常春の楽園、八丈島への女子旅にオジサンが同行した話。vol.2


【前回の記事はコチラ】
常春の楽園、八丈島への女子旅にオジサンが同行した話。vol.1

■八丈富士登山
さて八丈島のメインイベント、八丈富士登山です。当初の予定では到着日に登る予定だったのですが、雨がパラつき風も強かったので急遽翌日に変更。アドリブに強い漢、タケマシュラン。
東京諸島最高峰の山であり標高は854m。車で登山口まで行き、そこから小一時間の道程です。写真のような階段とスロープを延々と登り続ける必要があり、自然と無言になります。
我々は日常的に運動をしている健康優良児であるからか、通常60分を要するところを30分でテッペンまで到着することができました。ここまではスニーカーでOK。
目玉はお鉢巡り。稜線に沿ってケモノ道を歩きます。道は悪く、ぬかるみ、岩場、ジャングルなんでもござれ。スニーカーでは厳しく、トレッキングシューズが必要になってきます。幅50センチほどの道無き道をひたすら進むので、植物などが普通にチクチクしてきます。半ズボンはNGな。
時計回りで巡るのかその反対なのか特に案内は無く、私は時計回りで行こうと主張したのですが、「皇居ランは時計と反対回りだ」と皇室を持ち出されるのだから仕方ない。しかしながら30分ほど進んだあたりで他の登山客は9割方時計回りであることに気づく。すれ違えないほど狭い道が続くので、色々とご迷惑をおかけしました申し訳ありません私のせいではありません。
すっかり森に覆われた火口を望む。かなりの急角度で落ち込んでおり、落ちればまさに絶対絶命。突風が吹けば転落してしまいそうでもあり、普通に危険なハイキングです。
しかしインスタは人を勇敢にさせる。たまたま通りがかったスニーカーにジーンズにTシャツというパフィーのような女子ふたり組が、ギリギリのギリまでチャレンジします。見てるほうが怖い。
砂利道の急坂という、風雲たけし城のようなポイントも点在し、部分的な難易度で言えば本物の富士山に勝るとも劣らず。すれ違ったグループの女性が「虫に噛まれた(刺された?)」と大泣きしており背筋が冷える。
それでも眺望はため息が出るほど壮観。この躍動感は写真では伝わらない。富士山はあまりに高すぎて眺望に現実味がありませんが、八丈富士程度の高さであれば麓の街並みが判別できるレベルであるため、生のグーグルマップ見ているようで楽しい。
ところどころ立ち止まって写真を撮りながら1周まわって2時間弱。トータルではたっぷり3時間かかりました。その間、売店はもちろんトイレも無いので、きっちりと体調を整えてから登りましょう。想像以上に過酷ではあったものの、期待の数段上を行く満足度でした。オススメ!


■ふれあい牧場
http://www.town.hachijo.tokyo.jp/kakuka/sankan/sankan_fureai.html
八丈富士の中腹に位置する畜産振興のための牧場。太平洋と三原山を望む絶景であり、八丈島ブルーとふれあいグリーン(今考えた)のコントラストが見事です。
花より団子の我々は真っ先に管理棟へ向かい作り立てのアイスクリームを所望したのですが、なんと営業期間はGWと夏休みのみとのこと。「今は町のスーパーでカップで売ってます」と、なんともそっけない対応でした。


■あそこ寿司
http://www.takemachelin.com/2018/09/asoko.html
八丈島を代表する寿司屋ツートップは「銀八」とココ「あそこ寿司」。市街地のど真ん中にありアクセス至便。不定休であり、「良い魚が仕入れられなかったら休業」というハードボイルドなお店です。詳細は別記事にて。


■Gelateria 365
https://tabelog.com/tokyo/A1331/A133101/13216446/
2017年末に八丈植物公園内にオープンしたジェラテリア。「八丈島乳業株式会社」という、バリバリの牛乳屋の直営店舗です。営業時間が10時半~15時半と短いのでお気をつけて。
八丈ジャージー牛乳と島の野菜を用いたジェラートと乳製品を販売しています。ジェラートは2種類のフレーバーが選べて400円。その他、プリンや飲むヨーグルト、ラテなど。牛のマスコットがプリントされたTシャツなどもあります。
私は塩ミルクにシイタケ。塩ミルクは期待通りの味わいで大満足。ダークホースはシイタケ。八丈島産のものを使用しており、森の香りと独特の旨味が重なり合い、クセになる味わいです。
彼女たちは明日葉にプレーンなミルク。この明日葉も風味が強く、名前だけ冠したなんちゃってフレーバーとは一線を画し、滋味に溢れる味わいでした。


