中華そば さとう/穴守稲荷

羽田空港近く、穴守稲荷駅から歩いて数分の場所にある「中華そば さとう」。空港という巨大なインフラに隣接しながらも一歩路地に入れば昭和の面影を残す住宅街が広がっており、新旧のコントラストがエモいラーメン屋です。
店内はミニマリズムの極致とも言うべき内装で、座席は10席強のカウンターのみで構成され、口頭での注文と現金による先払いというスタイルを堅持しています。
私は「中華そば」の中サイズに玉子とチャーシューをトッピングし、半カレーを付けてもらいました。総額で1,600円と中々のお値段です。
スープは仄かに黄色みがかかっており、雑味がありません。煮干しの風味が支配的で、特有の生臭さやえぐみは一切感じられません。良く言えば澄んで綺麗な味わいなのですが、人によってはパンチが足りないと感じるでしょう。私がそうです。
トッピングは シンプルにネギ、メンマ、チャーシューのみ。追加したチャーシューはいわゆる煮豚であり、肉本来の食感と脂身の甘みを適度に残した、クラシックなタイプです。玉子は黄身がしっとりと固まっており、黄身の質感を上手く表現しています。
麺は少し縮れの入った細身のタイプであり、なるほど上品なスープに良く合うスタイルです。シコシコとした小気味よい歯切れの良さが特長的で、派手さはありませんが、心地よい喉越しで煮干しの香りを鼻へ抜いてくれます。
カレーはトロミのある蕎麦屋風のカレーであり、先のラーメンと合わせて食べるにピッタリ。他方、ある意味では家庭的で親しみやすいので、人によっては敢えてラーメン屋で食べる必要はないと感じるでしょう。私がそうです。
と、ここまで書いて、そういえば私は7年前に当店にお邪魔していたことを思い出しました。感想も殆ど変わっておらず、ヒトの味覚や好みはそうそう変わるものではないんだなあ、と、ヘンに納得したランチでした。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。