北京/麻布十番

麻布十番駅すぐ近くの雑居ビルの2F。1Fには「鳥ビアー」、3Fには「中目黒いぐち 上ル」 が入居しています。入るには少しばかりの勇気を要する外観ですが、安全なお店です。
正午少し前というゴールデンタイムに入店したのにも関わらず店内は私ひとり。その後チラホラと常連客が入ってきましたが、 全員が男性の喫煙者。やはり煙草に理解のある店には愛煙家が集まるのだ。
メニュー数はかなり多く、麺類には+300円でチャーハンや丼を付けられ自由度が高い。私は「ホイコーロー定食」を注文。900円です。
とても量が多いです。味こそは街の中華料理屋そのものですが、たっぷりのキャベツ、分厚い豚バラ肉のボリューム感は目を瞠るものがあります。味付けもわかりやすく暴力的な味わいであり、大学生の頃よく通った日吉の「豚豚」を思い出しました。
玉子スープも量がたっぷり。味は900円の定食としては標準レベルです。
ザーサイはややクセが強く調味も濃いため、好みが分かれるところでしょう。
ライスは中くらい。ただし大盛り無料であるため、食事に満腹感を求める方にとっては悪くないディールです。
デザートの杏仁豆腐は寒天主体のまさにオマケといったレベル。
サービスでコーヒーもついてきました。もちろん淹れ置きの雑味たっぷりなものですが、コーヒー1杯500円が相場のこの街において、食事付きで900円というのは良心的です。
思いのほか、と言っては失礼かもしれませんが、安い早い旨いを体現した王道の中華料理屋でした。何よりお母さんの心からの笑顔が素敵であり、実家に帰ってきたような安心感があります。夜は飲み放題がついて3,000円程度でまとまるようなので、気の置けない仲間との飲み会にも良いかもしれません。こういうお店、結構好き。


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当店の近所の中華料理店は下記の通り。どの店も圧倒的にランチがお得です。十番で中華は昼がオススメです。
  • 火鍋 三田 ←なんて素敵な地獄絵図。暑い夏に最適なレストラン。
  • ナポレオンフィッシュ ←中国の少数民族料理。今までに無い調味料の使い方!当店に限っては夜も良いです。
  • 飄香 ←夜は高級店ですがランチは驚くほどリーズナブル!
  • 永新 ←単品モノは高いですが、スープの旨さに悶絶!
  • 登龍 ←ギョーザが1人前2,000円という地獄。
  • 御膳房 ←ここもランチ。ランチコースもありますが、一番安いセットメニューで充分。
  • 萬力屋 ←チェーン店ですが結構おいしくリーズナブル。
  • 北京 ←こういうお店、結構好き。
  • 富麗華 ←中国飯店グループの旗艦店。ですが、高いだけです。
  • 紫玉蘭 ←富麗華のセカンドライン。ランチは800円~と一気にお得に。
  • 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!
 
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。雑誌なので売り切れ注意!

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レストランひらまつ 高台寺/京都

2017年秋に和食の「十牛庵」と共にオープンし、僅か1年で両店とも1ツ星獲得と、さすがはひらまつグループの底力。昨秋はオープンしてすぐの「十牛庵」にお邪魔しましたが、今秋はフレンチの「レストランひらまつ 高台寺」へ。
ひらまつ得意のドゥラモットで乾杯。息を呑むほどの絶景。夕暮れの京都の街並みを見下ろしながら飲むシャンパーニュほと旨い酒はありません。後鳥羽上皇ですらこのような贅沢は味わったことがないであろう。

