新木場で夕食難民となってしまい、グーグルマップから何とか探し出した「肉のウヱキ 新木場店」。昭和レトロをコンセプトにした大衆酒場兼定食屋であり、五反田に続く2号店のようです。店名につき、「ウエキ」でなく「ウヱキ」な表記でその個性を強調しています。
店内は昭和の大衆居酒屋的な雰囲気であり、グループ客が大声で騒ぐサウンズが耳を圧する。スタッフが足りていないのか表情から余裕が感じられず、割烹着などコスプレに勤しんでいる割には驚くほど愛想が悪い。この時点で回れ右して帰りたくなりました。
べたつく机と椅子に我慢しながら何とかドリンクを注文。客が騒がしいのは既に述べましたが、謎の昭和なBGMの音量がとにかく大きく、連れとの会話がままならないほどです。また、衛生面にも難ありで厨房はとっ散らかっており、食器の洗浄は甘くところどころ欠けている。ゲストが帰った後のバッシングも全く追いついていません。
お通しは色の悪い千切りキャベツと玉子サラダ。いずれの食材も質が悪く、これでお通し代を徴収できるのだから悪くない商売です。「牛タン刺」は刺身というよりも低温調理が行き過ぎた外観でありローストビーフに近いニュアンス。見た目の通り全く美味しくありません。
ほうれん草のポパイサラダ。こちらは料理というよりも素材であるため、他の料理に比べると幾分マシに感じました。本日一番のお皿です。
スペシャリテのメンチカツですが、ひと口噛むと失望が広がります。揚げ油が古く、鼻につく重い臭いが漂い、味に雑味が混ざります。衣は油を吸いすぎてベタついている一方で中の肉はパサついており、肉汁も乏しい。期待したジューシーさはなく油のくどさが口に残り、食べるたびに気分が重くなるひと品です。
揚げ物はダメだと判断し、「辛味噌ホルモン炒め」を注文するのですが、こちらも順調に期待を裏切ってくれました。ホルモンはゴムのように硬く臭みが支配的で、噛むたびに鼻をつく不快な匂いが広がります。辛味噌は中途半端で、ピリッとした刺激が物足りず、味噌のコクも薄い。油っぽさが全体を支配しており心はズタズタだ。「とろ生レバー串」は覚悟していたほどは悪くなく、たっぷりのネギ塩ダレ(?)が肉の質の悪さをマスキングしてくれます。
「地獄麻婆豆腐」は豆腐をパックごとレンジでチンしていました。豆腐は水っぽく、ボソボソと崩れる食感で旨味がありません。挽き肉は少なく油が浮いており、塩気こそ強いものの複雑味は感じられません。まさに地獄なひと品です。
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「地獄麻婆豆腐」は豆腐をパックごとレンジでチンしていました。豆腐は水っぽく、ボソボソと崩れる食感で旨味がありません。挽き肉は少なく油が浮いており、塩気こそ強いものの複雑味は感じられません。まさに地獄なひと品です。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり3-4千円といったところ。ある意味では値段相応であり、なるほど東京でこの価格帯の居酒屋をやっていくのは無理があるのかもしれません。料理人を始めとしてスタッフの目からは精気が無く、疲れ切っているのも心配。こういうビジネスモデルは持続可能でないと私は思うのだけれど。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。