まだハワイで消耗してるの?9月の残暑はゴールドコーストで乗り切りました。

8月の酷暑はオークランドで過ごし暑さを逃れましたが、9月の残暑はゴールドコーストに滞在して乗り切りました。私はゴールドコーストを訪れるのが今回が初めてなのですが、思いのほか水が合ったので、今後、夏はゴールドコーストで過ごそうかな計画が立案される勢いです。
ゴールドコーストの気候は亜熱帯性気候に分類され、年間を通じて温暖で過ごしやすいのが特徴です。春(9月~11月)は最高気温が20~28℃で安定しており、また、年間に300日も晴れることで知られているパリピな気候です(画像は「Weather Spark」より)。
ただ、日本からのアクセスが悪いのが難点ですね。東京からの直行便は無く、また、ゴールドコースト空港から中心地へは30キロメートルほど離れているので、まあまあお車代を要します。シャトルバスなど公共交通機関を利用しても1人30ドルを超えるので、2人以上であればUberを使った方が賢明でしょう。
ゴールドコーストは縦に長く、数キロおきに街が点在しています。私はゴールドコースト初心者なので、まずは最も観光地化された「サーファーズパラダイス」という街に滞在しました。ハワイで言うところのワイキキに似たポジションであり、実際に街の構成もワイキキによく似ています。ビーチリゾートだけでなくナイトライフも楽しむことができる陽キャなエリアです。
真っ白なビーチが延々と続くのですが、ワイキキのようにビーチ沿いすぐにホテルが建っているわけではないため、プライベートビーチなど排他的なニュアンスを感じさせないのが良いですね。そうだビーチはみんなのものだ。
街中にはトラム(G:link)が走っており、クレカのタッチ決済で乗車できます。路線長は現在約20kmで、これはホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港からカハラまでの距離とほぼ同じ長さです。今後も延長していく予定であり、街の至る所で工事がジャンジャン進んでいます。
ちなみに隣町は「ブロードビーチ」と言って、こちらもビーチリゾートなのですが、観光客だらけのサーファーズパラダイスに比べると通な印象を受けました。道行く人々の人種もオーストラリア人が支配的。ちなみに開業が遅れている「アンダーズ ゴールドコースト(Andaz Gold Coast)」はこのエリアに位置し、桟橋直結の豪邸が点在するなどリッチな雰囲気を醸し出しています。
ビーチリゾートだけでなく「Pacific Fair Shopping Centre」のような巨大ショッピングモールもあり、ハワイのアラモアナショッピングセンターを想起させます。とは言えハワイに比べると街は格段に清潔で、体感的な治安も良く、物価も控えめ。チップも要らない。ハワイの悪いとこを全て取り除いた感じ。もうゴールドコーストでいいじゃん。まだハワイで消耗してるの?
ところでゴールドコーストはオーストラリア随一のテーマパークエリアであり、絶叫系をはじめとした様々なテーマパークが揃っています。とは言え入門者の私にとって予定はパンパンなので、今回はテーマパークまでは手が出ませんでした。ちなみに「クーンババ(Coombabah)」という自然保護区にはコアラやカンガルーが普通におり、ゲートも何もない原っぱに普通にいるので、本気出せば誘拐できるレベルです。
なお、ゴールドコーストから車で2時間ほどで「ラミントン国立公園」という有名どころがあるのですが、これは個人的にはパっとしませんでした。ミャクミャクな色合いの鳥を餌付けできたことが唯一の思い出です。
快適な日々でした。東京からのアクセスが悪く、シドニーかブリズベンを挟まないといけないのが難点ですが、それはそれでハードルが高くなり日本のヘンな層が来なくなるので良しとしましょう。不動産屋を覗いてみると安いコンドであれば2000万円程度と那覇と大差なし。実際に定住するかどうかはさておき、自己ブランディングとして別荘を持つにはお値打ちに感じる価格帯。なるほど昭和のスターたちはゴールドコーストに別荘を持つことが多かった。


<ホテル>
■ヒルトン・サーファーズパラダイス ホテル&レジデンス(Hilton Surfers Paradise Hotel & Residences)/ゴールドコースト
プレーンなヒルトンとは思えないほど快適でした。ビーチリゾートと都市の利便性を兼ね備えており、ゴールドコースト旅行の拠点に最適。これでパースオークランドのクソヒルトンと価格が変わらないのだからホテル界隈は奥が深い。開業が遅れているアンダーズの代わりとして、正直あまり期待せずに選んだ当館ですが、実際に滞在してみると想像以上に素晴らしく、嬉しい誤算でした。


