港区芝の「バラリン(BALLARIN)」。ランチタイムは近隣の勤め人に人気のイタリアンレストランであり、浜松町または芝公園から歩いて7-8分ほど。金杉橋のあたりに位置します。
お通し(?)として供されるパン。特に味のしないパッサパサのパンで、いきなりこれだけ出されてもなあというお気持ちです。きっちりパン代を請求されるのは納得いかない。
農園サラダ。色んな野菜が入っており、ところどころ苦味がきいて美味しい。(恐らく)自家製のドレッシングもドロリと濃厚な味わいで美味しいです。
ケークサレ。フランス語で「塩味のケーキ」という意味であり、その名の通り塩気とチーズの旨味が酒を誘います。冒頭にパッサパサのパンなんか出さないで、これをお通しにすればいいのに。
ゴボウのフリット。確かにその通りなのですが、なんともそっけないプレゼンテーションであり、私の美的感覚とは相容れないものがあります。沖縄の奥武島で食べる100円ぐらいの天ぷらにそっくりだ。
鹿ロースの炭火焼き。鉄っぽい味の濃いタフな肉を炭火でバリっと焼いており、ワイルドな旨さです。それでいて肉そのものは程よく柔らかい。たいへん美味しく、先のパンやフリットの気合いの入ってなさは何だったんだというお気持ちです。
スペシャリテの「天使海老のトマトクリームパスタ」。なるほど海老の旨味がきいており、リッチな乳脂肪とトマトの淡い酸味が良くいます。さしずめオチアイのウニのパスタの海老版といったところの美味しさです。美味しいだけに、もうちょっと量が欲しいところです。
まだまだ胃袋に余裕があったので、イカスミのスパゲッティを追加でオーダー。こちらは王道の美味しさであり量もしっかりとあって、ようやく満腹でフィニッシュです。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり1.3万円といったところ。お店の雰囲気の割に思いのほか高くつきました。ポーションが小さいため、結果として色々と注文してしまった結果かもしれません。料理についてはアタリハズレの落差が激しいので常連にお供する、もしくはランチから始めてみるのが良いでしょう。

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イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。