■玉石垣
八丈島を代表する歴史的景観と言えば、大里地区に行けば至る所にある「玉石垣」。八丈島の荒波で角が削れた丸い石を、島流しの刑にあった罪人たちが運んで積み重ねたそうな。運ぶ駄賃は「石1個とおにぎり1個」であり決して悪くないレート。青い海、常春の気候、美味しいオニギリ。なんとも牧歌的な刑務所である。


■八丈島地熱館
http://www.town.hachijo.tokyo.jp/chinetsukan/
八丈島の成り立ちは火山の噴火。したがって、今でも地中奥深くにはマグマが渦巻いており、潤沢な地熱資源が認められ、島の電力の約25%を地熱発電で賄っているとのこと。
ここ八丈島地熱館は、そういった火山の噴火から始まる島の成り立ちや地熱発電の仕組みをわかりやすく解説展示してくれています。ガラ空きの観光地(?)ではありますが、知的好奇心が刺激されて非常に興味深い。加えて受付の女の子が可愛かったです。


■えこ・あぐりまーと
https://twitter.com/eco_agri8jo
八丈島地熱館すぐ近くにある、地元産の品々の直売所。
季節の果実や旬の野菜、花・観葉植物などがリーズナブルな価格で購入可能。アイスクリームやパウンドケーキなどの加工品も多く販売されており、隠れたお土産購入スポットです。


■足湯きらめき
http://www.town.hachijo.tokyo.jp/onsen/kirameki.html
旅の〆は無料の足湯へ。
近くの裏見ヶ滝温泉ばかりが目立ってしまいますが、個人的にはコチラのほうが全然好き。大海原を望む絶景であり、何より空いています。温度へ熱めであり、足湯ながら全身からじんわりと汗が吹き出てくるのが気持ち良い。


■八丈島空港
http://hachijoapo.net/
帰りの足は飛行機です。旅客は皆、似たような時間帯に空港に殺到するため、唯一の土産物屋の行列の長さが尋常ではありません。前述の「八丈ストア」や「えこ・あぐりまーと」などで買い求めたほうが人生を有効活用できます。
女子2人との2泊3日の珍道中もこれにて終了。私を取り合う喧嘩などなく何よりでした。

やはり島旅は良いですね。何とも名状しがたい特別感がある。若いころは躍起になって海外ばかり攻めていましたが、最近は国内旅行にも風情を感じるようになってまいりました。お次は「不老不死温泉(青森県)」「宮古島」あたりを狙いたいと思います。

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Ottotto BREWERY(オットット ブルワリー)/大門

すっかり関係が途絶えていた女の子から数か月ぶりに連絡が来ました。善は急げ。地下鉄大門駅からJR浜松町へ向かう階段に印象的な看板があり、気になっていたお店へと向かいます。
当店はブルーパブ(brewpub)。マイクロブルワリーとして小さな規模でビールを生産し、その自家醸造のビールをそのままゲストに提供してくれます。ピカピカと病的に磨き上げられたタンクが輝かしい。
私は造りたてのヴァイツェンを注文。まさにヴァイツェンといった小麦の味が響く。香りも強く果物のような風味を感じました。

連絡ありがとう、でも、突然どうしたんだい?「あれ?言ってなかったっけ?あたしって、情緒不安定なの。今朝起きたらすごく天気が良かったから、仕事を休んでキミに連絡したってわけ」潤いのない声で彼女は言う。なるほどそれは典型的な情緒不安定。全ての辻褄が合いました。
連れはIPA(インディアペールエール)。ひとくち味見させて頂きましたが、意外に上品な苦味と麦芽のフレーバーであり、良い意味でIPAらしくない。

「情緒不安定を甘く見ないでね。上下が激しくて、ジェットコースターみたいで意外に楽しいんだから」気の利いた返事が思い浮かばず、私はホウレンソウのおひたしのように口をつぐむ。
店内は9割方がスーツ姿のサラリーマン。よりカジュアルで賑やかなTYハーバーと言った雰囲気です。

