石垣島滞在50時間とインスピレーションと限界と


次の土日に何の予定も無いことに月曜日に気づき、せっかくだからどこかに行こうとANAの特典航空券カレンダを開く。石垣島土曜発月曜帰りの奇跡の旅程を発見。一般的にマイルでの行き先は微妙な航路や閑散期であることがほとんどであり、トップシーズンの石垣島に、土日を絡めて無料で行けることは珍しい。
さらにはアップグレードポイントを用いてプレミアムクラスにアップグレードというオマケ付き。これまでアップグレードポイントを用いて実際にアップグレードできたことなど一度もなく、いつもANAコインに換金してばかりだったので感動もひとしおです。「特典航空券+プレミアムクラスにアップグレード」など、盆と正月が一緒に来たような騒ぎであり、この感激はANAマイルヲタにしかわかるまい。


■石垣島のタクシー
9:15石垣着の便であり、タクシーで港に直行。3,000円の道のりを単騎乗りするのは気乗りしませんが、到着日中になるべく多く潜るためには仕方ありません。石垣のタクシーのほとんどはカードが使えないのが地味に痛い。そんなに現金もってへんねん。


■スクーバ・ダイビング(1日目)
船のタイミングが合い、到着日ダイブで3本も潜れることに。しかもさっきまでは雨が降っていたのに私が到着した途端に止んだとのこと。
どうも今回の旅は奇跡続きであり、そろそろ私は宗教でも始めたほうが良いかもしれません。ホラ、僕が潜るとこんなにも光が降り注いできたよ。
1本目から早速カメに出会うことができました。甲羅のサイズが直径1メートルは超える特大サイズ。
6時間前は東京のベッドで寝ていたというのに、今は石垣島沖の海中で色とりどりの魚達に囲まれている。日本は狭い。
お弁当は「沖縄っぽいのを」とリクエストしておいたので、見事にフーチャンプルーを引き当てました。沖縄の麩は車麩(くるまふ)と呼ばれ、本土のそれとは異なり、1本が30センチを超える特大サイズ。その麸を野菜や卵、ポークランチョンミートなどと共に炒めた料理です。それにしてもダイビングは腹が減る。船上で食べる弁当は格別である。
川平湾へ移動しマンタ待ち。結論から言うとダメでした。生態系が変わりつつあるのか、ここ数年、川平での遭遇率が激減しているとのこと。それをメインにしたショップとか大変だろうなあ。
洞窟へ。空いた穴から陽光が差し込み幻想的。シェイプ・オブ・ウォーターみたい。あまり意識していなかったのですが、私は意外に地形フェチなのかもしれません。


■石垣ゲストハウスハイブ(Ishigaki Guesthouse HIVE)
http://www.takemachelin.com/2018/07/hive.html
人と沖縄に来る際は奮発して高級リゾートに泊まることが多いですが、ひとりでダイビングに訪れる際は安宿がほとんどです。ホテルだと洗濯機がないから意外に不便なんですよね。今回は1泊4,000円、男女相部屋のドミトリー。詳細は別記事にて


■たけさん亭
http://www.takemachelin.com/2018/07/takesan.html
船に同乗した方々、ならびにダイビングショップの皆さんに誘われ、夕食は地元民に人気の焼肉屋へ。石垣牛を気を失いそうなほど腹に満たして8,000円。詳細は別記事にて


■スクーバ・ダイビング(2日目)
本日も快晴。ちなみに石垣島には2〜3年前に海上保安庁の基地が新設されたとのこと。尖閣諸島問題がきっかけになったそうでうすが、そう言えば最近アレ系の話を聞きませんね。中国漁船サンゴ密漁問題とか解決したのかな。もうみんな飽きたのかな。
魚眼レンズをお借りしてみたのですが、どうもしっくりきませんでした。やはり私は陸の上でも海の中でも単焦点でグイグイ寄ったり、直感的に構図を決めるのが好きなようです。
地形をリクエスト。よし、今度からダイビングショップに好みを伝える際は「ワイド・地形」と伝えよう。マクロはあまり興味なし。ところで写真業界って接写のことをどうして「マクロ」と表現するのでしょうか。どう考えてもミクロだと思うのだけれど。
ランチはソーキそば。まさか船上で麺を茹でスープを注ぐとは。普通に美味しい。海の上でここまでのレベルの高さは天晴れです。
再び川平でマンタ待ちしたのですが、出会うことができず。やはり自然を相手にするアクティビティにはこういう難しさがありますね。お金を払えばどうにかなる問題ではなく、キーとなるのはいかに時間をかけることができるかどうか。次回はマンタのトップシーズンであるAWにチャレンジすることにしよう。ちなみにAW(エーダブ)とはAutumn/Winterの頭文字を取った略語であり、ファッション業界では秋冬モノを指します。ちょっと使ってみたかっただけです。