ところで私は「株式会社ひらまつ」の株主ではありますが、だからと言って提灯記事を書くつもりは全くなく、かと言ってグリーンメーラーとなる度胸もありません。つまり私はオーナーや知り合いだからといって優遇するつもりはさらさら無く、レストランのクオリティだけを求めるつもりぽよ。
まずは赤ピーマンのムース。なるほど正統的な味わいではありますが、やや酸味が強く刺々しく感じてしまう場面もあり、最初のひと口としてはパンチが強かったかもしれません。
続いてポロネギ。ジュワっと広がるポロネギのエキスが殊に美味。ジュレの用い方にもまとまりがあり、ネギ好きの私にとっては大好物の一皿です。ソース・ヴィネグレットも上々なのですが、数日前にパレスホテル「クラウン」にて最強のソース・ヴィネグレットを食べたばかりであったので、どうしても比較してしまいました。
あわせるワインはコチラ。なるほど先の刺激的な酸味2皿にあわせてタフなリースリングでした。私はワインについては中二病的な面がありラグジュアリーなフレンチにリースリングが出てくるとテンサゲな傾向があるのですが、ことこのワインに関してはボリューム感がたっぷりであり、料理に負けない力強さを感じられました。
パンもシンプルながらも小麦の味わいが強く、食事を邪魔しないプレーンな味わいでグッド。なんやかんやでトータルで4個も食べちゃいました。
バターはエシレを1席に丸々ひとつと大盤振る舞い。これ1個で300円以上と、日本で買うとポヨンポヨンに高いバターです。
オマール海老のパイ包み焼き。エビの香りを高出力で放っており、ブツブツと歯ごたえを感じるほど大ぶりなカットで私得。ソースはナンチュア。北海道産のザリガニで取ったソースをクリームで伸ばし、これまたプンプンと甲殻類の風味を主張する。
おー、これは良いワインですねえ。力強い樽香が感じられ、ハチミツや白系果実ならびにお花の香りが詰まっています。芳醇な味わいで余韻も長い。それでいてエレガント。モロ私好みの味わいでした。
魚料理はマナガツオのポワレ。マナガツオの味わいは中くらいでしたが、ソース・ベルモットが良いですね。まさに教科書通りの味わいであり、歴史を感じる味わいです。他方、キャビアも皿に含まれていたそうですが存在感は薄かった。
メインは鹿のロース肉。東京で食べる鹿と言えばエゾジカであることが多いですが、コチラは鳥取で捕れた個体とのこと。柔らかさこそエゾジカに劣るものの、マッチョな味わいで実にヘルシー。思わず赤ワイン持って来いと叫びたくなるような力強さが感じられました。ソースもグランヴヌールとド定番。ガルニチュールのリンゴやゴボウも基本に忠実な味わいで実に美味しかった。
合わせるワインはコチラ。不勉強で全く存じ上げないシャトーでしたが、ボルドーそのものといった味わいで私好み。先の鹿肉に文句なしに合う。そんなワインでした。
デザートは栗のモンブラン。これは美味しいのですが、普通と言えば普通です。これまでの豪華絢爛な料理にくらべるとやや貧弱に感じました。
ミニャルディーズもギモーヴ(マシュマロ)にチョコレートと、何とも俗っぽい小菓子です。むむ、当店における甘味の貧弱さは課題かもしれません。
ハーブティで内蔵を労りごちそうさまでした。なるほどひらまつグループ肝いりでオープンした京都店だけあって、何もかも卒がなく完璧でした。料理は綺麗に閻魔帳に則っており、また、サービスについても申し分のない対応。一方で、ちょっと遊び心がないというか、せっかくの京都らしさ、たとえば地元の食材を多用するなどのテロワールが薄い気がするのが残念でした。もちろんこれは東京から来たワガママな客の感想であり、京都在住のゲストを相手にするのであれば正当的なフランス料理をつくり続けるのもひとつの正解なのかもしれません。
ともあれ立地や雰囲気は抜群であり、ここの料理を不味いと評する日本人はまずいないでしょう。そういう意味で和食の「十牛庵」的でもあり、フランス料理入門編としては間違いのないお店です。招待された披露宴の会場がここであればガッツポーズしてください。


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京都はとにかく和食がリーズナブルですね。町全体の平均点が高いのはもちろん、費用対効果も良いことが多い。その文化に影響を受けてか、欧米系のレストランにも目が離せない魅力がある。
JR東海「そうだ京都、行こう。」20年間のポスターから写真・キャッチコピーを抜粋して一冊にまとめた本。京都の美しい写真と短いキャッチフレーズが面白く、こんなに簡潔な言葉で京都の社寺の魅力を表せるのかと思わず唸ってしまいます。

