリュフ。当店は「地中海フレンチ」を標榜しているのですが、何がどう地中海なのかサッパリわからないメインです。豚肉はパサパサ、トリュフの香りは貧弱で、ラメンタービレなメインディッシュでした。
デザートはマンゴーにメロンのアイスクリームにココナッツの何か。これはまあ、無難に美味しい甘味でした。
小菓子と紅茶で〆。ごちそうさまでした。

ベッカムも泊まったそこそこのリゾートホテルのメインダイニングなのでそこそこ期待してお邪魔しましたが、味はそこそこサービスもそこそこでした。披露宴的な料理が続き厨房からは熱量が感じられず、作品というよりは作業結果という食後感。リゾートホテルのメインダイニングとしては価格は控えめなのが唯一の救いでした。

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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。

糸庄(いとしょう)/富山市

富山県民のソウルフードとも言える「もつ煮込みうどん」。その源流は1972年創業の老舗「糸庄(いとしょう)」にあります。コロナ前の全盛期には50メートル以上の行列が生じる大人気店であり、1日に1,000杯以上が出るという驚異的なうどん屋です。ミシュランにも掲載され、食べログでは百名店に選出されています。
店内は中々に広く、厨房をぐるりと取り囲むカウンター席にテーブル・座敷がたくさん。なんやかんやで50人近く入れそう。満席時の待合室も整備されており、ひっきりなしにゲストが訪れ、とにかく人気があるなあという印象です。
スペシャリテの「もつ煮込みうどん」。土鍋でガンガンに煮込まれて、いや、焼かれており、着丼したそばから味噌とニンニクの香ばしいかおりにやられます。まだひと口も食べていませんが、外観から判断するにこれで900円はお値打ち。
うどんには「海津屋」の「氷見うどん」を使用。ごんぶとのうどんであり、ガチガチに煮込んでも未だ弾力を感じさせるタフさ。つるんとした喉越しながらもお餅のような迫力もあります。
モツは豚モツ。そのへんの居酒屋で食べるには臭みの強い難しい食材ではありますが、当店のそれはきちんと下処理されており、下味もしっかりつけられているためオカズとしてグッド。何なら酒のツマミとしても良いかもしれません。卓上にある一味唐辛子をたっぷりかけていとをかし。
こちらは「カレーもつ煮込みうどん」。930円です。先の「もつ煮込みうどん」にカレー風味のスパイスが調合され、よりいっそう食欲が掻き立てられます。そうそう、当店のゲストの大半がライスを注文していたのが印象的。糖質オン糖質で都会のローカーボたちが卒倒しそうな食べ合わせですが、なるほどこの濃厚スープに最もしっくりくるのはお米なのかもしれません。卵なんて落とした日には大のごちそう。
香り高く深みのあるスープに丁寧なモツ、食べ応えのあるうどんに海老天と、900円という価格設定からは考えられないゴージャスさ。東京のアホな店なら2千円近くは取られかねないクオリティです。車でないと訪れることが難しい立地ですが、レンタカーを借りた旅行者は是非立ち寄ってみてください。オススメです。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

アルベロ ネロ(Albero Nero)/白金台

三田の人気イタリアン「イゾラデルノルド」が白金に移転し「アルベロ ネロ(Albero Nero)」として再出発。プラチナ通りに面しており駅からのアクセスは良くタクシーも停めやすい。
雰囲気のある階段を地下に潜ると薄暗く大人な空間が広がります(写真は公式ウェブサイトより)。グループ客にも対応できるテーブルの大きさであり、また、2人客にも上手くカーテンを引いてくれるので、秘密のデートにも良いでしょう。
ワインはペアリングでお願いしました。「イタリアのリースリングの泡」など、素人ではとてもアクセスできないもをチョイスしてくれるのが面白い。加えてボトルワインの価格設定も良心的で、次回はラグジュアリー系のものをボトルで注文しちゃおうかしら。
アミューズにヒラマサ。パッションフルーツに詰め込み新しい味覚の提案です。サッパリとした口当たりで真夏の夜のひと品目として正解。
テンポ良く供される2皿目はカプレーゼを桃で表現したもの。モッツァレラチーズの濃密な風味と桃のリッチな甘味と溶け合います。
パンは油たっぷりジューシーな味わいで私好み。
イカと野菜のフリット。揚げたてアツアツのイカを大口で頬張り白ワインで流し込むのはイカんともし難い美味しさです。夏野菜もエキスたっぷりでとてもジューシー。
馬肉のタルタル。噛み応えたっぷり鉄分たっぷりの健康的な味わい。赤いメタリックな味わいとパンチのあるロゼワインの組み合わせがピッタリです。
メインはラム。ガガガと良い意味で雑に焼き上げており、香ばしい焼き目から脂の甘味までのグラデーションがいとをかし。熟成させたメークインも濃密な味わいでグッドです。
〆のパスタはお腹の具合によって調整してくれます。私は当然大盛りで。ベーシックなムール貝のパスタですが、馬肉からラムへの高まりを上手くクールダウンしてくれる炭水化物でした。
デザートはパイナップル特集。濃厚な甘味と程よい酸味で心地よい締めくくりを演出してくれます。
ハーブティーで〆てごちそうさまでした。

