生産者指定BBQ/弁慶果樹園


「BBQを本気でやりませんか?」という挑発的なお誘いを受けて、湘南台からタクシーで10分の弁慶果樹園へ。
巨大な温室?みたいな建物の内側がBBQ会場です。もちろん屋根つきなので雨でも問題ありません。別の建屋に清潔なトイレもあり、女性でも快適に過ごすことができるでしょう。

我々は25名ほどのグループですが、他にも3~4グループが非日常を楽しんでいました。
みのりファーム池澤さんのオーガニック野菜たち。そう、本日は全てが生産者指定のBBQなのです。
こんなにノワールなピーマンを初めて見ました。ナスみたい。
一方で、こちらはマスカット色のピーマン。この色づかいはレストラン間のようなカラフルな料理に提案するとウケるのではなかろうか。
安全で新鮮な野菜たちがスティックに早変わり。バーニャカウダソースをたっぷりつけて、即席の酒の友。
宮治勇輔さんのみやじ豚ロース、みやじ豚の生ソーセージ。なんてキレイなピンク色!
非常に透明感のある肉質であり、臭みが全くありません。脂身がクリーミーで、肉の旨味と脂の旨味を同時に楽しむ食材です。
大森圭さんが神経〆したアナゴ。これは旨い。ホクホクほろりと解ける食感。何も味付けしていないのにそのまま楽しむことができるアナゴの味わい。アナゴの味ってわかってますか?ツメの味じゃないっすよ!と通りすがりの誰かを説得したくなるような美味しさです。
菊芋を生で食べるのは初めて。シャキシャキとした大根のような食感で、清らかな味わいでした。ゆうべラール・エ・ラ・マニエールでブルーテを楽しんだばかりで、それは見事な味わいでしたが、このように直接的に味わうのも面白いです。

ドリンクは持ち込み制だったので、我々のグループはワインひとり1本を持参し、駅前のコンビニでビールを買いました。
こちらはサンジョベーゼの泡という面白いもの。自宅から90分以上もかかるのに、保冷バッグと氷で参戦するのはさすがのソムリエールの矜持です。「本当はグラスも持って来ようかなと思ったけど、ひかれるかなって」私はひきませんが、周りのワイン関係者じゃない人はひくと思います。
巨大な肉塊。このような肉を見たのはロッキー1以来です。肉を扱う手つきが完全に玄人。
小籠包ソーセージ。思わず笑みがこぼれるネーミング。その名に違わず溢れ出る肉汁。本日のBBQを突き詰めると、ソーセージが一番美味しかったような気がします。
鮫川村の酪農家、清水大翼さんのジャージー牛。わお、ジャージー牛って食べることできるんだ。
スペインのオレンジワイン。きちんとソムリエナイフを持ってくる点に尊厳を感じます。
ピュアな肉質。牛肉とは思えぬほど純粋で不思議な感覚。
肉そのものの味は薄いので、強めに塩コショウして少しマリネすると通なオツマミの完成。
すんません私のワインは安物です。だってプラコップで飲むんだから良いの持ってきたらもったいないと思って(言い訳)。
みやじ豚と小樽地鶏のハンバーグを焼きつつ、
これまた小樽地鶏の目玉焼きを乗せて、
旅するパン屋、塚本久美さんのバンズで挟みます。幹事に直接材料費を聞いたところ、1個600円ということでした。リッツカールトンのWOWバーガー13,000円(税サ別)に近いものを感じます。
事件発生、我々の用意したワインが全然知らん40~50代のオッサンに勝手に飲まれようとしています。「それ、僕たちが持ってきたワインなんですけど」と指摘すると、「あ!そうでしたか?あっはっは」と、しらばっくれる。どのような人生を歩んでくればこのような振る舞いができるようになるのか。魂の貧困を目前にし、いたたまれない気分になってしまいました。
誕生日プレゼントとして24ヶ月熟成のコンテを頂きました。これはおうちに帰ってじっくりと味わせて頂きます。
野田のトマト農家の方のトマトソースが飛び切り旨く、「車に何本か積んであるんでお分けできますよ」とのことだったので、即金で3本購入。おうちに帰ってこれでプレーンなパスタを作るんだ。「あ、せっかくなんで、駅まで乗っていきます?」とのありがたい言葉。なんか良い1日。