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サラベス(Sarabeth’s)/東京駅

「次の仕事までに4時間空いたんだけど、軽く食事かお茶でもどう?」と芸能人様よりお達し。15:30と中途半端な時間でしたが、忙しい彼女と会える機会は限られており、何より私が無限に暇なのである。
サラベス(Sarabeth’s)の東京店へ。「New York Magazine」では“NYの朝食の女王”と賞賛され、レストラン格付けガイド「Zagat」では“ニューヨークNo.1デザートレストラン”にも選出されたことがあります。
東京駅八重洲口すぐと好立地なのですが割に空いており激しく穴場。日本上陸時の凄惨な混雑状況とは隔世の感があります。ゲストの大半、というか、私以外は全員が女性でした。
アフタヌーンティーセットを注文。グランドメニューからフードとドリンクを注文すれば秒で2,000円を超えるところ、こちらのセットであれば飲み物はおかわりOKで軽食もついて1,800円とお得です。

「いい感じのヒトがいるんだけど、サラリーマンなの。どう思う?」バツイチの彼女は眉間に皺を寄せながら言う。どうって、サラリーマン、最高じゃないか。中途半端な芸能人が中途半端な成金と付き合うことほど痛いものはない。一般の人、しかもお堅い会社員とだなんて、逆にキミの株が上がると思うけどね。
「そうかなあ。あたしの周りの子たちからは『え~、もっと他にお金持ちいるでしょ~w』って、ちょっとバカにされちゃうんだよね」男をATMとしか考えない女たちと、女をトロフィーとしか考えない男たち。この業界の面々は皆ギガゾンビのように自分勝手である。そういう価値観に毒されていたからキミは結婚に失敗したんだぞ、と私は冷静に指摘する。
サンドイッチやラップサンドなど腹にたまる食事も含まれていました。パンは注文後にトーストされ、ラップサンドにはトロっとチーズが溶けている。お仕着せの軽食と思いきや、意外に手が込んており結構美味しい。

「あれは、お金に目がくらんじゃったの」私は彼女のこういう素直なところが大好きだ。「反省してる。本当に見る目がなかった。どうしてもっと早く気づかせてくれないかなあ。あなたはいつも手遅れになってから登場するんだから」
上段にはチーズケーキにパウンドケーキ(?)、スコーンにクッキー、プリンです。有名パティスリーのレベルには達してはいませんが、値段を考えればかなり美味しい部類に入るでしょう。とりわけ濃厚なプリンが心に残りました。

「盛大に離婚したわけじゃないから、知らない人も多いでしょ?どうやってみんなに知ってもらおうっかなあ」知るかよ有名人ぶりやがって。年賀状に『家族がひとり減りました』とでも書いて何人かに送れば、勝手にSNSで拡散されるんじゃないの?

ちなみに芸能人に年賀状を出すと結構な確率で返って来ますこれ豆な。もちろん本人が手配するわけではなく事務所のスタッフか誰かが対応しているのですが、因襲的な芸能界だからこそファンへの心温まる対応も残っているのだ。
飲み物は好きなものを好きなだけ。私はコーヒー1杯にお茶3杯も飲んでしまい、おなかタプンタプンやで。

「そろそろ行かなきゃ。ありがとね急な誘いなのに」あたしが誘ったんだから、と、手早くお会計を済ませて店を出る彼女。時間を取り戻すことは出来ないが、振り返ることは出来る。いつか彼女に誠実な家族がひとり増えますように。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

