BLUE NOTE PLACE(ブルーノート プレイス)/恵比寿

世界的に認知されたジャズクラブの最高峰ブランド「ブルーノート」の姉妹店「BLUE NOTE PLACE(ブルーノート プレイス)」が、2022年に恵比寿ガーデンプレイスに開業(以前はビアボールがあった場所)。青山の「ブルーノート東京」がライブメインであるのに対し、こちらはダイニングが主役で、ライブやDJが付随するスタイルです。
吹き抜け2階建ての開放的な設計(写真は食べログ公式ページより)。1階はメインダイニングにライブステージ、DJブース、バー、ラウンジ、個室、屋外テラス。2階にはバー、ラウンジ、スタジオ、ライブラリーなどなど余裕のある空間。天王洲の「T.Y.HARBOR」に似た雰囲気です。
ただ、コンセプトやハコは立派なのですが、飲食店としてのオペレーションはグダグダですね。スタッフはビジュ採用なのか外観と感じは良いのですが手際は非常に悪い。連れも入店早々「おー、この店は素人がやってるねぇ」と、悪気無しに言い放っていました。なんて奴だ。
こちらは2,800円の「ジャマイカンプレート」。限定20食とのことですが、週末の遅い時間にお邪魔しましても注文することができました。中央のジャークチキンはギリわかるのですが、ストウブに盛り込まれたゴハンや小鉢の温泉卵など、私がジャマイカ現地で見た食事とは大いに異なります。
主役のジャークチキンは普通に美味しい。甘辛い味付けで程よくスパイシー。茶色いペーストっぽいものは八丁味噌でしょうか。「ジャマイカンプレート」と称する料理としては斬新な試みです。
こちらはトウモロコシのゴハン。ジャマイカ人がこのような料理を食べていた記憶は無いのですが、いわゆる日本人向けのトウモロコシごはんと捉えれば、まあこんなもんかもしれません。
面白いのは温泉卵やお茶漬け用のスープも用意されており、ジャマイカにも色々あるのだ。
ちなみに温泉卵の小鉢には順調に卵の殻が残っており、大当たりでした。
こちらは2,300円の「ニューオリンズランチプレート」。小さなお茶碗に白ゴハンが盛りつけられているのがかわちいです。左上のビンは食べ物ではなく、味変用のお酢でした。
スペシャリテの「ニューオリンズ  シーフードガンボスープ」。魚介の濃厚な旨味が溶け込んだスープをベースに、オクラ特有のとろみが優しい口当たりを生み出します。後から追いかけてくるケイジャンスパイスのピリッとした刺激が、味の奥行きを演出。本日一番のお皿です。
「自家製ソーセージ」には肉がミッチリと詰まっており、ナイフを入れるとジューシーな肉汁が溢れ出します。ハーブやスパイスもたっぷり練り込まれており、ビールが欲しくなる逸品です。
ニューオリンズの名物「ベニエ」も付いてきます。いわゆる四角いドーナッツであり、ミスドのDポップのうちのどれかの味に似ている。特に美味しくは無く、太る味がします。
ファミレスの「ニューオリンズフェア」のようなコスプレ料理が続き、徹頭徹尾パっとしない食事でした。もちろん当店のコンセプトを考えれば仕方なく、あくまで音楽と雰囲気を食べに来るお店です。空間は素晴らしく混んでもいないので、カフェ代わりに利用するのが最も賢い使い方かもしれません。

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Novotel Auckland Airport(ノボテル オークランド エアポート)/ニュージーランド