■ぎょうざ家 心心
http://www.takemachelin.com/2018/07/shinshin.html
この日の夕食にはこれまた地元民に人気の餃子屋へ。詳細は別記事にて


■島そば一番地
http://www.takemachelin.com/2018/07/ichiban.html
餃子屋で炭水化物は取らず、〆に自家製麺が自慢の八重山そば屋を訪れます。カマボコ、三枚肉、ソーキが入った全部入りそばがお買い得。詳細は別記事にて


■とうふの比嘉
http://www.takemachelin.com/2018/07/higa.html
最終日の朝食は「とうふの比嘉」。どのガイドブックにも掲載されている、石垣島ではトップクラスに有名な飲食店。06:30のオープンから行列が絶えず、日によっては正午頃には売り切れてしまうという大人気店。詳細は別記事にて


■スターバックスコーヒー 石垣空港店
https://tabelog.com/okinawa/A4705/A470501/47012454/
地元の方に空港でオススメの店を訊ねると「スターバックス!」と秒で返ってきました。なんでも日本最南端のスタバであり、石垣島においても唯一のスタバとのこと。と言ってもメニューに石垣島限定のものがあるわけではなく、至って普通のスタバです。

新石垣空港は航空会社のラウンジはおろか、カード会社のそれすら無く、ノマド族にとっては発狂しそうな仕様です。その常時接続欲を唯一満たしてくれる場所が当該スタバであり、人数比だと六本木ツタヤのPC作業率よりも高いかもしれません。
以上2泊3日、滞在時間50時間の石垣島。6本も潜り色々と食べることができ、非常に有意義な週末でした。インスピレーションというものは自らが独りで考え抜いて得るには限界があり、一方で、見知らぬ土地で見知らぬ人々と接していると処理できないほどの気づきが自動的にやってくる。やはり旅は積極的にするべきだ。


このエントリーをはてなブックマークに追加 食べログ グルメブログランキング

関連記事

「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

万伝餃子(マンデンギョウザ)/大門

日帰り伊豆大島ではしゃぎ周った後の打ち上げで利用。
帰りの船ではすっかり眠りこけていたのですが、羽田近くになると「おなかすいた」と、むくりと起き上がる前田亜美似の連れ。「餃子たべたい。あとビール」こういうところが彼女の良いところだ。
船上から食べログで手近な餃子屋を検索し、予約の電話を入れる。「19時2人?ダイジョーブダイジョーブガチャ」と、私の名や電話番号も聞かずに予約完了を告げる電話主。常時ガラガラで予約という概念が無いお店なのかと思いきや、実際にはラスト1席しか残されておらず、ちょっと不安な予約システムです。
スーパードライのジョッキで乾杯。400円代と価格は安いのですが、サーバのメンテナンスが上手くいっていないのか、ヘンに酸味があり発泡酒のように薄い味わいでイケてません。
水餃子は具こそ一般的なものですが、生地はモチモチとしており中々に美味。
シイタケとチンゲンサイの炒め物。非常に解かり易い味わいでそれなりに上手いのですが、ニンニクの強烈な風味といつまでも舌に残る妙な旨味が気になるところ。
焼餃子。やはり生地が旨く、バリっとした食感も堪らない。タネは牛肉とタマネギを選択したのですが、牛の脂とタマネギの甘味が相俟って、牛丼のアタマを餃子にしたような不思議な味わいでした。
生ビールには見切りをつけビンに移行。同じジャンルの飲み物とは思えないほど複雑で奥行きのある味わいです。
油淋鶏(ゆーりんちー)。揚げた鶏肉に刻んだ長ネギと醤油ベースのタレをかけた中国料理であり、俗に言う若鶏のから揚げネギ香味たれです。肉よりも皮や衣が支配的で、スナック菓子のような風味がクセになる。調味も人工的であり、それを含めてビールが止まらないジャンクフードです。
追加で焼餃子をもうひとつ。今回のタネは豚肉・ニラ・海老。豚肉の歯ごたえとニラの香味に食欲をそそられ、先ほどの牛丼餃子とは全く異なる料理と考えたほうが良いでしょう。
1品1品が高くなく、アルコールの値付けも悪く無いのですが、いかんせんジャンクな調味と妙な味覚の生ビールが気になりました。喫煙も可であり、手を叩いて大声でゲラゲラ笑うようなリーマンが集うお店です。

