歓迎 本店 (ホアンヨン)/蒲田

「蒲田餃子御三家」のひとつである「歓迎 本店 (ホアンヨン)」。立地が非常にユニークで、大田区立消費者生活センターという公共施設の1階に入居しており、JR蒲田駅からは歩いて5分ほどです。ちなみに「蒲田餃子御三家」とは「你好(ニイハオ)」「歓迎(ホアンヨン)」「金春」であり、「你好」の創業者であるムッシュ八木の兄弟や親戚によってそれぞれ創業されたという関係性があるようで、当店は食べログの百名店に選出されています。
日曜日の13時頃でも満員御礼の人気店。記帳台に名前を書きしばし待つのですが、回転が速いためすぐに着席できました。店内に足を踏み入れると、そこには昭和の趣が色濃く残る空間が広がっており、大人数で囲める円卓と、少人数向けのテーブル席が並び、壁一面にはこの店を訪れた数多くの著名人の写真が飾られています。同じ建物には図書館も併設されており、この公的な建物の中に庶民的な中華の名店が同居しているというギャップが、店の気取らないキャラクターを一層際立たせています。
飲み物はいずれも1杯500-600円といった程度であり、気持ち良く酔っ払うことができます。とは言えトイレは店内に専用のものはなく、ビル内の共用トイレを使用する形式であるので飲みすぎ注意です。  
注文後1分も経たないうちにエビ入り炒飯がやって来ました。流石に作り置きなのか、中華料理店ならではのダイナミックな味わいはなく、冷凍食品のピラフのような味わいです。
こちらはナンコツの唐揚げと野菜を炒めたもの。こちらも注文から90秒程度で出てきたので、少なくとも唐揚げ部分は作り置きだと思料します。それでもコリコリとしたナンコツの歯ごたえと野菜のシャキシャキとした食感に甘辛いタレがよく絡み、ビールを呼ぶ味覚です。
真打登場、羽根つき焼き餃子。当店の代名詞とも言えるひと品であり、パリパリとした薄い羽根と、もちもちとした厚めの皮のコントラストが堪りません。餡は生姜が効いていて爽やかな風味があり、ジューシーな肉汁が口いっぱいに広がります。これで1皿350円は東京の奇跡と言えるでしょう。
チンゲン菜のオイスターソース炒め。シャキシャキとした食感のチンゲン菜をコクのあるオイスターソースで炒めたシンプルなひと品。ニンニクも効いており、食欲をそそる香りが堪りません。味付けはやや濃い目であり、前述のパっとしない炒飯と合わせて食べるに最適です。
エビ入り水餃子。こちらもモチモチとした厚めの皮が自慢であり、茹でる調理法に最適化されています。餡はエビのプリプリとした食感がアクセントになっており、肉汁がじゅわっと溢れ出す様はまるで小籠包のよう。    
春巻きはパリパリに揚げられた皮の中に、プリプリのエビ、コクのあるチーズ、そして爽やかな風味のしそが入り創作的な味覚です。ビールとの相性が抜群でツマミとして延々にパクついてしまいます。
以上を食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり3-4千円といったところ。我々は羽田空港に向かうついでに立ち寄りましたが、空港のレストランに比べると大いに割安。味も良く、個人的には「金春 本館(こんぱる)」よりも好き。平日の昼時にはお得な定食メニューも用意されており、使い勝手の良いお店です。

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