ラオスのルアンパバーンにあるレストラン「Khaiphaen(カイペーン)」。恵まれない青少年の職業訓練を目的としたNGO「TREE Alliance」が運営する有名店であり、伝統的なラオス料理をベースに、現代的なアレンジを加えた料理が高く評価されています。
ルアンパバーンは観光産業が盛んである一方で、地方出身の若者や少数民族の若者が十分な教育を受けられず、低賃金労働や不安定な雇用状況に置かれるリスクが高い地域であり、当店はこうした若者たちに対し、調理技術、接客サービス、英語能力、そして衛生管理といった実践的なスキルを提供することで、彼らが観光産業の正規雇用市場へ参入するための架け橋となっています。
店内は明るく開放的な雰囲気で自然光が気持ち良い。屋内のダイニングエリアに加え、涼しい乾季にはテラス席が設けられます。スタッフは明確に「生徒(Student)」と「教師(Teacher)」に区分されており、ユニフォームによって識別可能なのが面白い。生徒たちは実際の営業中に、オーダーテイク、ドリンク作成、調理補助、配膳、会計などの業務を行い、これぞまさにOJT。
私はビール、連れはパイナップルとパッションフルーツのスムージーを注文。ひとくち味見させて頂きましたが、完熟フルーツを贅沢に用いており、パイナップルの濃厚な南国の甘みと、パッションフルーツ特有の華やかな香りと突き抜けるような酸味が上手くブレンドされています。
サイウア。いわゆるラオス風のハーブソーセージであり、豚挽肉にレモングラス、こぶみかんの葉、ガランガル、唐辛子、ナンプラーなどを練り込み、腸詰めにして焼き上げています。食べた瞬間に複雑で爽やかな香りが爆発。 添えられているのは、ラオスの食卓に欠かせない「ジェオ(Jeow)」と呼ばれるディップソースであり、ソーセージのジューシーな脂を、香ばしくピリ辛な風味で引き締めていきます。
ラープ。ラオスの国民食である挽肉のサラダです。鶏の挽肉にローストしたカボチャ(?)を組み込んでおり、甘みとホクホクとした食感のアクセントを加えています。伝統的な辛さとハーブの香りを守りつつ、野菜の甘みでバランスを取った、万人受けするモダンな味わいです。
カオニャオ。ラオス人のアイデンティティそのものと言える蒸したもち米です。日本のもち米よりも粘りが少なく、適度な弾力と噛むほどに広がる甘みが特長的。量が多いので、2人で1杯注文してシェアすると良いでしょう。
以上の総額が1,700円ほどと、信じがたい費用対効果です。美味しく食べて、少し飲んで、それだけでラオスの若者たちの未来を少しだけ明るくできるのですから、これほど気持ちの良いお金の使い方はありません。
「社会貢献」と聞くとつい身構えてしまいますが、ここは変な説教臭さも、支援を強要するような圧もゼロ。日本でよくある「意識高い系」のプロデュース感にアレルギーがある方でも、ここなら素直に楽しめるはずです。美味しいものを食べることが、結果として最適解な支援になる。このスマートな構造こそ、我々が見習うべき持続可能な支援の形なのかもしれません。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。