オークランド空港の国際線ターミナルを出てすぐ、というか数メートルの横断歩道を渡ったところにある「Novotel Auckland Airport(ノボテル オークランド エアポート)」。空港内ホテルを除き、別の建屋でここまで空港までの距離の近いホテルは珍しいでしょう。
なお、当ホテルはAccorHotelsグループ(フランスに拠点を置く国際的なホテルチェーン)の一員であり、当グループは空港近くに「ibis」「Novotel」「Pullman」という3つの異なるブランドを展開しています 。「Pullman」はノボテルのすぐ隣。チェックイン時のスタッフの動きも実にシステマティックで、山崎パンにおける流れ作業を想起させる様式美がありました。
翌朝早くのフライトであり、念のための空港前泊に利用したため、お部屋は最も安価な「スタンダード」に予約を入れました。広さは26平米とのことですが、スペックよりも狭く感じます。掃除は甘く汚れが目立ち、「パークハイアット オークランド(Park Hyatt Auckland)」「Hilton Auckland(ヒルトン オークランド)」にせよ、ニュージーランドはハウスキーピングのレベルが極めて低い。
ネット環境も非常に悪く、web会議でもしようものならヒヤヒヤものです。どう考えてもビジネス需要を当て込んだ立地なのに、この脆弱性はあまりにも残酷です。
ベッドはフニャフニャで、私の好きなタイプではありません。ところで先ほどから写真がヘンに青みがかっていますが、これは窓ガラスにUVカット的な機能があるのか、もともとこういう色に写る傾向のあるお部屋なのでしょう。私だけでなくカメラまでが青ざめていたわけではありません。
クローゼットは狭く、スーツケースをバカっと開けるエリアも小さく、使い勝手が非常に悪い。やはりフライト前後にサクっと1泊するためだけの設計であり、長期滞在は難しいホテルでしょう。
ウェットエリアも全てがひとつの空間に押し込められており、ひとりが何かを使えば同室者は何もできなくなる仕様です。加えて謎にガラス窓でシルエットがスケスケなので、気心の知れた仲でないと同室での滞在は難しいでしょう。
フィットネスセンターは謎に充実しており、全263室のホテルとしては悪くない設備です。ある意味では「パークハイアット オークランド(Park Hyatt Auckland)」「Hilton Auckland(ヒルトン オークランド)」よりも立派かもしれない。
うーん、これで素泊まり3万円は割高だなあ。加えて空港内設備であるため外出でUBERで乗り降りする度に「空港利用料」なる追加料金が請求されるので、精神的に辛いものがある。ヘンに前泊せず、市中のきちんとしたホテルに泊まれば良かったと激しく後悔した滞在でした。

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Hilton Auckland(ヒルトン オークランド)/ニュージーランド

オークランドの中心部、プリンセス・ワーフの端に位置する「Hilton Auckland(ヒルトン オークランド)」。海上300メートルに突き出すように建設された面白いロケーションであり、港に停泊するクルーズ船のような威容を誇ります。
全187室と、プレーンな「ヒルトン」としては珍しく小さなサイズ。そのためかスタッフは全体的に親切で、ヒルトンらしからぬ温かみを感じました。とは言えここはオセアニア、サービスの内容は限定的であり、チェックインの後はそのまま自力で荷物を持って部屋へ向かう必要があります。
我々は「King Deluxe Harbour View」というお部屋が割り当てられました。広さは35平米であり、2人で短く過ごす分には悪くない広さです。ただ、65平米の「パークハイアット オークランド(Park Hyatt Auckland)」から引っ越してきた身としては流石に狭く感じてしまいます。
当館は2001年に建設された歴史あるホテルであり、物理的な設備の面で若干の見劣りを感じます。加えてところどころ薄汚れており、清掃が甘く、日本のビジネスホテルのほうがハウスキーピングのレベルは上でしょう。なお、寝具そのものの質は悪くありません。
テラスからの眺望はまさにクルーズ船からのそれに該当します。かなりの海をクルーズ船で旅してきた私が言うのだから間違いは無いと信じたい。なお、本当に目の前にクルーズ船が停泊していることがあるそうで、その際は眺望が遮られるのでご注意を。また、フェリー乗り場も目の前で、近くを航行する船のプップーという音も朝から晩まで結構うるさいです。
ワーキングデスクはあるのですが、とりあえず置きましたという程度であり機能性には乏しい。コンセントがユニバーサルタイプでないのは我慢できるのですが、ネットの回線速度が遅く不安定なのは難儀しました。
無料の飲み物はネスプレッソ、ティーバッグ、ミネラルウォーター程度であり、その補充もあったりなかったりと流石のヒルトンクオリティです。
ウェットエリアはそれなりに広いのですが、とにかくボロくて汚いですねえ。「パークハイアット オークランド(Park Hyatt Auckland)」についてはかなりの苦言を呈したつもりですが、すんませんハイアットさんお宅のほうが全くレベルが高いです。
コンクリートの塊のようなバスタブと金魚鉢のようなシャワーブースには距離があり、また、トイレも洗面所もすべて同じ空間にまとめられているので使い勝手が悪い。家族でない他人と宿泊するには厳しい誂えです。
共用設備に参ります。が、ちなみに当館にはエグゼクティブラウンジのような洒落たものはなく、アルコールのチケットなども提供されません(2025年8月現在)。これはレセプションの方が「申し訳ないが、ニュージーランドのヒルトンにそのようなものはない」と、ちっとも申し訳なさそうな顔で言い切っていたので間違いないでしょう。
フィットネスセンターはあるのですが、特に面白味のないラインナップです。もちろん200室にも満たない小ぶりのホテルなので、こんなものと言えばこんなものかもしれません。ちなみに自慢の屋外温水プールは工事中で、必要であれば近隣のフィットネスクラブの利用券を提供するとのことでした。
ディナーで一度だけメインダイニングの「FISH Restaurant(フィッシュ レストラン)」にお邪魔しました。ヒルトンの一員としてだけでなく、飲食店そのものとして評価の高いレストランであり、飲んで食べてひとりあたり1万円程度で済みました。外資系ホテルのメインダイニングでしっかり飲み食いしてこの支払金額はお値打ち。詳細は別記事にて。
なお、朝食も同じ「FISH Restaurant(フィッシュ レストラン)」で提供されるのですが、いわゆるコンチネンタルスタイルの簡素なものに留まります。ダイヤモンドメンバーであっても温かい料理は追加で10ドルを請求され、淹れ置きでないコーヒーを楽しみたい場合は更に5ドルを徴収されるという、何か罰でも受けているかのような気分を味わえる仕組みです。
もちろんこれは当館のルールというよりは、近年のヒルトングループ全体での取り組みであるため、諦めるほかありません。つまり、ニュージーランドのヒルトンにおいてダイヤモンドメンバーとしての特典は何もないに等しいので、仮に貴方がヒルトンのステータスホルダーであったとしても、ヒルトンブランドに縛られることなく他の好きなホテルに泊まることをお勧めします。そのほうが納得感がある。