サラベス 東京店
関連ランキング:カフェ | 東京駅日本橋駅大手町駅

CROWN(クラウン)/大手町


今年も「東京最高のレストラン」が発売されました。このシリーズはプロが実名で激論を交わしているのが良い。圧倒的な経験と論理構成。ネット上の口コミとは質が全く異なります。ただし、小体な個人店の紹介が殆どであり、当記事「CROWN」のような大資本系についての取り扱いが少ないのが玉に瑕。そのギャップを埋めるのがタケマシュランである。
バリバリのラグジュアリーホテルなのに外資系に比べると割安感のあるパレスホテル。ロビーラウンジの雰囲気が好きで、加えて日仏スターシェフ5人が1人1皿を担当するパーティでのバンケット料理に圧倒され、加えてかの美人女医もお気に入りのレストラン。いつかメインダイニングにお邪魔したいと恋焦がれていたのです。
平日のランチでお邪魔したのですが、ゲストの大半は外国人であり、まるで海外旅行に来たような錯覚を覚えました。平日ランチ限定で「MENU EXPRESS」というコースが用意されており、当店のエスプリを僅か5,500円で体験することができます(以上、写真は公式ウェブサイトより)。
アヴァン・アミューズは紫芋のチップスにセップ茸のフィナンシェ。いずれも秋の味覚の象徴です。フランス料理は日本料理に比べると季節感に乏しいですが(和食の八寸は世界に誇る芸術だ!)、最初に秋を宣言するあたり、日本人的いとをかしが感じられました。
アミューズはサーモンのタルタルを竹炭で色付けした生地でクルリと巻いたもの。生地のサクっとした食感とタルタルのトロトロ感の対比が堪らない。加えてサーモンの豊かな旨味と脂身。べたついた舌先をサワークリームで整理するセンス。ここまでレベルの高いアミューズは中々ないぞ。この時点でこの日の勝利を確信しました。
手前はミルクパン、奥はチャパタ。いずれも高尚なパン屋で1個数百円で売られてもおかしくないレベルであり、とりわけチャパタの食感と塩味のバランスには思わずため息が出てしまう。加えてフランス産のバターも丸々1個と気前が良い。このランチは確実に採算度外視である。
前菜はカンパチのタルタル。サーモンのタルタルとはまた違った方向性の調味であり、トッピングのウニならびにウニのソースと合わせてもうだめだ、私は欲望に負けた。

フヌイユ(フェンネル、ウイキョウ)のピュレもグルグルと正確に描かれており、その中にバジルオイルを垂らすと揺らぎのある絵となります。目で美味しい、食べて美味しい。なんて愛くるしい前菜なのでしょう。
追加のパンはワゴンでドンドコドンドコ持ってきてくれます。今回はオリーブとゴマ。加えて後ほどライ麦のパンを頂きました。胃袋無限かよ。
メインは豚肉。平田牧場の金華豚のロース肉とのこと。スモークなのか炭火なのか何なのか、フワっと漂うセクシーな香りがたまりません。白眉はソース。トリュフ主体のソース・ヴィネグレットなのですが、料理全体を取りまとめる酸味の車幅感覚がすばらー。畢竟、フランス料理とはソースなのである。
ショートコースなのでデザートはありません。が、ミニャルディーズ(小菓子)として可愛らしい3口を用意して頂けました。中でも左の金柑のモンブランが印象的。
さらにワゴンが登場し、棒状のケーキを目の前で切り分けて下さいます。ヘーゼルナッツとチョコレートのケーキ。ミルフィーユのように味覚が折り重なっており、どこが小菓子やねんと突っ込みたくなるほどのボリューム感。
コーヒーまで確実に美味しい。以上、一通りの料理が5,500円。ちょっと信じがたい費用対効果です。もちろん接客も完璧。若者はキビキビと動き、熟練者は柔和な笑みをたたえる。何もかもハイパー察しの良い集団。習慣の力である。
それにしても5,500円は安い。今月の「専門料理」は色んなお店の物件取得や内装費、材料費に至るまで赤裸々に記されており、こんなことまで書いてしまって良いのかと読者が心配になるほどの企画なのですが、仮に当店が原価等を公開すれば、業界全体がドン引いてしまうこと間違いなし。ここまで来ると、もはやこれは文化貢献事業である。


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「好きな料理のジャンルは?」と問われると、すぐさまフレンチと答えます。フレンチにも色々ありますが、私の好きな方向性は下記の通り。あなたがこれらの店が好きであれば、当ブログはあなたの店探しの一助となるでしょう。
日本フレンチ界の巨匠、井上シェフの哲学書。日本でのフレンチの歴史やフランスでの修行の大変さなど興味深いエピソードがたくさん。登場する料理に係る表現も秀逸。ヨダレが出てきます。フランス料理を愛する方、必読の書。

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