北陸で20万円食べる旅

北陸地方はミシュランガイドが発売され、ゴ・エ・ミヨでも初版から特集されるという美食の地。北陸新幹線が開通し東京からのアクセスが大幅に改善し、日帰りでも楽しめる距離となりました。
さて今回は実家が金沢にある後輩、ならびに東京のグルメ仲間と3人で(現地で妹さんとも合流するので厳密には4人)、北陸の美食処を巡ります。


■太平寿し(たへいずし)/野々市
http://www.takemachelin.com/2018/02/tahei.html
記念すべき第1食目。食べログ4.28で石川県ランキング第1位(2018年2月)、北陸地方ではトップクラスに有名な鮨屋です。とにかくアクセスが悪く、私はJRの松任(まっとう)駅からタクシーで向かいました。詳細は別記事にて。


■にし茶屋街/金沢
https://tabelog.com/ishikawa/A1701/A170101/17009312/
金沢が誇る茶屋街のひとつで、ひがし茶屋街(後述)に比べて人通りが少なく落ち着いた雰囲気です。規模は小さいもののギャルが着物をレンタルしてインスタするならこっちのほうが良いかもしれません。
何故かカカオ・サンパカ(バルセロナに本店を構えるスペイン王室御用達のショコラテリア)が。謎の出店計画である。


■兼六園/金沢
http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/
岡山市の後楽園と水戸市の偕楽園と並んで日本三名園の一つに数えられている兼六園。『ミシュラン観光ガイド』では3ツ星に選ばれています。私はこれまでに訪れたことはあるのですが、雪の季節は初めて。
やはり雪というトッピングが素晴らしいですね。天気も良く、ここまで絵になるタイミングも珍しい。私の人生は全てうまくいく。


■金沢21世紀美術館/金沢
https://www.kanazawa21.jp/
若い女性にカルト的な人気を誇る金沢21世紀美術館。が、私はあまり好きじゃありません。とにかく従業員のオペレーションが悪く、大した人数が並んでいるわけでもないのに入場券を買うだけで数十分の時間を要します。
写真を撮って良いのは自慢のプールだけであり、その他は全てNG。各展示室にいる係員は万引き犯でも見るような目付きで客ひとりひとりを睨め付け、常に監視されているような居心地の悪さ。加えて展示品は前衛的過ぎて素人の私には理解に苦しむ。前回お邪魔した際もピンと来ませんでしたが、何でこんなに人気があるのでしょうか。


■ひがし茶屋街/金沢
http://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/spot_search/spot.php?sp_no=85
浅野川の川岸。美しい出格子がある古い街並みが残っており、『ひがし茶屋街』と呼ばれています。今にも寺田屋事件が起きそうな風情があり、JDが着物を借りて写真を撮り合っているのが微笑ましい。飲食店は観光地価格なのであまりオススメできません。地元民はまず来ることはありません。



友人と合流するまでの時間つぶしに。金沢はwifi完備のカフェが皆無ですね。これは回線の取り合いになるだろうと覚悟してスタバに訪れたのですが、PCをいじってるのは私ぐらいで、ほとんどの客が試験勉強中のJKでした。

私は家で美味しいコーヒーが安く飲めるので、カフェにお金を費やすのにひどく抵抗を覚えるのですが、金沢のJKは500円もするコーヒーを気軽に飲めてすげえなあ。

そういえば先週大阪を訪れた際も、wifi完備のカフェが少なく難儀しました。というか、ノマドっぽく普通にパソコンに接すことができる地は日本では東京だけなのかもしれません。


■一献(いっこん)/片町(金沢)
http://www.takemachelin.com/2018/02/ikkon.html
地元民と合流し、金沢イチの繁華街、「片町」から1本入った路地に佇む雰囲気のよい一軒家レストランへ。ミシュラン2ツ星です。「あれは金沢でもトップクラスの美女ですねえ」に邂逅できた嬉しい誤算。詳細は別記事にて。


■照葉(てりは)/ひがし茶屋街(金沢)
http://www.takemachelin.com/2018/02/teriha.html
2次会にひがし茶屋街のワインバーへ。畳敷きのちゃぶ台でノスタルジアを感じさせます。色々な事情があって、私が整形手術をする際には、まず最初に高須クリニックの扉を叩くことを心に決めた夜でした。詳細は別記事にて。


■友人宅
今回の旅行においては、友人の実家に図々しくも2泊させて頂きました。初日の夜、彼は早々に寝てしまったのですが、私はお母さんと妹さんと朝の4時まで飲んでました。

色々な事情もあって彼のお父さんの職場やお母さんの職場にもお邪魔し、彼らの同僚と雑談し、コタツに入れば妹の恋愛相談にも乗るなどの溶け込みっぷり。事ある毎に「アイス食べる?」と、さすがアイスクリーム消費量が日本一の県である。


■小松弥助/金沢
http://www.takemachelin.com/2018/02/yasuke.html
『東の次郎、西の弥助』。日本の鮨を語る上で外せない二大巨頭の一角にお邪魔してきました。