■パーク ハイアット シドニー(Park Hyatt Sydney)/ロックス
ゴールドコーストは東京からの直行便が無いため、乗り換えの都合でシドニーにも滞在しました。せっかくなので南半球で一番のホテルとして名高い「パーク ハイアット シドニー(Park Hyatt Sydney)」へ。とにかく素晴らしいホテルであり、「パークハイアット」ブランドで一番好きなのはもちろんのこと、ハイアット系列でもトップのお気に入りかもしれません。

過剰な高層ビルではなく低層で街に上手く溶け込んでおり、スタッフはゲストの名前を覚えて自然に声をかけ、非人格的になりがちな大規模ホテルとは一線を画すサービスを提供し、まるでプライベートクラブや邸宅にいるかのような感覚を醸成しています(写真は公式ウェブサイトより)。価格で競合と争う必要のない、体験そのものの質で市場をリードする存在。シドニーを何度か訪れるのであれば、一度は滞在したいホテルです。


<飲食店>
ゴールドコーストの物価はそれほど高くなく、円安とは言えディナーに要する費用が1万円を超えることは少ない。生活の全てが東京よりも2-3割は安くつく感覚です。飲食店につき、東京のようにガチガチに予約が必要というわけでなく、ウォークインもしくは当日予約でもOKなところが殆ど。また、日本と同様に無料の水が提供される店が多く、ドリンクを注文しなくても特に何も言われません。スレッズ上の飲み物を頼まれないで発狂している日本の飲食店界隈がどのように反応するのかが見ものです。

■House of Brews(ハウス オブ ブリューズ)/サーファーズパラダイス(ゴールドコースト)
ヒルトンの斜向かいにある「House of Brews」。自らを「ロック、ビール、BBQ」という聖なる三位一体に捧げられた場所と称する人気のタップハウス(ビール専門バー兼レストラン)です。

軽く飲んでお会計はひとりあたり5千円ほど。ど観光地ど真ん中の飲食店で、これだけ飲み食いしてこの支払金額はリーズナブル。いろいろ種類を飲みたい方は、小さなグラスで6種類を選べるプランもあるのでお試しあれ。


■Hurricane's Grill & Bar Surfers Paradise/サーファーズパラダイス(ゴールドコースト)
1995年にボンダイビーチで始まったブランドで、オーストラリア全土にチェーン展開する人気ステーキハウス。ここサーファーズパラダイスの店舗はビーチフロントの絶好のロケーションにあるのですが、災害により無期限の休業を余儀なくされました。しかしその後、300万豪ドルもの巨額を投じた全面改装を経て復活。かつての賑わいを完全に取り戻しています。

シグネチャーのリブをたっぷり食べ、軽く飲んでお会計はひとりあたり8千円ほど。ワイキキあたりで同じものを楽しめばチップを含めて倍近く請求されることを考えると悪くないディールです。ランチの営業も活発で、「グラスフェッドビーフバーガー」など実に興味深い。立地含め、昼にも夜にも大活躍のレストランです。


■Lot 1 Coffee/サーファーズパラダイス(ゴールドコースト)
地元民に人気の朝食専門店。メインエリアから1ブロック離れたHanlan Streetに位置し、サーファーズパラダイスの喧騒から外れた場所にひっそりと存在します。ひとりあたり20-30ドルと、ド観光地の洒落たカフェで楽しむブランチとしては悪くないディールです。ヒルトンなどの有名ホテルの朝食はひとり40-50ドルを要することがザラなので、その予算を地元の個人店に費やした方が社会ひいては人生が豊かになる、というのが私の意見です。


■Catch Restaurant(キャッチ レストラン)/サーファーズパラダイス(ゴールドコースト)
「ヒルトン・サーファーズパラダイス ホテル&レジデンス(Hilton Surfers Paradise Hotel & Residences)」の朝食会場。最近のヒルトンはダイヤモンドメンバーであっても温かい料理は追加で10ドルを請求され、淹れ置きでないコーヒーを楽しみたい場合は更に5ドルを徴収されるという、何か罰でも受けているかのような気分を味わえる仕組みに変化しつつありますが、当店は追加料金を請求されることなく、どの料理も楽しむことができました。