「客にデブが多いよね。ハゲかたも丸の内とはちょっと違う」と、鋭い分析力を見せる連れ。我々のように枯れたカップルであれば問題ありませんが、付き合い初旬の男女には厳しいお店でしょう。


このエントリーをはてなブックマークに追加 食べログ グルメブログランキング

関連記事
芝公園あたりは飲食店が少ない。その中でのお気に入りをご紹介。
知っていそうで意外と知らない浜松町のモノレールについて路線、車両、駅、歴史を詳述。ここに書かれた情報を飲み会で話すと結構ウケます。

関連ランキング:中華料理 | 大門駅浜松町駅御成門駅

「男におごられっぱなしの女は風俗嬢以下だ」刃物でも抜くように夫は言った。

親しくしている友人夫妻と3人で食事会。「男におごられっぱなしの女は風俗嬢以下だ」刃物でも抜くように夫は言った。

「まず誤解の無いように前置きなんだけど、俺は風俗嬢とかキャバ嬢とかを悪く言いたいわけじゃない。彼女たちは自分の性的な魅力と引き換えにお金を得ているプロフェッショナルだ。彼女たちが客におごってもらったり、小遣いをもらったりすることをとやかく言うつもりは全くない」ポリティカルコレクトネスにこだわる彼らしい前置きです。

「タチが悪いのは素人の女。高級店だの予約の取れない店だのをオッサン共にタカって、毎回毎回おごられっぱなし。そのくせ何もヤラせない。何なんだあいつらは!大して味もわかんねーくせに写真だけはしっかり撮って『今年3度目☆やっぱり和食は石かわさん☆』とかインスタに載せやがる。やっぱり、ってなんだよ!やっぱりって!」不倶戴天の敵を罵るように声を荒げる夫。

「あー、いるいるそういう女の子。痛いなーって思いながら、ついついインスタ見ちゃうんだよね。痛すぎて」と、妻。「あたしは絶対に自分で払うけどね。恋人でも何でもない男におごられるだなんて気持ち悪い。そもそも自分で払うことができない身の丈に合わないお店なんか行かないし」幸せとは欲しいものを手に入れることじゃなくて、今あるもので満足することなのよ、と彼女は小さく付け加えた。

「だいたい、そんな50代のギラついたオッサンとか、アラカン(アラウンド還暦。決して棺桶ではない)のジジイどもと食事に行ったって楽しくないし。そんなキモいオッサンと何時間も過ごすぐらいなら、マックで2〜3日バイトして2〜3万握りしめて、友達と良い店行ったほうが全然いい」

「まったく、すげえ根性してるよな。なに大人を手玉に取った気になってるんだよな。性根が腐ってる。お前らひとまわりもふたまわりも年下のガキに人間的な魅力を感じてるわけないだろ?ヤレるかどうかしか興味ないっつーの。いつか痛い目に遭わせて人生終わらせてやる」
彼の言動は極端ではありますが、正鵠を射ている部分もあります。確かに20代の女性が、客単価数万円のレストランの写真をホイホイSNSにアップできるのは違和感でしかない。彼女自身が大変な資産家であったり、鬼バリキャリで唸るほど金を稼いでいたり、芸能人やスポーツ選手など特殊なタレントを持った方であれば話が別ですが、若くて可愛い以外に取り得の無い女の子がそのような華々しい生活をしていたり、妙にオゴられ慣れたりしていると、やはり裏があると感じるのが普通でしょう。もちろん清廉潔白な女の子が殆どなのかもしれませんが、一部の心無い女たちがいるのも事実です。

彼のヤリ目100%のピュアな発言の是非はともかく、そのように考えている男性は一定層存在することは確かなので、自分の収入以上の店に出入りするのはリスクが大きい、ということを、若くて可愛い女の子たちはきちんと認識しておくべきでしょう。そのようなライフスタイルからは距離を置いたほうが色々と賢明。高級店に行った自慢は決して自慢になっておらず、自分の魅力を毀損しているだけなのです。

