2026年4月に目黒で開業した「KONEXIOA(コネクショア)」。目黒駅から徒歩で10分以上離れた住宅街に位置し、緑豊かなアプローチを抜けて辿り着くという東京では珍しいタイプの一軒家のスペイン料理レストランです。結論から述べると、2026年やっちまったぜオブザイヤー最有力の飲食店です。
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店内は別荘地の高級レストランを思わせる気持ちの良い空間(写真は公式ウェブサイトより)。1階中央のメインダイニングには開放的なテーブル席とゆったりとしたソファ席が広がり、2階には1階を見下ろすテーブル席と個室が用意されています。
当店のシェフは「ミシュラン獲得シェフ」と各種メディアで主張されているのですが、色々調べてみるとミシュランの星を獲得したわけではなく、かつての勤務先である新橋のスペインバル「ティキプラカ」がビブグルマン(価格以上の満足感が得られる料理)として掲載されただけでした。ビブグルマンはもちろん立派な評価ですが、これを「ミシュラン獲得シェフ」と呼ぶのは、かなり好意的な翻訳だと思います。五反田「VIERGE(ヴィエルジュ)」の三ツ星シェフを思い出すなあ。
着席して何を飲もうかと思案していると、お酒とは別に「水はガス入りかガス無しのどっちにするか?」と問われます。「水道水でいいですよ」と伝えると「それはナシで、ミネラルウォーターのボトル売りしかない」と鮮やかな押し売り。なんだよ「それはナシ」って友達かよ。しかも1,600円とまあまあ高い。カジュアルなスペイン料理店なのに酒代も席料も取った上、水代まで徴収するとは大した度胸です。
しかもスタッフは水で何とか課金させることに一生懸命で肝腎の酒のオーダーを間違っており、加えて注ぐ際にジョバジョバにぶっこぼして床まで拭かねばならないほどの大惨事。めちゃくちゃだ。もう、めちゃくちゃだ。
後で確認すると当店はアルバイトを時給1,350円で募集しており、なるほどこのトレーニング不足なオペレーションにも合点がいきました。駅から遠く離れた不便な立地で、水代や席料まで強気に毟り取る割に、客層も空気感も妙にカジュアル。わざわざタクシーを飛ばして訪れるような風格は微塵もありません。
定番のピンチョスはこれだけでまさかの3,300円。味の良し悪し以前に、幾度となくスペインのバルを練り歩いてきた身としては都市伝説級の費用対効果です。東京は怖い街である。
グリーンサラダは1,760円。760円の間違いかと思いきや、しっかりと1,760円でした。しかもこれで2人前という芸術的なミニマリズム。コンビニのパックのサラダの方がまだ社会性のある量であり、これは料理ではなく寄付なのかもしれません。
タコはほんの数口で2,420円。しかもジャガイモでガッツリ底上げされており、タコ料理なのかジャガイモ料理なのか判然としません。スタッフは胸を張って「当店のアラカルトは全て2人前です」と宣言するのですが、このポーションを2人で分け合えというのはどこのホビット庄の朝食会だよというお気持ちです。
パンは冷え切って乾いており口の中パッサパサです。強力な珪藻土のごとく口内の全水分を強奪していくので、なるほど冒頭の有料水が活きる時が来た。伏線は回収された。
豚肉は300グラムで6,050円とあらやだ超高いわ。しかもまあまあゴッツイ骨が付いており、やはりこれが2人前のメインディッシュとは無理があります。
しかも各種メディアで散々「薪火料理」と喧伝しているにも関わらず実際には鉄板焼きで、おかしいなと思い食べログのアプリを開くと6ポイントぐらいの小さな文字で「※申し訳ございません。現在、薪火料理を中止しております。」との記載がありました。ズコー。
パエリアは3,960円なのですが、どこでこんな小鍋を見つけてきたんだと言うほどのポーションであり、2人で分け分けするとひとりあたりお茶碗1杯分にも満たず、仏壇へのお供えかと見紛うほどです。
さらに言えば、各種媒体では「モダンスパニッシュ」と喧伝されているのですが、実際にこれまで供された料理の内容は数百年も前から食べられているような古典的な料理で、その看板にも実態が伴っていません。「ミシュラン獲得」「薪火」に続く、肩書きのインフレの一例と言えるでしょう。
緑豊かなエントランスからのアプローチを含め、ハコ自体のポテンシャルは決して悪くありません。やるならやるでサンセバスチャンの「アケラレ」や「ムガリッツ」のように、不便な立地を逆手に取った客単価数万円のハイエンドなガストロノミーへ振り切るべきだったし、あるいはスペイン料理という看板を潔く捨て去り、「ハイヤーグラウンド」のような上質なブランチ特化型レストランへ舵を切る手もあったはず。閑静な住宅街というロケーションを考えれば、その方がよほど街の空気感にも馴染んでいたことでしょう。
いずれにせよ、今回並べた数々の問題は現場スタッフ個々の瑕疵というより、そもそものコンセプト設計そのものに無理があったことに起因しているのでしょう。会議室で意思決定がなされた時点で、この店の失敗はある程度決まっていたように思えてなりません。
繰り返しになりますが、2026年やっちまったぜオブザイヤー最有力候補です。価格や味の良し悪し以前に社会人としての根本的な姿勢に強い不信感を抱いています。カジュアルな業態でありながら水代や席代まで徴収するシステムに加え、「ミシュラン獲得シェフ」「薪火」「モダンスパニッシュ」といった実態と乖離した見せ方は、客への背信行為と言わざるを得ません。さらにゲストだけでなく未来の同僚を迎えるための求人表記に至るまで実態を誤認させる手法はビジネスとしての信義則にも反します。レストランとしての実力以前に、誠実さを著しく欠いた非常に後味の悪いディナーでした。
帰り道、「ぜんぜん足りない」とお腹を空かせた連れはミスドでドーナッツを4つも買っていました。ちなみに「さつまいもド 香ばしクレームブリュレ」は216円とは思えないほどの美味しさなのでオススメです。
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世界を席巻するスペイン料理につき、その美味しさの秘密を明文化。家庭料理から郷土料理、伝統レストランの逸品までが家庭のキッチンで疑似体験できるようになります。
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