VINOBLE/溜池山王


ヴィノーブル。先日お邪魔した際はオープン直後であったのでサクっとおいとましましたが、今回はワイン仲間と3ヶ月前より予約してフルラインナップで臨みます。ちなみにパーティは男子1女子4の5名体勢。グータンヌーボをライブで見る気分。
ヴァージンオイスター。生まれて一度も卵を産んだ事がない牡蠣です。甘味が強くピュアな味わい。あと10杯食べれる。
シャルキュトリ盛り合わせ。ラムのサラミって初めて食べたかも。羊特有の臭みは殆どなく、旨味が滑らかな逸品。個人的にはベーコンがマジで美味しい。燻製の香ばしさが力強く、やはり食事は香りと共に味わうものだと実感。小体なお店なのにここまで自家製で追求できるっていいなあ。
生がきは正午から時計回りにサウスカイパラ、屈指、大黒神島、先端。サウスカイパラは塩気が強くパンチのある一口。屈指はごくごく小さな身体であるのに旨味が凝縮されており、今日の牡蠣で一番好き。大黒神島は瀬戸内海にある無人島のことで、生活排水から隔離された清浄海域であり洗わずとも安全。海水がそのままソースに。先端は欧米のオイスターバー文化への挑戦。かなわ水産の新ブランドでありリーズナブルな価格設定。柔らかくて小ぶりな若い殻にコロンと収まる立体的な身が可愛らしい。
ソースをいくつか用意して下さったのですが、私は全て何もつけずそのまま頂きました。牡蠣そのものの味が濃い場合はソースつけない主義です。
もう少し牡蠣行こうということで追加発注。広島、先端、オイスターベイの3種。
「本日一番の牡蠣!」と紹介を受けた広島を快く譲る私はクールである。食べてないので味は不明ですが、プクーと膨らんだ身の厚さに譲ったことを少しだけ後悔。
自家製のライ麦パン。密度が高く濃厚な噛み応え。麦のみっちりとした味わいが手に取るように伝わってきてとても良いです。
菊芋のヴルーテに炭火焼のフォアグラ。菊芋は自前の畑のもので、とろりとした食感の奥底に感じる繊維質。フォアグラは余分な脂は排除されており、一方で炭火の香ばしさがプンプンと迫ってきます。
登場と共に歓声があがる牡蠣フライ。薄い薄い衣で丁寧に揚げられ、ぷっくりと膨らんだおすもうさんのようなフライです。大口を開けて勢い良くかぶりつく牡蠣のジュースが零れ落ちる。本日一番のお皿です。
トリュフが練りこまれた麺のボロネーゼ(?)。勢いのある肉の味とトリュフの香りが心地よく身体を満たします。
メインは山形牛。魅力的で綺麗な色合いのお肉が大容量サイズです。これは嬉しい。ナイフで切ることなく一口でムシャムシャと頬張り快楽そのもの。
付け合せも立派。ホウレンソウを贅沢につぎ込んで焼き上げたものと
ポテトグラタン!優しく安心した味わいでこれだけで単品料理として成立します。
〆は牡蠣と香茸の焼きおにぎり。牡蠣の出汁で炊いたごはんに幻のキノコを組み込み、自家製牡蠣醤油を塗って炭火で焼き上げます。もう、聞いただけで美味しいでしょう。その通り、美味しいのです。牡蠣のミネラル感と薫り高い香茸が醤油の乾いた塩気に溶け込みます。パリパリの海苔も上質なアクセントとして脇を固め、珠玉の逸品悶絶します。

18時から23時までノンストップで駆け抜けました。のんびりと飲み食いしていたため意識していませんでしたが、写真で振り返るとものすごい量を食べている。牡蠣を中心に胃袋を満たす贅沢なひと時。ハッピーハッピー超ハッピー。

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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。