「それにさ、『女の子は化粧品とかネイルとかお洋服とか色々お金がかかるから、デート代は男が払って当然』って言い訳する子もいるけど、何かヘンだよね。それって男のためにやってることじゃなくて、自分のテンション上げるためにやってるだけなのに」さらにそのような女の子たちは、オッサンに対してメシを奢れだのモノを買えだの直接的なことは決して言わないことが多い。天性のおねだり上手というか、欲しいものを欲しいと言わないまま、結局は全てを手に入れるタイプなのである。

女性からの明確な要求の有無はさておき、仮に男性側がお金持ちであったとしても、毎回毎回理由もなくオゴらされ、大した感謝も受けないでいると、負の感情で心が満たされていくのは確かであり、いつかは心の堤防が決壊し、復讐という名の洪水が押し寄せる可能性は大いに有ります。復讐、と言うと語感が強いですが、思いもよらない危険な行動にハジけてしまうオッサンの話を、私は数多く聞いてきました。返報性の原理を欠いた人生はいつか必ずしっぺ返しが訪れる。

だいたい、若い女の子たちはなんでそんなに高い店に行きたいんですかね。きちんとしたお店に行ってすげえ年上のオッサンと2~3時間も過ごして疲れませんか?それだけ時間を過ごすと、同じ分だけ寿命が縮まっているということを覚悟できているのでしょうか。オッサンと過ごすその時間が、果たしてあなたの人生にどれだけの意味を持つことになるのか、きちんと考えるべきです。時間の使い方について無関心な若者が多すぎます。未来のある同世代の男とお金のかからないデートを楽しむほうが、よっぽど豊かな人生だと思うのだけれど。

どうしても高級店に行きたいのであれば、何とかお金を捻出して、3ヶ月に1度、恋人や友人と3万円の食事にワリカンで行く、これでいいじゃないですか。私にもう一度結婚する機会があるのであれば、私はこのように自立した大人の女の子と結ばれたい。貧乏はするものではなく味わうものである。月収20万だろうが500万だろうが自立していなければ大人ではない。

私の周りにはバチェラー・ジャパンのような男がゴロゴロとおり、それなりにキレイな女など選り取り見取りなのですが、「トロフィーワイフだなんてダサいじゃないですか。そんな女とツルんでると価値観を疑われる。ただの美人なんてありふれたもので、所詮は生まれつき備わったものか、金を出して買ったものでしかない」と、彼らは口を揃えます。

「○○さん(私の名)って、基本、デートはワリカンなんですよね。周りにいるの、ほんとすげえイイ女ばっかりですよね。俺もそういう自立した女と付き合いたい。もう、俺らの周りって、結婚に焦ったプチ金の亡者みたいなのしかいなくって嫌になっちゃいますよ。そこには依存心しか無い」さらに言うと、金に汚い女は嫉妬深い女でもあり、そのような性格がその他婚姻を継続し難い重大な事由になることも目に見えています。

「自分にとって大事なことだけにお金をかけて、ムダを嫌って、見栄を張らない。そんな女の子のほうがどれだけ魅力的かって、なんで気づいてくれないんですかね」なるほどタワマンに住んで高級車を乗り回す生活に憧れる人は明らかに減っており、どう生きるかが論点となっている。

「もうこんな不自由な社会はたくさんだ。自分を必要としてくれる人のために必要なだけ役にたって、時々うまいものを食えればそれでいい。マウンティングとか、嫉妬とか、そういう世界からは距離を置きたい」空は見上げるためにではなく、飛ぶためにある。空の高さは無限なのだから高さを目指すのは諦めて、自分の身の丈にある空を謳歌しましょう。


このエントリーをはてなブックマークに追加 食べログ グルメブログランキング

関連記事

「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

島そば一番地/石垣島

心心は餃子は悪くないがサイドメニューが割高との結論に達し、ご飯物は注文せず、街中の八重山そばで〆ることに。

食べログで検索し、市役所近くの便利な場所に当店を発見。店名の由来は「字石垣一番地」という住所であり、店と市役所の間の通りはかつて海岸線であったそうな。
店内は意外に広い。テーブル席がいくつかと、カウンターが数席。ツマミや酒も置いているため、予約して飲み屋使いすることもOKとのこと。この日のゲストは家族連れの観光客がほとんどという印象。
「コッキそば」を注文。「コッキ」とは八重山方言で「ごちそう」の意味であり、ソーキ・三枚肉・カマボコ・島ネギと、九州じゃんがららーめんで言うところの全部入りです。

