麻布 川上庵/麻布十番

大晦日。夜ならみんな紅白見てるかハワイ行ってるだろーと、予約もなしに訪れたのが間違いでした。1時間待ち。もちろん後にはひけないので、大人しく待ちました。
琥珀の時間。色合いの割に飲みやすい。けど高い。ややガッカリ。
 お通しは悪くないけれど、これで500円近く取るんだよなー。
 生麩。アツアツのモフモフで美味。生麩っていいですよね。あまり食べる機会がないのが寂しい。
 しいたけの醤油炭火焼。じっとりとした旨味が舌に貼りついてお酒が進みました。大根おろしとかがケチケチしてないのが良いですね。
 シメサバの炙り。コクの詰まった身をさらりと香ばしく。
 日本酒は小売の4倍近い価格設定で感心しません。
 そばがき。こいつは超巨大で食べ応えアリ!はっきりとした歯ごたえで美味しかった。
 うまき。悪くはありませんが、細かく刻まれた鰻がぐじゃぐじゃと混ぜ込まれているだけで、いわゆる鰻屋のうまきとは全然違う。少々肩透かし。それでいて鰻屋より高いの。
 鴨のたたき。こいつは味が濃く滋味に溢れて良かったです。もう少し厚めにスライスしたほうが歯ごたえを楽しめてよいかも。

と、いうわけで、お洒落で客層が良くてそこそこ美味しくて夜中までやっていて、だけども全般的にちょっと高めで、良くも悪くも十番的なお店だよなあと結論づけようとしたその時!!!
 天せいろ到着!!!うおーなんだこの巨大なエビエビエビ!ぐわー!奇蹟のカーニバル開幕!この天ぷら盛り合わせとそばがついて1,950円は信じられん程安い!ラーメン二郎的謎の感動がここにある。
 そばも中々、どころか実は十番で一番旨いんじゃないか級。更科系とはベクトルが異なる野性味溢れる味わいです。
調子に乗ってもう一枚!追加せいろは500円と良心的。死ぬほど腹パンになりましたでござる。

うーむ、正直エビの巨大さで野菜天の味やら揚げそのものの技術とかはどうでも良くなってしまった。いや、それほどあのエビはインパクトあり。美味しいかどうかはさておき、精神的にとてもとても満足しました。

お酒と料理の種類が豊富でつい色々と注文したくなりますが、そこはぐっと堪えて天せいろ一本で攻めるのが吉かもしれません。正直他のおつまみ系は居酒屋レベル。でも蕎麦はまあ満足できる。そんな店。大晦日じゃない日に純粋に来るかと問われればチョット微妙。

いずれにせよ本日は大晦日であったので大満足です。2014年最後に相応しい食事となりました。感謝するぜお前と出会えたこれまでの全てに。来年は鴨せいろにしようっと。



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サルマティッカアンドビリヤニ/品川

おっさん7人で忘年会。こういうときに一番センスが問われます。選びましたは品川と御殿山の間の路地にあるインド料理屋。コース料理4,000円にプラス1,000円で飲み放題。
 マサラパパド。豆の粉のせんべい。散りばめられたスパイシーな野菜たちが食欲をそそり、スターターとして素晴らしい。
 サラダはナンでもないキャベツサラダでした。
 パコラ?サモサ?ジャガイモと野菜を揚げたもの。日本人には出せない味付けで悪くない。
 フィッシュティッカ。平たく言うと、魚のカレー炒めです。香り高い味付けがもうやみつき。本日一番の皿。
 タンドリーチキン。スパイスとヨーグルトソースにマリネした骨付きチキンを串に刺し、タンドール釜で焼きあげる。辛くてしょっぱくて酒酒酒。
 ピーマンにジャガイモを詰めたもの?これはイマイチ。ピーマンが凡庸なピーマンで工夫なし。サモサとも味つけが重複しています。
 シシカバブ。フレッシュハーブとスパイスにマリネしたマトンの挽肉をソーセージのように串にくっつけタンドール釜で焼き上げたもの。スパイシーさ加減で言えばこれが一番強烈だったかも。さらに食欲が刺激される。
 カリフラワー。これはちょうど良い箸休め。食材そのものの甘さとスパイスの香りが折り重なって、ほっこりするのです。
 チーズナン。ナンにたっぷりのチーズ。本当にインド料理として認められるのかはわかりませんが、まあ、どう考えても美味しいです。
チキンカレー。よくあるインド料理食べ放題に出てくるカレーに近しい。
キーマカレー。こちらもどこにでもあるインド料理屋の味。
ビリヤニ。細く長く香り高い米を用いた炊き込みご飯です。スパイスと米が重なり合って独特の風味。すごく美味しいかと問われると違うかもしれませんが、異国を感じられるという意味ですごくよい。
こちらはバターをたっぷりしたナン。こってりと背徳的な味わいで美味。あと普通のナンもあったけど、テーブルの遠い位置にあったので手が届きませんでした。
ほうれん草のカレー。見た目の割に味は薄い。印象なし。
これはよくわからんかった。フレンチドレッシングみたいな味で、使い道が不明。

5,000円でこの充実度は素晴らしい。辛いからお酒も進んで盛り上がっちゃう。店員は全員がインド人で意思の疎通がうまくいかないことも多いですが、そういうのも含めてエンターテインメントです。

そうそう、6人で予約してて、当日Aさんが来れるか微妙になって、乾杯15分前に代打Bさんを見つけてたのですが、結局終了5分前にAさんが到着し、うーん飲み放題終わっちゃったしどうしようと困っていたら、お店側がタダでビールを振舞ってくださいました。なんて心の広い。