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FISH Restaurant(フィッシュ レストラン)/Hilton Auckland(ヒルトン オークランド)

「Hilton Auckland(ヒルトン オークランド)」のメインダイニング「FISH Restaurant(フィッシュ レストラン)」。ヒルトンの一員としてだけでなく、飲食店そのものとして評価の高いレストランです。プリンセス・ワーフの先端、300メートル沖合に位置しており、ウォーターフロントの雰囲気を満喫することができる誂えです。
飲み物はいわゆる外資系ホテルの値付けであり、市中のレストランよりは2-3割は高い印象。我々はニュージーランド産ワインでおなじみの「クラウディベイ」のスパークリングワインを1本頂きました。マールボロ産のシャルドネとピノ・ノワールから造られており、リンゴやレモンのようなフレッシュな果実味に、焼き立てのパンやナッツを思わせる香ばしいアロマが重なります。
前菜に看板料理の「地中海風クラブケーキ」。カニの身を贅沢に用いており、ほぐした身をひとまとめにしてカリッと焼き上げます。地中海風というかカニそのものであり、カニ缶をそのまま凝縮したような旨味が感じられます。
ニュージーランド屈指のムール貝産地として名高いマールボロ地方、その中でも特に評価の高いミルズベイ産のムール貝。なるほど貝そのものの質は高いのですが、ソースがタイ風というか何というか甘くて酸っぱくてクリーミー。好みが分かれる調理であり、個人的には塩とオリーブオイルと少しのニンニクでいいのにな、というお気持ちです。
「マーケットフィッシュ」はシンプルにグリルし、バターを主体として頂きます。枝豆や海苔、出汁など日本ムーブをかましてくるのですが、こちらも普通のブールブランソースでいいのにな、というお気持ちです。なお、この魚が何の魚かは知らない。
お肉料理はブラックアンガス牛のスコッチフィレ。アメリカ料理で言うところのリブアイであり、繊細に柔らかく適度に脂があり、ステーキとして純粋に美味しい。添えられた骨髄は濃厚オブ濃厚な味覚であり、これを使ってチャーハン使ったら旨いだろうな、と思わせる迫力があります。
焼き加減は完璧で、ソースはシンプルな赤ワインと肉汁のソースに留めており、肉の質の高さを邪魔することがありません。付け合わせのジャガイモやブロッコリーニも素材の質が高かった。
以上の料理とワイン1本を2人でシェアし、総額で200ドル強(約2万円)。外資系ホテルのメインダイニングでしっかり飲み食いしてこの支払金額はお値打ち。タイ風や日本風の調味はご愛敬ですが、素材の質そのものは高く、それらの良さを上手に引き出すメニューを選択すれば満足度は非常に高くなるでしょう。シンプルな料理をどうぞ。

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