スープは化学調味料を一切使用せず、「石垣の塩」などの天然調味料のみで味付けしているとのこと。なるほどあっさりと清澄なスープの奥底に、豚の出汁の味わいが染み渡ります。最近流行りのアタックの強いラーメンとは対局をなす味わい。
麺は八重山そば伝統の細目の平麺。自家製です。ネット上の口コミでは「コシが強い!」と記載されていたのですが、私にとっては強いどころかフニャフニャです。讃岐うどんのコシの強さがICBMだとすると、当店のそれは焼夷弾といったところでしょう。まあ、コシが強ければ美味しいというわけではないので、それはお好みで。
三枚肉が結構美味しい。豚肉そのものが美味しく、調味もどぎつくありません。
ソーキも三枚肉と同様美味。これだけタップリの肉塊がついたそばが1,050円というのはある意味リーズナブルなのかもしれません。
メニューの説明書きに自家製のピパーズが自慢と書かれていたのですが、
どう贔屓目に見ても既製品であり、アマゾンでも普通に売られていました。どういうこっちゃ。まあ、自家製であれば美味しいというわけではないので、それはお好みで。シナモンとコショウの中間地点のような風味であり、ほんのりとした甘さが特徴的。

結論として、麺やスープは別段特色のない八重山そばのそれです。ただし肉の値付けはリーズナブルなほうなので、ここで飲み会をし〆に蕎麦を食べるという使い方が最も満足度が高いのかもしれません。


このエントリーをはてなブックマークに追加 食べログ グルメブログランキング

関連記事

「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

関連ランキング:沖縄そば | 石垣市

Bar 510(バーゴウイチマル)/赤羽橋


美人女医と初デート。しばらく前に何かの飲み会で知り合い連絡先は交換していたのですが、彼女の住所地が水道橋などあっち方面であったため食事にも誘いづらく、そのまま時が流れてしまいました。

その後、彼女が東麻布に引っ越してきたとの噂を聞きつけ秒で連絡を取り、その5日後が今夜です。人はそれを行動力と言う。
食事を済ませ向かった先は東麻布のBar 510。オーナーが後藤さんという方で、510はゴトウと読むと思いきや、実際にはゴウイチマルらしいです。ご実家が青果業を営んでおり、そこから仕入れる旬のフルーツを用いたカクテルが自慢のお店。
「ぜんぜん連絡くれなくて酷いじゃないですか~。だいたい、水道橋って、十番からそんな遠くないし」不満で鼻を鳴らす多部未華子似。クラシックバレエの熟練者でもある彼女は、長い手足と伸びた背筋が息を飲むほど美しい。どうして連絡先を聞いておきながら半年以上も寝かせていたのだと、自分をどやしつけたくなりました。
ももみかんさん(@momomikan_okd)がシェアした投稿 -
当店はカクテルもそうですが、年代ものの食器類にマニア垂涎。稀少なバカラのグラスに始まりIVVやウェッジウッドのお皿たち。チップでもしたら三日間は立ち直れなさそうな価値のあるものを惜しげもなく普段使いする精神性。

「火傷しちゃったんです。これで冷やそうっと」氷の入ったグラスにそっと指をあてる彼女。細く長い指にはうっすらと赤い膨らみが。なるほどこの私とのデートが楽しみで浮かれながらコテをしてたらついうっかりですねわかります。
スイカ好きの彼女はスイカのカクテルを注文。一口頂きましたが、これがスイカだと言わんばかりのスイカ味。砂糖よりも甘い太陽の味覚。

「好きな料理は断然フランス料理!母が昔から好きで、良く連れて行かれました。一番好きなお店はアピシウス」きたきたきたきたこれ!本物きたよ!ここで、キノコを焼いて花を散らして泡のタレでもかけて試験管にぶっこむような空っぽのレストランの名でも挙げられれば今後の付き合い方を考えざるを得ないのですが、王道中の王道をいの一番に挙げるセンスには、恋と言っても良いほどの特別な感情を抱きました。
私は男らしくバナナのカキ氷。輪郭のあるバナナの風味の奥底からはゴディバのホワイトチョコリキュールの香り。書いたとおりの味わいであり、これを美味しいと言わない人はいないでしょう。

