Hills DAL-MATTTO/六本木


ヒルズダルマット。そこそこオシャレで安くて美味しいコース料理にワイン飲み放題という優良イタリアン、ダルマットグループがついに六本木ヒルズに進出です。
迷い無く90分1,500円で飲み放題を注文。当店は他店に比べると縛りが緩く、アラカルトを1品でも注文すれば泡フリーフローをお願いできるとのこと。また、案内書には「平日は21時まで、休前日は22時まで」といった細かな制約が記載されていましたが、時間が過ぎても全くうるさいことを言わずドンドコドンドコ注いでくれたのが嬉しかったです。
コースもありましたが、遅い時間だったので、アラカルトで数品注文して皆でつつき合う戦法。まずは鶏レバーとフォアグラのムース。ムースがアイスクリームのようにキンキンに冷やされており味が解かり辛い。少し時間を置いてから臨んだほうが良いかもしれません。
大山鶏のスモークとフォアグラのテリーヌのカルパッチョ仕立て。旨味の強い鶏肉に薫香を添加。フォアグラの滑らかな舌触りがアクセントとなり、本日一番のお皿です。ただ、緑に元気が無いというか、全体的な作り置き感が否めません。
山形牛の低温ロースト、カルパッチョ仕立て。料理名は大層立派ですが、味わいはスーパーののローストビーフと大差なし。また、先と同じく緑に元気がなく注文して3分ぐらいで登場するあたり、ファミレスを想起させる料理スタイルです。
トリュフ風味のフライドポテト。これは安心できる美味しさ。トリュフの香りとポテトの塩気をツマミに何杯でも酒が飲めてしまいます。
スペシャリテの季節のフルーツ冷製パスタ。もちろん果物は旬の桃。なのですが、桃に深みは無くパスタのメッセージ性も希薄であり、3日もすれば忘れてしまいそうな味わいでした。これで単品1,600円は割高。ちなみにこのパスタが入るコースは6,000円。泡とセットで税サ込だと10,000円近くする計算で、それならもっと哲学のあるレストランに行っちゃうかなあ。
5種のチーズを使った濃厚クリームリゾット。めちゃくちゃにアツゥイですが、きちんとアルデンテに仕上げられています。味付けもはっきりしておりグッド。
生ウニのパスタを食べ比べ。乾麺バージョンは普通。そりゃあウニだし美味しいよね、と言ったところ。
他方、たった生麺は乾麺と段違いに美味しい。しっかりとした噛み応えに跳ね返るかのような弾力。小麦のふくよかさ。「生ウニのパスタ」と料理名だけ見ると同じですが、その実力は段違いです。

アラカルトをチョコチョコとつまんで泡飲み放題にして、ひとりあたり6,000円程度。うーん、ヒルズでの食事という意味ではこんなものでしょうか。でも立地を考慮外とした場合、このファミレス的な味わいで6,000円は高いなあ。



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