那覇市久茂地の「鉄板焼さわふじ」。地元の食材を多用する鉄板焼きとして名を馳せ、食べログでは百名店に選出されています。美栄橋駅から歩いて数分とアクセス至便。近くには沖縄随一の歓楽街を抱えているため同伴利用が多いのか、オープンは17:30と早い。
店内は鉄板に面したカウンター席が6席にテーブル席がいくつか。個室の利用も可能で、食後のデザートには専用のラウンジも用意されています。「うかい亭」へのオマージュかもしれません。お酒の値付けはややこしいですね。シャンパーニュのようなわかりやすいアルコールは妙に高く、夜の香りが感じられます。他方、ビールや泡盛などの価格設定は悪くありません。
前菜はハムにポテサラにイカ。いずれも県産品もしくは近海モノであり心なごみます。奥のセーイカはネットリとした口当たりで美味。心に残りました。
スープはミネストローネ。久米島の車エビのエキスたっぷりでビスクのよう。具材も県産のお野菜がたっぷりです。フエダイ。白身魚特有の淡泊で上品な味わいが特長的で、身は柔らかく、ほのかな甘みが印象的。ソース(?)はフエダイの骨から取っているそうで、身よりもその味が濃厚です。
牛肉だけでなく豚肉も出てきます。こちらは「やんばるあぐー豚」であり、そのヒレをソテーしたもの。甘い脂と旨味が絶妙で実にジューシー。
メインは石垣牛サーロインと本部(もとぶ)牛ランプの食べ比べ。前者は豊かな脂の甘み推し、後者は赤身中心で肉々しい味覚。食べ比べと言いつつ方向性が全く異なる肉質であり面白い。
〆のお食事はガーリックライス、ではなく、沖縄の郷土料理であるジューシーをオマージュした焼きめしです。味わいの方向性はジューシーでありながらオコゲの部分がパリパリと香ばしく、興味深い味わいです。お椀はゆし豆腐で、たっぷりのアーサと濃厚な鰹出汁がグッドです。
デザートは宮古島産シャーベット。食後のお茶は琉球紅茶。鉄板焼きながら徹頭徹尾、沖縄の食材に拘るところが素晴らしい。
以上のコース料理が8,800円で、ふたりでワインを1本飲んでお会計はひとりあたり1.3万円ほど。同じクオリティの鉄板焼を東京のホテルで食べようものなら倍は請求されることから大変お値打ちと言えるでしょう。「神戸Bar 仲々(なかなか)」にせよ「鉄板焼 朝日(あさひ)」にせよ、沖縄の鉄板焼き界隈は穴場かもしれません。

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