木屋/市役所(名古屋)

創業は江戸時代と、名古屋でも屈指の老舗です。タレは当時からの注ぎ足し。
お昼少し前にお邪魔しましたが、客の入りはまだまだ。市街地の有名店に比べて並ぶ必要が全くないのが嬉しい。
シンプルなメニュー構成。上おひつまぶしを注文。上だと肝吸いがつきます。

ネット上には「25分待った」「40分以上待った」などのクチコミを見かけましたが、私は注文してから10分程度で到着しました。タイミング次第なのかもしれませんが、時間に余裕を持ってお邪魔したほうがよさそうです。
まずは肝吸いを一気飲み。1ヶ月で10セットのひつまぶしを食べてようやく学んだのですが、鰻料理を食べる際には最初に肝吸いを味わうのが良いと思います。デロデロのタレで舌がバカになる前に繊細な料理を味わう。良く考えれば当たり前のことなのだけれど。
鰻は一分の隙も無い完璧なカラーコーディネート。福づちのように事前に海苔がまぶされているよりも、当店の、これが鰻だと言わんばかりのプレゼンテーションのほうが私は好きです。
鰻はバリバリに焼いたというよりも、軽く炙った程度です。身には適度な弾力性があり、モチモチとした歯ごたえが食べる歓びを掻き立てる。

くろぎで食した天然鰻とまでは言いませんが、方向性は確実に同じであり、つまり、とても美味しいのであった。
2杯目は薬味をのせて。香りがしっかりとした海苔であり、ネギも新鮮。
そうそう、ゴハンも硬く丁寧に炊かれておりナイスガイ。玄米で仕入れ店で精米し、釜で炊いているとのこと。
 漬物はまあ普通。
3杯目はお茶漬けで。当店のタレはデロデロに濃いというわけではないので、お茶漬けにすると味がぼやけてしまったような気がしました。
出汁の量は他店よりも少なめなので、バランスを取りながら注ぎましょう。
4杯目もお茶漬けに。味のぼやけもさることながら、鰻の身の弾力性も少し失われてしまった気がします。そういう意味で、当店では鰻丼を食べるほうが良いのかもしれません。

ともあれ、待つことがなく、ちょっと高いけれど、それを気にさせないほどの味があるお店でした。我が心の名古屋うなぎランキング暫定1位です。なんだか毎回1位と言っている気がしますが、そのへんは割といいかげんな私です。

そろそろ名古屋うなぎマップでも作ろうかな。



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