品川駅周辺は良いお店が少ないですが、少し足を伸ばして北品川方面または当店、これですね。



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龍吟/六本木

欧米系は不当に高い料金を請求されるこの季節。クリスマスは和食と10年前から心に決めているのです。
 龍吟。ミシュラン3ツ星。The world's 50 best restaurants 2014では33位。日本を代表するレストラン。お店に入ると着物姿の美女がお出迎え。
入店して驚き。クロスが黒。店員も黒づくめ。ロブションを彷彿とさせます。
メニューは封筒に入った状態で。そう、当日は龍吟の誕生日であり、11周年特別メニューなのです。驚いたのは、同日に"覆面自腹レストラン評論家"の友里征耶さんが居たこと彼は毒舌ブログで一世を風靡したのですが、最近は本業がお忙しいようで、あまりレストランに行けないそうです。

ちなみにゲストは我々を除いてほぼ外人。店員さんにまで外人がいて、聞こえる会話のほとんどが英語。海外旅行気分。なんなら料理の説明を英語でしてもらったほうが面白いかもしれません。
茶碗蒸し。ウニやらタラコやら色々と入ってます。美味しいのですが、食材がバラバラと主張しまとまりがない。ウニだけでいい。
焼いた白子にかぶら蒸し。居酒屋味でした。茶碗蒸しでも思いましたが、味付けがはっきりとしてる。外人向けですなあ。
自家製のカラスミにばちこ。カラスミはしっとりと柔らかく舌先にまとわりつく。こんなに旨いカラスミは初めてです。ばちこは上質なハムのようでした。
一足早い雑煮。一番出汁の質はさすが。唸ってしまう。松葉ガニも申し分ない。ただ、金粉やら星やらはロスでは日常茶飯事かもしれませんが日本ではダサすぎるのでもうやめてください。
お餅を崩すとカニのほぐし身が大量発生!とんでもない量です。ただのお餅ぐらいにしか思ってなかったので、良い意味で期待を裏切ってくれました。
アワビ。適度な歯ごたえ。参りました。
ホッキ貝とイカと伊勢海老。ちょっとごちゃごちゃしてるかなあ。まとまりがない。良い食材なのにもったいない。
ヒラメも最高品質。美味しかった。アンキモはクリーミーで上品。
リンリンリンリンとベルを鳴らしながらツリーがやってきたと思うと、
中から鶏肉を取り出す。クリスマスチキンですって。
ノリが完全にムガリッツアルサックなどのモダンスパニッシュ。The world's 50 best restaurantsが評価するわけだ。
中には大量のフカヒレ。なんかもう、高級食材のオンパレードで苦笑いしてしまう。
きんきの炭火焼に茄子。きんきの脂を茄子がじっとりと吸い上げ、申し分ありません。手前は海老芋を炊き込んで煮崩して裏ごしたもの。もう分子調理ですよこのノリ。
青リンゴのガリ。この皿が最も衝撃的だったかもしれません。目が覚める美味しさ。青リンゴの、ガリなんですよ!うー、うまく説明できない。でも、青リンゴの、ガリなんですよ!
オリーブ牛のすき焼き仕立て。なにオリーブ牛って流行ってるの?
巨大なフォアグラも鎮座。なんかもう和食じゃない。引き算の料理の対極。旨味を重ねて重ねてどうだ!という感じ。
温玉を崩す。うーん、すき焼きを分解して再構築。発想がヌエバコッシーナ。
あまりにも高級食材オールスターズだったので、もうスッポンでも松茸でも何でもきやがれと、半ば投げやりな気持ちになっていると、結論はフグ雑炊に黒トリュフでした。もうお椀を開いた瞬間、店員さんを前にして笑ってしまいました。いやー、トリュフですか。フグにトリュフですか。しかもこれ、雑炊とナメてはいけない。フグの身がゴロゴロと大量に転がっており、フグ食べてる感すごいです。卵のトロトロ具合もたまらん。しかし先ほどの友里さんの記事によると、常連の彼は白トリュフでした。格差社会ここにあり。
香の物でサッパリと〆る。ごちそうさまでした。
デザートは六本木ぷりんと言って、
濃厚なマンゴープリンと爽やかなジュレ、クリームと3層構造。大好き。
さらには温かいどら焼きみたいなのにイチゴちゃんをたっぷりと。悪くはないのですが、最後の最後で重たすぎる。余計な一皿。ふざけたロスタイムですね。
総括。素晴らしいお店です。前衛的すぎてついていけなかったり、高級食材の連打など色々とわかり易すぎてうんざりするところもありますが、料理自体は総じて大変美味しい。間違いなく旨いです。肝心の味は押さえておいて、ピカソ的に創造性を爆発させる。グルメであれば一度は行っておくべきお店でしょう。
ちなみに2階のウェイティングルームには、なんとフクロウがいます。龍ちゃんと
吟ちゃんだと。ふざけてる。そう、ここのシェフは遊び心に満ち溢れているのです。

和食ではなく龍吟料理。伝統にとらわれず未来に生きて斜め上から攻めてくる。こういう革新的なお店が力を持ち、退屈になりがちな和食シーンに刺激を与えてくれるのは嬉しい限り。またお邪魔したいと思います。次回は夏。スペシャリテの鰻料理ですね。



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和食は料理ジャンルとして突出して高いです。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの和食ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い和食なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
黒木純さんの著作。「そんなのつくれねーよ」と突っ込みたくなる奇をてらったレシピ本とは異なり、家庭で食べる、誰でも知っている「おかず」に集中特化した読み応えのある本です。トウモロコシご飯の造り方も惜しみなく公開中。彼がここにまで至るストーリーが描かれたエッセイも魅力的。