とは言え色とりどりのジェラートやヨーグルトなど軽薄なスイーツが多く、子供たちは大喜びなのですが、テロワールを感じさせる料理などは無いため、正規料金を支払うのであれば、周辺の気の利いたカフェなどのほうが満足度は高いでしょう。


■The Loose Moose(ザ ルース ムース)/ブロードビーチ(ゴールドコースト)
「Koi Dining」や「Maggie Choo」などの人気店を手掛けるGennari Groupの運営であり、プロヒビション時代(禁酒法時代)をテーマにしたタップハウス。

飲んで食べてお会計はひとりあたり5千円といったところ。ド観光地の人気レストランでこれだけ飲み食いしてこの支払金額は悪くありません。なんなら東京の僻地にある「T.Y. HARBOR」よりも安いくらいです。 


■Black Hops Brewery Burleigh Heads/バーレイヘッズ(ゴールドコースト)
バーレイヘッズにある人気のクラフトビール醸造所「Black Hops Brewery Burleigh Heads」。2014年に「3人の仲間」による情熱的なプロジェクトとして始まり 、数々の賞を受賞する全国的なブランドへと急成長を遂げました 。しかしその栄光の裏で深刻な内部対立と財務的崩壊が進行し、最終的には経営破綻に至りました。現在は新たな経営陣による買収を経て、ブランドの未来を賭けた再生の物語が始まったばかりです。


■Ze Pickle(ゼ ピクル)/バーレイヘッズ(ゴールドコースト)
バーレイヘッズの人気ハンバーガーショップ兼バー。2012年に3人の地元の友人によって設立され、健康志向ではなく「過度にジャンクで満足感たっぷり」のバーガーが自慢です。ビーチから徒歩2ブロックの好立地。

バーガー2つにフライドポテト1つ、ビールが2杯でお会計は8千円強。ハンバーガーとして捉えれば一見高く感じますが、これだけの品質の肉料理とクラフトビールを楽しんでこの支払金額は実にお値打ち。飲み屋として使うのも大いにアリ。


■O'Reilly's Canungra Valley Vineyard Vintage Restaurant/ラミントン国立公園
サーファーズパラダイスの「Southern Cross Tours」という旅行会社が主催する、ラミントン国立公園に向かう1日ツアーに参加し、その途中でランチに立ち寄ったワイナリー併設のレストラン。ゴールドコーストから車で40分ぐらい。

値段の割にパっとしないレストランでした。とは言え本気で料理に取り組んでる様子は無く、あくまでも観光スポットの売店だと捉えれば、これが定めか、と冷ややかに首肯せざるを得ません。


■カンタスクラブ(Qantas Club)/ゴールドコースト空港
カンタス航空のプレミアムラウンジ「カンタスクラブ(Qantas Club)」。ゴールドコースト空港の国内線ターミナルにおいては、保安検査場を通過してすぐ左手に位置しています。職員のバックヤードのような味気ないエントランスであり、中にも窓は一切ありません。

食事はあるにはあるのですが、シドニー空港のそれに比べると貧弱です。あくまで当ラウンジは「ラウンジ」であり、料理に過度な期待はしないよう気を付けましょう。食事は街中で済ませてくることをお勧めします。


■The Sand Bar/ゴールドコースト空港
ゴールドコースト空港 国内ターミナル、ゲート16付近(セキュリティ通過後)に位置するオールデイダイニング。プライオリティパスの会員であれば36オーストラリアドルまで利用できます。味は悪くないですが、空港施設らしく割高な価格設定です。ちなみにサーファーズパラダイスにある有名店「Sandbar」とは関係がないそうです。


■Yo-Chi(ヨチ)/オーストラリア全土
メルボルン発のセルフサーブ型フローズンヨーグルトとアサイーボウル専門店「Yo-Chi(ヨチ)」。健康志向のデザートとして急速に拡大し、オーストラリア国内に56店舗以上を展開。Z世代を中心にカルト的な人気を集めています。 