たまにはこういう元気なお店で飲むのも良いね。僕らみたいな枯れたカップルにはピッタリだ、と話を変えると「ねえ、他の女の子に使う表現を私に使うの、やめてくれない?あたしが嫉妬深いってこと、知ってるでしょ?」感情に従順な彼女はナイフのように冷たい声で言った。
ツマミにオニオンタワーリング。オニオンはさておき、衣がドーナッツのようなホクホク感を湛えており、オニオンリング業界としてはかなりの美味しさに感じました。ちなみに揚げ油や炒め油にはトランス脂肪酸の少ない低温抽出の米油を100%使用しているらしいです。
マンマのラザニア。パスタのモッチリ感や肉の味付けの濃さなどジャンクな味わいであり、ビールをガブガブ飲むに打ってつけのツマミです。厚さが無くサイズも小さめなのが玉に瑕。
そういえば、僕の斜位の件だけど、眼科に相談したら「斜位や斜視はイケメンの条件のうちのひとつで、芸能人やモデルに多いイケメン症。もったいないからそのままにしておいたら?」ってアドバイス受けたよ。どう思う?
「見せて」と。グっと私の体を取り、ムギュっと両サイドから両手で頬を押さえつけられ、息がかかるほどの近さにまで接近し私の両目を覗き込む彼女。majiでkoiする5秒前、というところで「ラストオーダーでーす♪」と、ニヤニヤと伝票を放り込んでくる店員。「何てことさせるのよ、顔から火が出るほど恥ずかしい」と、何故か私がぶたれました。
2杯づつ飲んで、ちょっとつまんで合計5千円。まあ、こんなもんでしょう。ビールそのものの味わいは悪くないのですが、ツマミに割高感があるのがやや残念。アラカルトではなく、飲み放題付きプランなどもあるようなので、グループで来るほうがお得なのかもしれません。


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あそこ寿司/八丈島

八丈島を代表する寿司屋ツートップは「銀八」とココ「あそこ寿司」。市街地のど真ん中にありアクセス至便。不定休であり、その理由は「良い魚が仕入れられなかったら休業」というハードボイルドなお店です。
一般的な江戸前寿司もあるのですが、やはり観光客は「島寿司」か「醤油漬」のいずれかを注文することになります。前者は地魚を用いた寿司、後者は地魚を醤油漬けにするものであり、魚に拠っては漬けるのに時間がかかるため、予約必須とのことです。
我々は事前に予約をしていなかったため、島寿司一択。一人前でこの量であるため、成人男性では少し物足りないかもしれません。
「海苔がパリッとしてるうちに、先に巻き物を食べて!」と、大将より指導が入ります。タネはキツネ。一般名ではハガツオであり、「狐につままれたぐらい美味しい」と、このように呼ばれているそうな。風味としてはプレーンなマグロに似ているか。
右ふたつはカンパチとバショウイカ(アオリイカ)。やはりこの地域特有なのか、身そのものに深みがなく単調に感じました。また、シャリが甘くベチャベチャと水分量も多いので、オカンのオニギリを食べているかのような錯覚にとらわれる。
メダイにキハダマグロ。先のタネと同様の風味です。魚の味覚に特徴がなく、ブラインドで食べると私の舌では何を食べているか判断がつきかないかもしれません。
アオゼダイを2カン。やはりこれまでのタネと同様の印象。残念ながら八丈ストアで買ったパックの島寿司のほうが美味しく感じます。
キンメダイを2カン。うーん、これがこのあたりのキンメダイなのか。脂質に乏しく悪い意味で非常にフレッシュに感じました。もっとこう、コッテリとしたものを想像してしまうキンメダイという魚には。
お椀はトビウオのツミレに青のり。これはハッキリとした味わいであり万人受けするでしょう。ツミレも上品に仕上がっており、本日一番のお皿です。
タネに複雑性を感じることができず、また、シャリがベタベタと好きではないタイプだったので、若干テンサゲなランチでした。まあ、1人前2,100円という金額を考えればこんなものなのかもしれません。醤油漬けならもう少し印象が違ったのかな。


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