「ほんとはそういうお店、いっぱい行きたいんですけど、なかなか一緒に行ってくれる人がいなくって」と目を伏せる彼女。私もご一緒したいのは山々なのですが、そこに立ちはだかるのは金銭の問題。私の胸中を見透かしてか、彼女は彼女はいたずらっぽく笑う。「あたしと付き合ってイイところはね、あたし、お金に余裕あるから、デートでもちゃあんとお支払いします。ワリカンで全然オッケー!」100人の女が泣いた瞬間である。
お通しのおつまみセット。お皿が立派すぎて緊張する。枝豆は立派な生産者のものであり、コンポタージュスープのような濃密な味覚が印象的。ブルーベリー、マスカット、ナシなど季節の果物が爽やかさに満ち溢れており、ドライフルーツの蜜のような味と、ショコラのカカオの風味にうっとりする。

「他にはこんなところも気になっているんですけど」検索画面を映しながら私の方向へ小さく身を乗り出す彼女。彼女の腕が私の腕に少しだけ触れる。表示されたお店はお世辞にも清潔とは言えない焼鳥屋。アピシウスに引き続き、さらにポイントアップです。来週のスケジュールを告げ、再び秒でデートの約束が固まりました。人はそれを行動力と言う。
彼女はスイカのカキ氷を注文。後のマダム・スイカである。先のカキ氷とは粒子の具合がまた違い、ガリッっとダイレクトに氷を感じさせる夏の味覚。

「女医って、モテないんですよ。もうずうっと恋人がいなくって」彼女は自嘲気味に笑う。「家で独りでいるとすごく寂しくて。でも、『寂しい』ってLINEで大騒ぎするのも格好悪いし、わざわざ連絡とってまで会いたい人がいるかっていうと、それも違うし」人命救助の最前線に立ち深夜に病棟を駆け回る彼女も、おうちに帰ればひとりの女の子に過ぎないのだ。
私はカキ氷をもう1杯。バーに来て酒を頼まずひたすらカキ氷を食べ続けるオジサンかっこいい。今回のテーマは桃であり、まさに熟した蜜の味わいが味蕾を多い尽くす。滑らかな氷にヒュっと熱いアルコールが染み渡り、当店はバーだけでなく、カキ氷屋としても大成することでしょう。

お会計はふたりで7,000円チョイ。妙に安いと明細を眺めると、チャージは驚きのひとり500円でした。このハードルの低さは最高ですねえ。繰り返しお邪魔することに決定。「チョー楽しかった!今夜はあたしに払わせてくださいね」片目をつぶりながら手早く支払い処理を済ます彼女。

「フィーリングって」彼女は小さく一呼吸置いてから静かに語り出す。「フィーリングって、あると思います。人と人との親密さは、時間じゃない。○○さんはあたしと相性ぴったり」

夏はこれからだ。


このエントリーをはてなブックマークに追加 食べログ グルメブログランキング

関連記事
東麻布におけるオススメのお店をまとめました。東麻布は歩いてすぐそこの麻布十番に比べてリーズナブルな佳店が多いですね。
  • ローブ ←麻布界隈、いやむしろ都内でもトップクラスに好きなお店。
  • ラ リューン ←クラシックで美味。高くない。
  • ラメンサ ←ランチのカレーが絶品。テラス席でビールを飲む幸せ。
  • ゑびすや魚店 ←東麻布で100年近く続く魚屋が、魚屋料理とお酒を楽しめる居酒屋を営業
  • 旬菜本多 ←リーズナブルな和食。感動は無いけれど満足。ランチが超お得。
  • 蘭麻 ←夜は1万円超えの高級店ですが、ランチは1,000円代。追加料金でお願いできるカレーが最高に美味。
  • ビストロチック ←ランチのパスタが美味しい。店員同士が仲良さそうで微笑ましい。
  • Mixology Bar Source 2102 ←コーヒーカクテルが絶品。こんな美味しいカクテル飲んだことありません。
  • 麻布十番グルメまとめ ←ほぼ毎日、麻布十番で外食しています。その経験をオススメ店と共に大公開!
東京カレンダーの麻布十番特集に載っているお店は片っ端から行くようにしています。麻布十番ラヴァーの方は是非とも一家に一冊。Kindleだとスマホで読めるので便利です。

関連ランキング:バー | 赤羽橋駅芝公園駅麻布十番駅