エル リンコン デ メヒコーラ(EL RINCON DE MEXICOLA)/牧志(那覇)

2025年夏に旧牧志公設市場の雑貨部・衣料部跡地に開業した「エル リンコン デ メヒコーラ(EL RINCON DE MEXICOLA)」。昔ながらの風情が残る平和通りアーケードの中で、突如として現れるカラフルな外観は、思わず二度見してしまうほどの強烈な存在感を放ちます。運営は「リゴレット」などを手掛ける株式会社HUGEとのこと。
店内は100坪もあるそうで、このエリアでは希少な物件と言えるでしょう 。メキシコの伝統的な帽子「ソンブレロ」をモチーフにしたシャンデリアや「マラカス」をかたどった照明が、細部にわたるテーマ性へのこだわりを物語っています。
HUGE社が自社で醸造するクラフトビール「IWAI LAGER」で乾杯。1パイント1,300円と東京の価値観です。すっきりとした喉ごしとキレが特徴のラガータイプでありながら、ライムを思わせる柑橘系の爽やかな香りが感じられます。
お通しとしてチップスが提供されます。穀物の風味が豊かであり、先のビールと合わせて無限に食べ続けてしまいそうです。
具沢山コブサラダ。レタスやアボカド、トマトといった定番の野菜に加え、チキンやエビ、ゆで卵など彩り鮮やかな野菜と様々な具材が盛り込まれます。このボリュームで1,300円というのは悪くないのですが、アボカドが熟しておらず硬く青臭かったのが残念。
タコス・エンペラドール。トルティーヤ6枚とメイン具材を2種選んで2,800円。好みのフィリングとトッピングを自分で巻いて楽しむスタイルで、手巻き寿司的な楽しさがあります。お肉は牛肉とラムを選びました。
トルティーヤはメキシコの伝統的なトウモロコシの粉「マサ」を使い、毎日店内で粉から手作りされているそうです。なるほど美味しいのですが、6ピース2,800円ということは1ピース500円近くする計算で、ビッグマックと同価格帯と考えると高いよなあ。
チキン ファヒータ。スパイスでマリネした鶏肉を、玉ねぎ等の野菜と共にグリルし、熱々の鉄板に乗せて提供されます。添えられたトルティーヤに、3種のフレーバーから自由にソースをのせて頂きます。
以上を2人でシェアし、軽く飲んでお会計はひとりあたり7千円ほど。うーん、これはちょっと、那覇のメキシコ料理としては高杉ですね。味だけであれば寄宮の「ヴィーダ ロカ(vida loca)」のほうが美味しいし、費用対効果という意味ではのうれんプラザの「ブレーメン(Bremen)」に軍配が上がる。那覇のダイニングシーンに現れた刺激的な新星ではあるものの、どういった客層をターゲットとしたいのかがわかりかねました。おつかれさまでした。

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