千歳船橋駅すぐ近くの「Quatre-vingt-douze(キャトル ヴァン ドゥーズ)」。2021年に経堂で独立開業し、2023年に当地に移転してきました。店名はフランス語で「92」を意味し(4*20+12とフランス語はややこしい)、池田邦彦シェフのお名前に由来するそうです。
雑居ビルの素っ気ないドアを開けると思いのほかクールな空間が広がります(画像は食べログ公式ページより)。座席は厨房に面したカウンター席に加え、テーブル席と小さな個室。シェフの祖父は帝国ホテルのフランス料理長であり、その背中を見て育った彼は新宿の「キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ」やロアンヌ(ウーシュ?どっちだろ)の「Troisgros(トロワグロ)」で経験を積んだそうです。
アミューズはポレンタ。トウモロコシ粉を滑らかに炊き上げつつ、コンソメのジュレで旨味をオン。トウモロコシの自然な甘味とコンソメのパンチのある旨味でこれから始まるコース料理への期待感を高めます。
見た目が涼しげなガスパチョ。キュウリをベースにすることで軽やかで清涼感のある味わいに仕上げています。ムール貝の海の旨味が奥行きを加え、トッピングのキャビアが塩気と贅沢さを、クリームチーズがまろやかさを演出します。
小田原で揚がった新鮮なアジ。皮目を軽く炙って香ばしさを演出し、青魚の芳醇な旨味とほろ苦い香りを引き立てます。フヌイユ(フェンネル)の爽やかな香りとほのかな甘み、セロリのシャキシャキとした食感と青い香りが、鯵の脂の乗った味わいを爽やかに引き締めます。
天然のマダイ。思い切りの良い火入れで、身はふっくら、皮は香ばしく仕上げられ、鯛本来の上品な甘みが際立ちます。ソースはラビゴット。香味野菜のみじん切りとビネガー、上質なオイルを正攻法に組み合わせており、そのシャープな酸味とシャキシャキとした食感が、魚の旨味を鮮烈に際立たせます。付け合わせのナスなど含めて本当に美味しい。
メインは本州鹿。きめ細かな肉質と澄んだ鉄分の旨味が心地よく、絶妙なロゼ色かつしっとりと柔らかいパーフェクトな火入れです。セップ茸(ポルチーニ)とトリュフの香りが深みを加え、秋の息吹と季節の移ろいを感じさせる奥深い味わいです。
デザートは桃とヴェルヴェーヌを活かしたひと品。旬の桃の甘みとジューシーさにーブの清涼感ある香りが組み合わさり、後味が軽やかに仕上がります。ちなみにパティシエールであるマダムとの共作だそうで、何だか凄い家系である。
複数種類から選べるお茶で小菓子を楽しんでフィニッシュ。ごちそうさまでした。
以上のコース料理が1万円にワインとサービス料を加えてお会計はひとりあたり1.6-7万円と実に良心的。料理につき、重いバターやソースに頼らず酸味やハーブなどの鮮烈な味覚で輪郭を際立たせる手法は成程トロワグロ仕込みといったところでしょう。食後感が軽やかなのも凄くいい。本物だ。このフランス料理は本物だ。当店は近々ミシュランの星を獲得する。かけてもいい。
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- ガストロノミー ジョエル・ロブション (Joel Robuchon) ←やはり完璧。
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- ナリサワ ←何度訪れても完璧。
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