2025年末に開業した「TOKIOフレンチ 恵比寿店」。二子玉川で成功を収めた「TOKIOフレンチ ルナティック」の姉妹店にあたります。恵比寿駅の東口から歩いて7-8分ほどの場所に位置し、近くに「イル バロンドーロ(IL BALLOND'ORO)」などがあります。
店内は思いのほか広く50席近くあるのですが、お昼時にも関わらずゲストは私のみ。特に案内もされないので困惑していると、「当店はセルフサービスであり、その券売機で注文した上で、配膳や後片付けなども全部自分でやって欲しい」との説明。うーん、それは別に構わないのだけれど、その説明している間に君、オーダー取れたよね?この時点で不吉な予感がして仕方がありません。
ランチには飲み物が付くのですが、なんとご丁寧にドリンクの準備ができるだけでピンポーンと鳴り、客が立ちあがってカウンターにまで取りに行く必要があります。また、カトラリーなども全てセルフで用意する必要があるのですが、ゲスト全員が接するカウンターに剥き出しで置かれているものをピックアップしていくのは流石に抵抗がある。
数分後、再びピンポーンと鳴り、ランチのセットに付随するサラダをピックアップしに行きます。学食やファストフードのように全ての料理が用意された状態のものをセルフで取りに行くのは構いませんが、この、ひと皿ひと皿について何度も立ち上がってカウンターまで往復するのは想像以上にストレスがある。
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パンが温まったとのことで、ピンポーンと鳴ります。流石に頭にきて「客は私だけで皆さん手が空いているのだから、パンぐらい持ってきて下さいよ」と申し入れるのですが、「でも、その分、良いものをお安く提供しているので」と会話が噛み合わない。もちろん現場のスタッフはマニュアル通りに動いているだけで罪は無い。これ以上の文句は言わず、大人しく心のシャッターを降ろします。
ピンポーン。私のメインディッシュである「牛ハラミステーキ ディアブルソース」が出来上がったので、再びカウンターまで取りに行きます。「お客様のセルフサービスにより、人件費を削減し、高級食材を使用し、丁寧に仕込み、調理したフランス料理を魅力的な価格で提供いたします」との案内でしたが、ぜんぜん不味いやんけ。
主食材たる肉の質は低く、繊維が瑞々しさとは無縁であり、ボソボソとした食感はもはや苦痛。何より看過し難いのは熱力学を無視した温度管理であり、冷え切った皿が肉の余熱を奪い、料理全体が生ぬるい不快感に沈んでいます。ソースは調味の輪郭が消失している一方で、執拗なドロドロ感だけが口腔内に残り、生理的な拒絶反応を誘発します。「セルフサービス」という免罪符を盾に最低限の品質管理すら放棄した惨憺たるひと皿でした。
食後は「お帰りの際には食器類は返却口へ テーブルの清掃もお願いいたします!」と、びっくりマーク付きの指導を受けます。ここまで客にやらせておいてキッチリ1,280円を請求されるのだからやりきれません。ファミレスのガストのフレンチのコースのほうが食体験として遥かにマシです。
入店直後は学食やフードコートのように感じましたが、片付け含めて座席とカウンターの間を5往復もしたこともあり、何か罰を受けているかのような気分に陥りました。お決まりのランチセットですらこうなのだから、ディナータイムのコース料理は一体どうなることやら。尊厳を削るオペレーションを強いられたことによる精神的な疲労から、このあと私は半日ほど気分が優れなかった。
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