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やはり夏はBBQです。ただし準備とか場所取りとかはやりたくない。その問題をお金で解決した記録をまとめました。BBQの良いとこ取りをどうぞ。
そうそう、肉と言えばこの本に焼肉担当として私のコメントが載っています。私はコンテンポラリーフレンチやイノベーティブあたりが得意分野のつもりだったのですが、まあ、自分の評価よりも他人の評価が全てです。お時間のある方はご覧になってみて下さい。


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ターチ/麻布十番


ご近所さんより「夜の予定なくなったからゴハンどう?ターチ行ってみたい」とのお誘い。当日でも予約できましたが、実際に入店してみると常に満席だったので、事前に予約しておいたほうが良さそうです。
薄い薄いグラスに肌理の細やかな泡のオリオン生。心から美味しい。
お通しは石垣牛のレバーにニラ。パワフルなハンバーグのようで肝臓が漲ります。
島らっきょう。クリアでクセがなく、沖縄で食べたどのらっきょうよりも美味しかった。
海ぶどうは標準的。
石垣牛のタルタルサラダ。これはサラダではなく完全に肉。
不思議な食感です。ルイベのようにちょっと凍っているのかクリスピーな歯ごたえ。卵も程よい硬さであり、種々の薬味も含めてジャクジャクと塊の残るスナック菓子のような味わいでした。
連れはシークワサーサワーを注文。ひとくち頂きましたが、シークワサーがたっぷりと含まれており柑橘の極み。甘さが気になるものの、中々に美味。
骨抜きテビチの唐揚げ。たっぷりのタレも含めてこれは絶品。ギトギトした脂身を更に油で揚げるという悲鳴をあげたくなる調理ですが、テビチの風味がよりいっそう際立っていました。テビチって骨が邪魔でしょうがない食材なので、この調理法は大正解。
周りのどのテーブルも注文していたので、うっかり釣られてゴーヤチャンプルー。これは至って普通であり、ウチのオカン級です。もっと肉を増やしてコクを与えたほうが好き。
首里そば。大サイズを注文したのですが、沖縄で食べるごくごく普通のサイズです。麺がヤワヤワであまり好きじゃありません。スープは悪くないけれど、もっと魚介のダシをガツンときかせた方が私好み。肉はすごく良い。八角がたっぷりときいており、バクテーのような味わいです。

後で明細を見てびっくり、このソバお値段1,200円。世界一高い沖縄そばに認定ガチしょんぼり沈殿丸。

連れと2杯づつしか飲んでないのにお会計は10,000円を超えました。これは高いなあ。あと3割は安くあって欲しいなあ。
「もうちょっと飲みたいなあ。あたしのよく行く店いこ!」と連れられたのはギョっとするほど暗い路地。リベルテ・ア・ターブル・ド・タケダの2階、可不可KAFUKA TOKYOでした。このあたり昼と夜で全然雰囲気違いますね。
何ともセンスの良いお店です。客もイケてる女の子ばかり。きちんと食事をすると10,000円を超えてきそうなお店ですが、バーとして利用すると1杯1,000円を切り、チャージもかからないようです。
どちらかというモダンな日本酒が多い印象。薄い薄いワイングラスで飲むと途端にオシャレになりますね。
休暇中にLAあたりでうっかり日焼けをし過ぎ、教育テレビをロックアウトされたムックかと思いましたが、この酒の名は雪男。オニギリあげれば荷物持って道案内してくれる異獣として江戸後期に雪国越後魚沼で活躍したらしいです。

24時閉店っていうのがすごくいい。ダラダラ飲まずにスパっと切り上げることができます。次回は是非、早い時間に食事を含めたフルラインナップで臨みたいと思います。

暗い帰路の道すがら「実は、すっごく嫌なことがあってさ。昨日とか、ショックでほとんど何も食べれなかったんだ」と、連れ。どうして若い女の子は肝心なことを最初に言わないのだろう。何もかもが遅すぎる。10月に冷やし中華はじめましたくらい遅い。