以上を食べ、ワインのペアリングを付けてお会計はひとりあたり1.5万円ほど。おおー、これはリーズナブルを通り越して割安ですねえ。加えて皿数よりももっと食べたような食後感があり、打率よりも打っているという印象です。

前述の通り高価格帯のワインのボトルがお値打ちなので、次回はスペシャリテの「Tボーンビステッカ」と共にしっかりした赤ワインを楽しみたいと思います。

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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。

日本のイタリア料理の歴史から現代イタリアンの魅力まで余すこと無く紹介されており、情報量が異常なほど多く、馬鹿ではちょっと読み切れないほどの魅力に溢れた1冊です。外食好きの方は絶対買っておきましょう。

懐石 秀石菴(しゅうせきあん)/岩室温泉(新潟)

岩室温泉にあるミシュラン1ツ星懐石「懐石 秀石菴(しゅうせきあん)」。目白の名店「和幸」で修業した兄弟が営む日本料理店です。
店内はカウンター席が中心で、そのバックサイドに大きなテーブルがひとつ。この日オモテに出ていたのはお兄ちゃん中心で、気が良くおしゃべり好きという印象。リップサービスではなく本当にトークが好きそう。カウンター仕事が天職なんだろうな。
お酒は高くなく、何を飲んでも1合千円かそこらでしょう。せっかくなので我々は地元の酒蔵「こしのはくせつ」から入ります。アルコール度数が低く、グイグイいけるクチです。
先付は色々あって酒が進むタイプ。左上のハモの煮凝りが美味しかったです。
お造りはたっぷりのコチにタイ。いずれも夏真っ盛りといった味わいで、軽めのお酒と共にサラっと飲める生魚です。
お椀はハモ。赤子のゲンコツほどの大きさがあるハモであり、おおーハモ食ったなあという満足感があります。
小鍋はドジョウに白魚、ナスにゴボウにミョウガを卵でとじます。ドジョウのコクに白魚のサラっとした味わいが面白い対比。
煮物に子芋に白ずいき、芝海老のたたきにアナゴ。いずれも優しくソフトな味わいであり、しっとりと胃袋に落ち着く味わいです。
こちらは丸なすの田楽。中々のサイズ感の丸なすを低温で揚げ、炭火で油を落としてから田楽スタイルに。実に手の込んだ作品であり、素朴な食材ながら、これが料理だと説得力のある味わいです。
ごま豆腐にじゅんさい。ザラっとゴマの風味が感じられ、かなり腹にたまりました。
郡上八幡の鮎。1匹1匹表情が異なるのが面白い。
さりげなく鰻でフィニッシュ。美味しいのですが、やっぱり炙りたての蒲焼のほうが好きかもしれません。
正統的なお食事でお腹を満たしてごちそうさまでした。
食後の甘味に葛切り。ガッチリと噛み応えのあるもので、イカソーメンでも食べているかのような食べ応え。存在感のあるデザートでした。
お会計は飲んで食べてひとりあたり1.5万円ほど。全体を通して派手派手しさは無く堅実な料理ですが、いずれも手堅く美味しいという印象。ブラザーズも気取ったところは1ミリもなく、気楽に旨いもんを次々と出していくという芸風です。良い意味でとても日常的。旅館の食事は退屈なことが多いので、思い切って素泊まりで外に食べに行きましょう。

