恵比寿3丁目交差点近く、外苑西通り沿いの「トリッペリア イル マカオーネ (Tripperia il macaone)」。トリッペリアとはフィレンツェで親しまれるモツ料理専門店のことであり、内臓を使った料理がメインのイタリアンレストランです。
1階はカウンター席のみ。厨房が目の前でライブ感があります。2階にはテーブル席が用意されているようです。深夜3時まで営業という面白い業態であり、このエリアで深夜にしっかりとした食事を楽しむことができるのは嬉しい限り。
酒は安く、なんとハウスワインは赤白共に500円での提供です(写真は泡で1,100円)。量はたっぷりでキンキンに冷やしており、暑い日にガブガブ飲むに最適のお店です。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
前菜盛り合わせ。トリッパマリネのサラダを中心に、ハマチ、白インゲンのカラスミがけ、ズッキーニのサルサヴェルデ和え、キャロットラペ。野菜たっぷりで実にヘルシーで、とりわけトリッパを爽やかなマリネ液で仕上げたひと品が心に残りました。
スペシャリテの「トリッパのトマト煮込み」。牛の第2胃(ハチノス)をトマトで煮込んだフィレンツェの郷土料理であり、クニュッとした食感とまろやかな味わいが特長的。ビジュに比べて非常にアッサリとした口当たりで、トマトの酸味と甘みが溶け合った奥深い味わいを楽しむことができます。パスタはランプレドットのラグーで頂きました。ランプレドットは牛の4番目の胃袋のことを指し、焼肉屋で言うところのギアラです。フィレンツェではスープ煮にしてパンに挟んだものが屋台やフードワゴンでよく売られています。ギアラのコリコリとした歯応えと、旨味たっぷりのスープが良い味を出しています。
以上を食べ、そこそこ飲んでお会計はひとりあたり7-8千円と言ったところ。冒頭記した通り、このクオリティを深夜にも楽しむことができるのは驚きです。こういった凄みのある店が普通にあるのが東京の懐の深さと言えるでしょう。
また、当店の運営会社(?)は人吉市で唐辛子「人吉ぴっかんて」を生産しているそうで、次回はこれを用いた料理、例えば「人吉ぴっかんてのペペロンチーノ」や「人吉ぴっかんてのチョリソー」を楽しんでみたいと思います。
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イタリア料理屋ではあっと驚く独創的な料理に出遭うことは少ないですが、安定して美味しくそんなに高くないことが多いのが嬉しい。
- ウシマル(Ushimaru)/山武市(千葉) ←ちょっとした海外旅行に来たような満足感。
- ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)/岩出(和歌山) ←我が心のイタリアン第1位。
- プリズマ(PRISMA)/表参道 ←高価格帯のイタリア料理という意味では東京で一番好きなお店かもしれない。
- 三和(さんわ)/白金台 ←直球勝負で分かり易く美味しい。
- merachi (メラキ)/西麻布 ←質実剛健ながら日本的な繊細な感性も感じられる。
- Il Lato(イル ラート)/新宿三丁目 ←お魚料理のひとつの究極系。
- ヴィンチェロ(Vincero)/新宿御苑 ←どのような大食漢が訪れたとしても満足すること間違いなし。
- リストランテ ラ・バリック トウキョウ(La Barrique Tokyo)/江戸川橋 ←無冠の帝王。
- TACUBO(タクボ)/代官山 ←ポイントは二番手の存在。
- アロマフレスカ(Ristorante Aroma-fresca)/銀座 ←好き嫌いを超えた魅力。普遍性。
- ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 仙石原/箱根 ←最高の家畜体験。
- クッチーナ(CUCINA)/大垣(岐阜) ←何でもアリの旨いもの屋。
- ひまわり食堂/富山市 ←こねくり回すことなく、いま何を食べているのかハッキリとわかる味と量。
イタリア20州の地方料理を、その背景と共に解説したマニアックな本。日本におけるイタリア風料理本とは一線を画す本気度。各州の気候や風土、食文化、伝統料理、特産物にまで言及しているのが素晴らしい。イタリア料理好きであれば一家に一冊、辞書的にどうぞ。