「今夜は急だったのに、付き合ってくれてありがとね。元気でた!またね!」家に着くまであと5分。私にできることは何もない。

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ル モンド グルマン/自由が丘


自由が丘でビジネスを展開している友人が「タケマシュランでよく出てくるスーパーナニワヤって、昔、自由が丘にあった?閉鎖された店舗がずっと残ってて。。。」と怪奇情報を頂戴する。

「あたし、ローストビーフすごく好きなのに、目の前にお店があるのに買えないのが悔しくって」と今にも震え出しそうな彼女。わかった、じゃあ今度買って持って行くから、ついでに自由が丘案内してよ。
な、なんて魅力的な提案。どっちも行きてえ。が、今回はグルメなギャルも合流することとなったので、「自由が丘イチ美味しい!食いしん坊のためのカジュアルフレンチ」を選択です。
数年ぶりの自由が丘。むかーし僕は多摩川(当時は多摩川園!)に住んでいて、恋人が都立大に住んでいて、よく中間のこの街でデートしたので思い入れがあるのです。
なるほどこれが謎の自由が丘ナニワヤ。「もう10年近くこんな状態。人の出入りが無いから、事務所って感じでもないし。。。でも貼り紙は更新されてるの」。誰か詳しいヒト情報ください。
泡で乾杯。安いカヴァなら4,000円代からです。
サラダ グルマン~食いしん坊のサラダ~。サラダというよりはシャルキュトリ(生ハムとかサラミとか)が主体であり、食いしん坊はもとより酒飲みにも効果的なサラダです。

ちなみに我々はアラカルトで注文しシェアしながら食べていますが、当然コースのご用意もございます。自由度が高いお店。
パンは標準的。バターはややコクが浅かったです。
白子のソテー。朝貢に用いられても良いほどの特大サイズです。男性のゲンコツ2つぐらいはありそう。寒い夜にコッテリとした温前菜。食べ物が美味しくなる季節です。
白子にあわせてややコクのあるシャルドネ。良く食べ良く飲む女の子と過ごす時間はいつだって楽しい。
魚料理は平目をオランデージソースで。平目の味わいは当然のこととして、オランデージソースのレベルの高さに破顔一笑。付け合せのチンゲンサイとホウレンソウでたっぷりソースを絡め取り、シャルドネと共に飲み下す。これはフランス料理のとても良い練習問題です。
肉料理は鹿肉とフォアグラのパイ包み焼きを。メルセデスのように事前に3等分してくれるお店の優しさ。
むはあ、コレコレこれが冬のフランス料理の醍醐味です。力強いジビエと快楽的なフォアグラ。旨味を優しく閉じ込めるパイ。今季も良いシーズンとなりそうです。
大迫力のマルベック。パイ包みを食べた後でもあと1杯づつぐらい取れそうだったので、
禁断の肉料理2皿目。牛バベットステーキ エシャロットソース。こちらも野性味溢れる味わいで豪放な一皿でした。「あ、パンおかわりくださーい」と頑強な胃袋を持つ女。
アニスのグラニテで〆てごちそうさまでした。

久しぶりに「手を繋ぐのが先かチュウをするのが先か」論争について意見を求めると、「手を繋ぐのも、キスをするのも、セックスをするのも、どれも同じ」という驚天動地の回答。

さすがにそれは審査がユルすぎるのではないか?サラ金でももう少し厳しいぞ?と追求の手を緩めない私。「それぐらい手を繋ぐって行為を大事にしてるってコト」と、わかったようなわからんような説明ではぐらかされました。

しかしその後は「酔っ払ってイエーイみたいなカンジで肩を組むのはしょっちゅう」「腕は割と誰とでも組める。雨の日の相合傘ならなおさら」「あー、酔っ払ってたら手ぐらい繋いじゃうかも」と、妙にドキドキする話になってきたところで閉店。

楽しく全く実りの無いおしゃべりカーニバルでした。次回はもちろん「知られざるディープな自由が丘ツアー」です。お楽しみに。

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