このお店の一番の魅力は大将の人当たりの良さですね。都内の勘違いした鮨屋の威圧感とは対照的に、我々のような若造も気持ちよく食べ進めることができる雰囲気づくり。ヒーロー願望は微塵も感じられず、『真心でにぎる』を体現する86歳。タフで無ければ生きられないが、優しく無ければ生きる資格は無い。ああいう歳のとりかたをしたいなあ。詳細は別記事にて。


■スターバックスコーヒー 富山環水公園店
https://tabelog.com/toyama/A1601/A160101/16000827/
立地ならびにライトアップで有名なスターバックスコーヒー 富山環水公園店。平日昼間だというのに大混雑。天気が良く温かい日だったので、外でくつろぐぐらいでちょうど良かったです。

「お鮨食べておなかいっぱいになって、ポカポカ温かくって、ありがたくなってきましたね~」と、友人の妹。ありがたく?どういう意味?「ああ、金沢弁では『サンキュー』ではなく『ハッピー』の意味なんです。この場合、おなかいっぱいで眠くなってきた、ぐらいかな」金沢弁はちょっとダサい関西弁のようなイントネーションであり、大阪出身の私としては聞いていて心地よく親和性の高い言語に感じました。


■リバーリトリート雅樂倶(がらく)/富山
http://www.takemachelin.com/2018/02/garaku.html
富山駅から車で40分のスモールラグジュアリーホテル。「川のほとり、アートの宿」がコンセプト。ダンボール製造や環境事業を手がける「アイザックグループ」の経営であり、鄙びた温泉地である「春日温泉郷」を大胆にリノベーションし、全国から人が訪れる名所に生まれ変わらせました。詳細は別記事にて。


■レヴォ(L'evo)/富山
http://www.takemachelin.com/2018/02/levo.html
日本初のゴ・エ・ミヨにおいて、今年のシェフ賞2017を受賞した谷口英司シェフが統べるメインダイニング。人里離れた場所にありながら、日本いや世界でもトップレベルのフランス料理店です。詳細は別記事にて。


■白えび亭/富山
http://www.takemachelin.com/2018/02/siroebi.html
富山県の三大海産物と言えば、白えび、ブリ、ホタルイカ。今回は富山湾の海底谷「藍瓶(あいがめ))」に群泳する白えびがターゲット。鮮度の劣化が激しいため、獲れたものを即座に地元で消費するしかないそうな。詳細は別記事にて。

■いろは本店/ 射水(富山)
富山ブラックをご存知ですか?富山県富山市発祥のご当地ラーメンであり、郷土料理というわけではないのですが、近年マスコミに取り上げられて一気にスターダムにのし上がったカテゴリです。詳細は別記事にて。


■松井秀喜ベースボールミュージアム/金沢
http://www.hideki.co.jp/index.html
私は野球というスポーツが結構好きで、好きな選手はダントツで松井秀喜です。ひとりでNYまで行き、2日連続でヤンキー・スタジアムまで応援に行ったこともあります。その松井選手の、少年時代からメジャーリーガーまでの軌跡をたどることができるミュージアムへ。ボルドーのちょっとしたシャトーのような建造物。
少年野球時代からのトロフィーや賞状などが全て保存されており、どちらかというとお父さんお母さんが凄い。小学校時代は柔道や相撲など、ありとあらゆるスポーツ大会で優勝しており、やはりできる人は何をやってもできる。
スポーツ選手としての功績は当然として、やはり彼には人間的な魅力があります。私が松井ファンだと石川の人に伝えると、皆一様に目を細め、「それはいいことだ。彼は人間ができている」と、バットマンとしての一面よりも、人格を褒めることが多い。そういう人に、私はなりたい。


■すし処 めくみ/野々市(石川)
http://www.takemachelin.com/2018/02/mekumi.html
ご存知のように金沢には『金沢鮨5大シャトー』と呼ばれるカテゴリがあり、小松弥助、太平寿し、めくみ、乙女、志の輔が揺るぎない地位を確立しています。今回はミシュラン二ツ星である「すし処 めくみ」へ。詳細は別記事にて。


■SHÓKUDŌ YArn(ショクドウ ヤーン)/小松
http://www.takemachelin.com/2018/02/shokudo-yarn.html
オーナー夫妻はなんとあの、エル・ブジ帰り。テロワールや地産地消にこだわり、食材のほとんどが石川県産のものであるのが素晴らしい。料理はアクロバティックなものが多いですが、素材の良さはガチホしており、ここまで完成度の高いイノベーティブな料理は東京でも珍しいでしょう。それでいて飲んで食べて1.5万円ほど最高か。このコンセプトをそのまま東京に持ってきても、酒を含めて5万円請求しても成り立つ成熟度を感じます。詳細は別記事にて。


■次回予告
3泊4日の北陸グルメツアーもこれにて終了。なんだかんだで20万円以上使ってしまいましたが、世界トップクラスの鮨・和食・フランス料理・スペイン料理を楽しんでこの価格なのだから安いもの。しみったれたハワイ旅行なんかをするよりは余程良いお金の使い方でしょう。

今回食べ逃したのは「乙女寿司(金沢鮨5大シャトーの一角)」「樂味(リバーリトリート雅樂倶の和食)」「山崎(ミシュラン3ツ星)」あたり。次回はこれらを主軸に、安くて旨い鮨屋を巡りたいと思います。食道楽はこの指とまれ!


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。