岐阜は関にある創業160年以上の老舗うなぎ専門店「辻屋(つじや)」。江戸時代から続く名店であり、ミシュランではビブグルマンとして選出されています。平日であっても連日の満員御礼ですが、2023年に店舗を拡張し、行列の長さはマシになったようです。
店内は旧エリアと新エリアに分かれており、前者はお座敷、後者はイスとテーブル席。後者のほうが明るい雰囲気でキレイなお庭も楽しめるため、どちらかを選ぶことができるのであれば、私は後者をお勧めします。私は「上蒲焼ご飯定食」を注文。五切れ入り蒲焼と鯉の刺身、鰻巻、肝吸、奈良漬けにメロンが付いて 5,650円です。
まずは鯉の刺身。コリコリとした独特の食感が楽しく、淡白でクセのない味わい。鯉って普段はオマケの惰性で注文することが多い料理ですが、当店のそれは存在感を主張する味わいであり、この日もっとも記憶に残ったひと品です。
肝吸。鰻の肝を香ばしく焼き、澄んだスープに三つ葉と共に楽しみます。あっさりながら肝のコクとほのかな苦みが深みを生みます。量もたっぷりだ。鰻は関西風で、高温の炭火焼きにより、皮はカリッと身はふわっとした食感。タレは強い醤油味とザラっとした甘味にパンチを感じます。
白ごはんは粒立ちの良い仕上がりで、程よく硬くべたつかず、蒲焼と合わせて食べるにピッタリです。量もデフォでお茶碗2杯分近くはあり食べ応え充分。厚めに切られた琥珀色の奈良漬けと共に、純ジャパな美味しさです。
ちなみに丼スタイルで注文すると、ゴハンにたっぷりのタレを放出してくれます。蒲焼ご飯は魚料理を食べている印象が強いですが、丼だと途端に鰻らしさが際立ってきました。
デザートにメロン。このメロンが中々、いやかなり旨くって、鰻丼のオマケとしては最上位のクオリティでしょう。ジューシーで甘み豊かな果肉が心地よく、その瑞々しさが鰻の濃厚な味わいをさっぱりと締めくくります。
美味しかった。もちろん「う嵐」のように唯一無二の最上級品というわけではありませんが、この価格でこのクオリティであれば大したものです。観光地にありながらそれほど行列しなくて済むのも良い(我々は土曜日で5-10分ほどの待ち)。関へ訪れた際には是非どうぞ。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。