2025年8月にはアジア進出の第一歩としてシンガポールへも進出し、オープン直後に200人以上の行列が発生し耳目を集めました。韓国ヨーグルトアイス「ヨアジョン(Yoajung)」に日本にも進出を果たし成功を収めつつあるので、当店が日本で開業しても行列間違いなしでしょう。 ブランドのコンセプトは「Share the Chi」(チを分かち合おう)であり、「Chi」とは自然のエネルギーを意味するそうなので、日本の漫画の「チ。」とコラボしたら面白そうです。 


■Gelato Messina(ジェラート メッシーナ)/オーストラリア全土
https://gelatomessina.com/
オーストラリアを代表する人気のジェラート専門店チェーン。2002年にシドニーで創業して以来、オーストラリア国内で急速に拡大し、カルト的なファンを獲得しています。ミルクの質が良いのか、どのフレーバーもリッチでコクのある印象。


■6HEAD(シックスヘッド)/ロックス(シドニー)
シドニーで一番と名高い高級ステーキハウス「6HEAD(シックスヘッド)」。ガッツリ食べてひとりあたり1.5万円。東京の「Peter Luger Steak House Tokyo(ピーター・ルーガー)」などそれっぽいステーキハウスの半額程度の価格設定であり、味はそれよりも上。日本人が魚料理で欧米人に絶対に負けないのと同じ意味で、肉を焼かせれば欧米人には勝てないなと白旗をあげたディナーでした。


■The Dining Room by James Viles/ロックス(シドニー)
「パーク ハイアット シドニー(Park Hyatt Sydney)」の朝食。2025年の「Accommodation Australia NSW Awards for Excellence」で「Best Hotel Breakfast」を受賞しており、客層、サービス陣の手際の良さなどを勘案すると、そう評しても過言はないレベルの高さです。泊まる機会があれば、必ず朝食付きのプランとしましょう。必ずです。


■Northern Chinese Cuisine 东北人家/マスコット(シドニー)
シドニー空港の近く、オーストラリアの玄関口として発展を続けるマスコット地区にある「Northern Chinese Cuisine 东北人家(別名:Northeastern Family Chinese Restaurant または Northester Family Chinese Restaurant)」。フードデリバリーの注文がひっきりなしに入り、そのため軒先は地蔵のたまり場と化しています。 

空港近くでそこそこ旨い中華を腹いっぱい食べ、ビールまで付いてひとりあたり3千円を切るというのは実に良心的。当店に限らず、マスコット地区は手頃な飲食店が集っているので、食事のために空港前後に立ち寄ると良いでしょう。 


■Luke's Bistro & Bar/シドニー空港ターミナル3
https://www.prioritypass.com/ja/lounges/australia/sydney-kingsford-smith/syd11d-bar-roma
オーストラリアの著名なシェフ、ルーク・マンガン氏が手がけるレストラン。ターミナル3のセキュリティエリア通過後のゲート1付近にあり、プライオリティパスの会員であれば36オーストラリアドルまで利用できます。が、味はパっとせず、この品質のベーグルとサラダで4千円近くするとは高杉晋作です。私は実質無料なのでガッカリしただけで済みましたが、普通に課金されていれば富士山噴火する勢いです。


■カンタスクラブ(Qantas Club)/シドニー空港ターミナル3
https://www.takemachelin.com/2025/09/qantas.html
そういえばここは国内線のラウンジだった、と後から気づくほどサービスが充実したラウンジです。国内線でこのクオリティは凄いかもしれない。きっちり食事も摂れるので、安心して頼って良いでしょう。


■Mach2/シドニー空港ターミナル1
シドニー国際線ターミナル1(T1)のフードコートエリアに位置します。プライオリティパス会員は36豪ドル分は無料で利用できるのですが、セキュリティチェック前に利用できるのは珍しい。ANAのカウンターは出発時刻の3時間前にならないと開かないので、それまでの時間つぶしに便利です。ただしシーザーサラダは美味しくない。


■ニュージーランド航空ラウンジ(Air New Zealand International Lounges)/シドニー空港ターミナル1
https://www.takemachelin.com/2024/08/sydlounge.html
ANAはシドニー空港に自前のラウンジを運営していないので、ニュージーランド航空のラウンジを利用させて頂きます。なんやかんやで毎年2-3回は利用している気がする。当ラウンジはコーヒー系の飲み物が充実しているほか、サラダ類が美味しいのでお気に入り。ニュージーランド産のワインで乾杯!


食べログ グルメブログランキング
人気の記事
「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。