ソウルフードハウス(SOUL FOOD HOUSE)/麻布十番

この本に東京の世界各国料理店が整理されており、それぞれの郷土料理のエピソードなどが漫画で紹介されていて割にオススメです。
中でも「ソウルフード」とは「その地域に特有の料理。その地域で親しまれている郷土料理」ではなく、本来的には「アフリカ系アメリカ人の伝統料理の総称」を指すという豆知識に驚きました。しかも「ソウルフード」を出すお店として麻布十番の当店が紹介されていたのです。
すぐ訪問。エル ブランシュ(Aile Blanche)インティライミが入居するビルの6階。そういえばインティライミは瞬で閉店しちゃったなあ。川崎時代は良いお店だったのになあ。当店もコンセプトは似ているので、同じ運命を辿るのではないかと一抹の不安を抱く。
お店を切り盛りするのはオーナーのデビットさんと、その奥様でありゴスペルシンガーのラトーニャさん。店員をはじめゲストまで一部の隙もなく外国人で満ちており、日本であることを忘れそうになるほどです。月・火はお休みと思い切りの良い営業形態。
ところどころ日本語訳が可笑しくて心和む。スペシャリテは「フライドキャットフィッシュ(ナマズのフライ)」や「ワッフル」、「シーフードガンボ(南部風おじや) 」など。ワッフルのトッピングはフライドチキンであったりと、普通の日本人であればあまり知らない世界です。
ランチのサンドイッチに付帯するサラダ。オマケにしては結構なボリュームであり食べ応えのある1品。
スープは興味深い味がします。トマトスープとうかケチャップスープというか、ある意味人工的なトマトの味が支配的。ピリリとスパイスも感じられ、ありそうでない味わいです。どっちゃくそに味が濃く、もう少し出汁で伸ばしたりしているほうが私好み。
スペシャリテの「フライドキャットフィッシュ(ナマズのフライ)」のサンドイッチ。想像していた以上のボリューム感であり、なるほどこれが南部スタイルかと得心する。備え付けのフレンチフライがマックのそれに比べると一回り細く、結果としてカリカリ部分が増えるため、新手のスナック菓子のようで癖になる味わい。
ナマズのフライが大きい。衣はトウモロコシ粉だそうで、香ばしく甘味が感じられます。ナマズの身はその語感からは考えられないほど清澄な味わい。クセなど全くなく、トロリととろける舌ざわりはまるで舌平目のようです。他方、パンは課題ですね。アメリカのホットドッグ屋台のそれのような味であり、全然美味しくありませんでした。
面白いお店です。ここまで徹底的にアメリカ風なレストランは、このあたりだと当店か東京アメリカンクラブぐらいでしょう。接客は非常にフランクで、店内のゲストはみんなブラザーだぜオーイエー的なノリが感じられ、ある意味雰囲気で食わせるお店です。手軽に海外旅行気分を味わえるお店。アメリカ人と是非どうぞ。


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