ホルモン在市/月島


ディズニーランドからの帰り道、連れが「きちんとしたものを食べたい」と言って聞かないので、大江戸線への乗り換えついでに遅めの夕食を取ることに。
人気の焼肉屋「在市(ざいち)」へ飛び込むと、店員全員から露骨に迷惑そうな顔をされる。いや、確かに22時と遅い時間ではありますが、公式Facebookページに「営業時間:17時~翌1時」と記載しているのは貴方たちでしょう。

厨房での従業員会議の後、明らかにシブシブとした態度で入店を認められました。何人かの店員は舌打ちでもしかねない態度です。いや、入れると決めたのはあんたたちなんだから、そこは腹を括りましょうよ。往生際が悪いなあ。
お通しのキャベツサラダ。大葉が入る一工夫がいいですね。ドレッシングもアッサリとした風味で美味しかった。
カウンター席に通されたので、従業員の「あんだよこんな時間に来やがって」という負の感情がダイレクトに伝わってきます。こんなに気を使った外食は「お代は結構ですから悪く書かないで下さい」とシェフに懇願された話ぶりである。
上タン塩。味は悪くないのですが、ペラペラと薄く食べ応えがありません。1,500円であればもう少し頑張って欲しいところです。
九条ねぎホルモンセット。
塩とコショウがベースの味付けに種々のホルモンがゴロゴロ。
九条ねぎの気前の良さも天晴れであり、このボリュームで1,700円は極めてお得です。
名物の「ごちゃまぜ焼き」。カルビ・上ミノ・テッチャン・ホソ(マルチョウ)を味噌ダレと合わせ、ごちゃごちゃにして焼くものです。
最初の数口こそ美味しく感じるのですが、ペタペタと甘いタレとギトギトの脂に途中から胸が焼けてきます。30代ふたりであればハーフサイズで充分。

〆の炭水化物に「ごちゃまぜ焼きそば」を注文。すると、当店において最も態度の悪い店員が「ごちゃまぜ焼きと同じ味ですよ?」との一言。

時が止まりました。開いた口がふさがらないとはこのこと。同じ味だから何だと言うのだ。むしろ鍋からのおじやとか、すき焼きからのウドンとか、同系統でまとめるのはこの世界の定石ではないか。

仮にどうしても味変を勧めたいのであれば、「味付けが似通っているので、他のサッパリした麺類のほうがオススメですよ」のように、もう少し言い方というものがあるだろうチョコチップクッキーみたいな顔しやがって。
同じ味でも構わない、と伝えたのち、数分後に供されたのがコチラ。全然味違うから!紅茶とコーヒーぐらい違うから!確かにベースは似通っていますが、焼きそばにはスパイスが大量に用いられており、つまり普通に旨いのである。味のわからない同僚に「同じ味」と断罪された料理人が気の毒でならない。
食後のデザートはサービスのプリン。これが望外に美味しく、デパ地下で売られているスイーツと遜色ない味わいです。

徹頭徹尾居心地の悪い夕食であり、結果、1時間も経たずに退店しました。長っ尻している他の客よりも余程われわれはイージーな客だったでしょう。

味は中くらい、値段は中の上、接客は最低という興味深い焼肉屋です。これは我々の訪問時間に因るものかとネット上の口コミで復習してみると、やはり接客態度に対する苦言が多い。

私は焼肉屋の接客に多くは求めず、ファミレス、いや吉野家レベルで充分だと考えています。普通でいい。しかしその普通レベルにすら当店のサービスレベルは達しておりません。

日常生活において私は感じの良い人ばかりに囲まれており、こういう威圧的でネガティブな感情に接するのに慣れていないんですよね。どのようなライフスタイルに基づけば今回のような文化的スラムに陥るのか。反面教師。接客の重要性を再確認した一夜でした。


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それほど焼肉は好きなジャンルではないのですが、行く機会は多いです。有名店で、良かった順に並べてみました。
そうそう、肉と言えばこの本に焼肉担当として私のコメントが載っています。私はコンテンポラリーフレンチやイノベーティブあたりが得意分野のつもりだったのですが、まあ、自分の評価よりも他人の評価が全てです。お時間のある方はご覧になってみて下さい。

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