イチバノソバ/松尾(那覇)

2024年5月、牧志公設市場のすぐそばに開業した「イチバノソバ」。恐らくは「市場の傍」と「市場の蕎麦」を掛け合わせたオヤジギャグでしょう。私の推しの居酒屋「末廣ブルース」のすぐ近くです。
青い暖簾にピカピカに磨き上げられた店内はまるでカフェのよう。旧来の沖縄そば点のイメージを覆すモダンな空間です。大きなガラス窓も開放感があって良いですね。大きなテーブル席もあり、大家族にも対応できる設計です。
「イチバノ肉ソバ」は1,450円と、沖縄そばとしては世界最高値クラスです。スープは鰹や煮干しなどの魚介の旨味が支配的なのですが、不思議とクリアで澄んだ味わい。肉はダイスカットされた角煮にローストポーク、ソーキ、豆腐、ネギ、ショウガといったとろ。ゆし豆腐ではなく、オデンのように煮込まれた四角い豆腐が乗っているのが面白い。
この麺は美味しいですねえ。「与那覇製麺」という製麺所に特注しているそうで、ツルツルとした口当たりにしっかりとした弾力、心地よい喉越しに全粒粉の複雑性と、ここまでレベルの高い沖縄そばには中々めぐり遭うことはできません。
ジューシーも素晴らしい。雑穀を起用しておりパラパラサクサクとプロチャーハンのような口当たり。程よく脂のコクもあり、肉類を中心とした具材もたっぷりです。メニューにはあまり目立たず記載されていますが、必ず注文しましょう。必ずです。
こちらは「辛野菜そば」。覚悟していたよりも辛くは無く、ちょっとピリ辛な味噌ラーメンといったスタイルをイメージして下さい。その名の通り色んな茹で野菜がトッピングされているものの、しっかりと肉まわりも組み込まれているのが嬉しい。
麺は「イチバノ肉ソバ」とは違うのかな。太さや厚みが感じられ、スープのパンチ力に負けないタフさが感じられました。
以上の3品で3千円。沖縄そば専門店としては「EIBUN」に肩を並べる価格設定ですが、これだけ美味しければ納得感があります。「とにかくレベルの高い沖縄そばを食べたい。金ならいくらでも払う」のようなスタンスの方は是非どうぞ。

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