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日本料理は料理ジャンルとして突出して高いです。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの日本料理ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い日本料理なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
黒木純さんの著作。「そんなのつくれねーよ」と突っ込みたくなる奇をてらったレシピ本とは異なり、家庭で食べる、誰でも知っている「おかず」に集中特化した読み応えのある本です。トウモロコシご飯の造り方も惜しみなく公開中。彼がここにまで至るストーリーが描かれたエッセイも魅力的。

ますのすし本舗 源 ますのすしミュージアム/富山

富山県のセルフアンバサダーを務める私は今月も富山県にやってきました。いつもは東京駅から新幹線でやって来るのですが、今回は趣向を変えて飛行機で富山空港へ。
さっそく空港から車で10分ほどの場所にある「ますのすし本舗 源 ますのすしミュージアム」へ。ここ、ずっと来たかったのですが、富山市内からは微妙にアクセスが悪く車での来場が必須なのです。
館内には「ますのすし」300年の歴史につき、資料や動画を用いての紹介が。写真NGではありますが、ガラス張りの工場見学も可能であり、個体差のある魚や笹の葉がシステマティックに弁当化されていく様子を確認することができます。

平時であれば併設のレストランや「ますのすし」作りの体験コーナーなどもあるのですが、現在はコロナ的に休止中。
花より団子。できたての「ますのすし」を求めましょう。即売コーナーが用意されており、プレーンな「ますのすし」はもちろん、ここでしか買えない限定品や富山の名産品などがラインナップされています。
せっかくなので「伝承館ますのすし」「特選ますのすし」「ますとぶり小箱」を爆買い。ちなみに、おなじみのパッケージの絵柄は中川一政画伯のものであり、曲物そのままで販売するスタイルが主流の時代に紙のパッケージでメッセージ性を打ち出した点で革新的な商品として取り上げられたそうです。
当館限定・季節限定・数量限定の「伝承館ますのすし」。プレーンな「ますのすし」が1,500円のところ、こちらは2,700円とダントツの価格設定です。モエ・エ・シャンドンで言うところのドンペリ的な存在です。
売り子のおばちゃんは「おお!これをお買い求めになられるのですね!」とテンション爆発アゲの対応ですし、通りすがりの営業部長的なオジサンからは「おお!『伝承館ますのすし』を!ありがとうございます!」と声を掛けられたので、当社としても相当に気合の入った商品なのでしょう。
ひとくち食べて驚愕。旨いのである。あなたの知っている一般的な「ますのすし」の3倍ぐらい美味しい。マスには地元のサクラマスを用いており、旬の夏しか提供できないというレア感。肉厚で食べ応えがあり、ほどよく脂がのって実にジューシー。なるほど2,700円というのも納得の味わいであり、ややもすると割安に感じるかもしれません。
こちらは「ますのすし」と「ぶりのすし」がダブルで楽しめる「ますとぶり小箱」。950円です。ちなみにここでは「ぶりのすし」の他、ノドグロや焼サバ、海鮮の盛り合わせなど、こんなラインナップがあったんだと様々な気づきがあります。
こちらがプレーンな「ますのすし」。やはり「伝承館ますのすし」とは歴然とした違いを感じます。ちなみにプレーンなものはアイスランドや北海道のマスを用いているそうな。それでも米や水、ミツカンに特注した酢など要所要所は抑えたシャリであり、笹の葉の香りと相俟って深みのある味わいです。
こちらは特級部位を肉厚に用いた「特選ますのすし」。一本の鱒に少ししかない旨味が濃いとされる部位において、味・色・脂ののりなど全てクリアした身だけで作りあげており、なるほど旨い。一般的に特選やら限定やらを冠する食料品につき、「価格差ほどの違いはあるのか?」と疑問を抱くことが多いですが、こちらも「ますのすし」については明々白々な差分を感じます。
いち「ますのすし」ファンとしては充実したひと時でした。美味しさはもちろん、ここで働く従業員の皆さんの雰囲気も良いですね。工場内では防護服もかくやという徹底的な衛生管理がなされており、その場で脳外科手術でもできそうなほど清潔。ゲストと相対する方は穏やかな笑みを絶やさず色々と気が付く。料亭としては130年、駅弁業としては100年を刻む歴史は伊達ではありません。

100年もすればiPhoneは消えてなくなるでしょうが、「ますのすし」は100年でも200年でも、いつまでも生き続けることでしょう。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。