せんべろ文化の聖地として知られる那覇の牧志。その公設市場近くで鮮魚店が営む「川かみ鮮魚 魚坊 (イユボウ) 3号店」。もともとは路地裏にある薄暗く怪しげな飲み屋だったのですが、このたび浮島通り沿いのオープンな店舗に大拡張オープンです。今回は便宜上「3号店」と記しましたが、ネット上では情報が錯綜しており、正式な店名はよくわかりません。
開放的な店内で風通しが良い、と言えば聞こえは良いものの、要するに何もないだだっ広い空間です。それでも地元民から観光客まで幅広い支持を集めており、夕方以降は常に満席。子連れOKなのが沖縄らしさ満点。ちなみにスタッフの殆どが外国人なのですが、スラングを交えた流暢な日本語でテキパキと接客にあたっています。
「せんべろセット」は刺身盛り合わせに加え、選べるおつまみ1品、ドリンク3杯が付いて千円ポッキリ。何をどうしたらこの価格を実現できるのか規定外の費用対効果の高さです。ドリンクは定番のオリオン生の他、ハイボールやサワー類、泡盛なども揃っています。
刺身盛り合わせのボリュームは他の追随を許さず、3種×4切れ=12切れも盛り込まれています。「鮮魚店直営ならでは」という安直な理由では説明がつかない気前の良さであり、店の核となる実力を雄弁に語るひと品です。
刺身だけで終わらないのがこの店の凄み。ゲストはさらに本日のおすすめメニューから好きな料理を1人1品選ぶことができます。こちらは「テビチ」。じっくり煮込まれた豚足で、沖縄ならではの味を求める観光客によく選ばれています。
こちらは「小イワシフライ」。あられ状の衣を身にまとい、強めにカラっと揚がっているためスナック風味。スイートチリソースでの調味にオリオンビールが良く合います。
ここからは「せんべろセット」とは別に料理を追加で注文。とは言え1品300円なので、予算を気にせず気前よく注文することができます。こちらは「クンチャーマーベーコン玉ねぎ炒め」。「クンチャマー」とは沖縄の方言で首の部分の事を言います。
アラ煮(マース煮)。沖縄の伝統的な調理法であり、使う調味料は基本的にマース(塩)と泡盛のみ。泡盛が魚特有の臭みを品良く消し去り、後に残るのは凝縮された魚介のクリアな風味と、塩が引き立てる繊細な甘みです。
白身のタレ焼き。淡白で上品な白身魚が甘辛いタレをまとって鉄板上でジュウジュウと香ばしく焼き上げられます。これはビールよりも白ゴハンが欲しくなる。ちなみに「ライスとみそ汁」というメニューの用意もあります。
くどいようですが、12切れの刺身盛り合わせに加え、選べるおつまみ1品、ドリンク3杯が付いて千円ポッキリです。ぜんぜん意味がわからない。ちなみに徒歩数秒の以前の店舗は女性専用の店舗へと業態を変えており、刺身のほか小鉢も6品もついて何が何だかわかりません。

このあたりは地味にナンパスポット。オリオンTシャツを着た内地からの旅行者がオリオンTシャツを着た内地からの旅行者に声をかけるのは当たり前で、ナンパ待ちの女子たちも声を掛けられやすいよう、わざわざ通路側に座るなど阿吽の呼吸があるのですが、そういうのは苦手だけど、せんべろの空気を味わいたいレディたちは、当店の「女性専用せんべろ」へどうぞ。
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