JR渋谷駅の新南口から徒歩約6分。巨大ターミナルの徒歩圏内にありながらも、明治通りから一本入った閑静な住宅・オフィス混在地域にひっそりと佇む「Niru(ニル)」。店名はそのまんま「煮る」であり、世界各国の煮込み料理と自然派ワインが自慢のお店です。
店内は通りに面した大きなガラス張りのファサードと高い天井高を確保した開放感溢れるレイアウトが特徴的(写真は食べログ公式ページより)。座席はカウンターのみですが、L字型のため3人ぐらいまでならいけそうです。
飲み物につき、ビールは余裕で千円を切り、グラスワインも千円かそこらと良心的。ボトルに価格が明記されており、値段を聞く気まずさを回避できるのが嬉しいですね。値段をぼかしたり、言おうとしない飲食店は何なんだろう。
ウフマヨ。ただの卵と侮るなかれ。スプーンを入れた瞬間にトロリと溢れ出す濃厚な半熟卵の黄身と、芳醇なトリュフの香りが鼻腔をくすぐる贅沢な前菜です。まろやかでコク深い自家製マヨネーズは酸味が穏やかに仕立てられており、卵黄のリッチな甘みと上手に溶け合います。
ズッキーニは素揚げにし、スパイスとチーズで和えます。ズッキーニのみずみずしい甘みと、スパイシーでソルティーなチーズのコクが調和する。酒に合うのはもちろんのこと、箸休めとしても楽しめる軽やかな味わいです。
モロッコ料理からインスピレーションを得た揚げ春巻き。中にはササミとツナが組み込まれており、そこにふわりと重なるエキゾチックなシナモンの甘いアロマが全体を異国情緒あふれる味わいへと昇華させています。
色んな魚介をイカスミで煮込みました。主力はタコや貝類でしょうか、ただでさえ旨味が強いのに、そこにイカスミ特有の磯の香りが加わり、噛むほどに濃密な味わいが広がります。なるほどこれは店名を象徴する最強煮込み料理のひとつでしょう。
「もしよければリゾットにもできますよ」と、まるで犯罪を教唆するようなテンションで耳打ちする店主。煮込みのスープの濃厚な旨みを吸い込んだ米粒は艶やかな黒色に染まり、贅沢極まりない〆の逸品へと昇華します。煮込み単体よりもクリーミーさと香ばしさが強調され、舌の上でまろやかに広がる深いコクは格別だ。
以上を食べ、軽く飲んでお会計は6千円ほど。スパイスやハーブ、発酵調味料を多用した独自の無国籍煮込み料理を堪能してこの支払金額はリーズナブル。おひとりさま向けに量と値段を調整もしてくれ使い勝手は抜群です。仕込みで準備万端なのか、皿出しのテンポが良いのもせっかちな私には嬉しい。こういうお店がサラっとあるのが、渋谷ひいては東京の凄さだと私は思う。
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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。








