パラオ ダイビング クルーズ vol.2~美女とヤクザとヒルズ族~

起床すると山田がシャワーを使っている。仕方なくロビーに向かいトイレは無いかとスタッフに尋ねると「その空いてる部屋の使っていいよ」。なんともおおらかな国である。
船会社の方がお迎えに来てくださり、送迎の車に向かいます。

駐車場を歩いていると、山田が突然立ち止まり「タ、タケ、か、かわ」と口をパクパクさせながら指をさした方向に美女2名。同じ船に乗るのです。これは夢の続きでもフィクションでもなく、全くの真実である。
レンジャーステーションに寄り、世界遺産区域への立ち入り許可証を購入します。10日間で100ドル。精神的に割高。ただ、世界遺産として維持していくためはどうしても必要な費用なんですって。ちなみにパラオの人口は約2万人で、7割が公務員らしいです。
桟橋からスピードボートで40分、我らが母船、パラオスポート号に到着。
船内の使用法などの説明を受けた後、遅めの朝食。美女2人、山田、私の4人テーブルです。
ちなみに我々は無理に美女と同じテーブルにつこうとしたわけではなく、彼女たちは先に横並びで食事を始めており、残りは4人グループとおひとりさまという組み合わせであったため、2人組であった我々は仕方なしに美女と食事をしたわけで、平たく言うと不可抗力であり、賢明な読者であれば既にご理解頂けているとは存じますが、あえて冗長な説明をさせて頂きますと下心などは1ミリもなかったことを念のために記しておくでござる。

しかし対面でじっくりお顔を拝見すると、ますます美女である。ごく控えめに評するとすれば森保まどかと長澤まさみの組み合わせ。

食事を共にしているのだから、マナーとして仕方なしに会話する。実は彼女たちは本船に宿泊するわけではなく、本島のホテルに宿泊しており1日シュノーケリングツアーへ参加するだけであるため、なんと昼過ぎには本船を発ち更には翌日機上の人となるとのこと。はぁ?てめーらふざけんじゃねーぞ変な気ぃ持たせやがってこっちは夕食後に談話室で軽く飲みながらキャピキャピおしゃべりして、あ、もうこんな時間だまた明日ね、おやすみ〜おはよう、今日もいい天気だねわワアすごおいこんな大きなお魚見たことない、あ、でも夢中になっちゃってエア切れごめんちょっとオクトパスちょうだい、でもちょっと吸いづらいからアナタが吸ってる方ちょうだい、ううん間接キスとかそういうんじゃないよバカわかるでしょ?ばんごはん美味しかったね星がキレイみたいだよデッキ行こうよわあキレイ、そろそろ気持ち悪くて女性読者が減る恐れがあるのでこの辺でやめときます。
私に割り当てられた部屋。空いているとのことで、贅沢にもふたり部屋をシングルユースさせて下さいました。
海と共に眠るのって大好き。今年は小笠原へも行ったし、船に恵まれた1年です。
さて、ブリーフィングも済み海へ。預けていた器材は全てスタッフがセッティングしてくれるので超ラクチン。
1本目はジャーマンチャネル。マンタの名所。なのですが、海底で20分近く待った挙句に空振り。仕方なしに移動するとギンガメアジの大群に遭遇。ここまで来るとなんやわからん多すぎて気持ち悪い。
まるで一匹の大きな生き物のようにも見えてきます。
ランチはおそば。もちろん日本で食べるそれと同等というわけにはいきませんが、海外で食べるもの、ひいては船での限られた仕入れと厨房で作られるものとしては上出来だと思います。
2本目はダイビング界のエベレスト、ブルーコーナーへ。水深数百メートルであるため、気を抜いて墜落してしまうとあっという間に海の藻屑となってしまう。
そんな我々の非力さをあざ笑うかのような魚の群れ群れ群れ。
サメ。うーん、シルエットがカッチョええ。サメはジョーズの影響で水のヤクザのように捉えられていますが、人を襲うサメなどごくごく一部なのです。
ちなみにこの時、我々は激流の真っ只中。カレントフックという、ヒモ一本で岩場に身体を固定し流れに身を任せ、凧のように海中を漂っているのです。
おやつの時間はサンドイッチ。船旅はカロリーを摂取させるのがおもてなし、という傾向がある。
3本目はニュードロップオフ。エントリー直後に亀がいました。
それにしても魚だらけである。海洋資源が枯渇しつつあるとか、全くもって信用できない。
塩焼きにしたら美味しそう。
再び亀。やはり泳いでいる姿がサマになりますな。
3本目も大満足でした。
夕食前に1日の写真を振り返っていると、最初に目に付いた大物はやはり美女ふたり。
これはダイビング出発前のイエーイ的なノリの際に仕方なしに同じフレームに収まったものなのですが、今回の旅行中、我々ふたりがここまで見事な笑顔を記した写真は後にも先にも見当たりませんでした。
夕食はデッキでBBQパーティ。
ビールは3ドルでの提供と良心的。パラオの地ビールなのですが、南国でアンバーエールを造っているとはね。
ピザは生地からこねているとのこと。本船で提供される食事に冷凍食品は一切使用しておらず、料理人の矜持を感じます。
パスタの麺がグダグダなのはご愛嬌。
驚きはデザートのレモンチーズケーキ。ハイハイどうせ死ぬほど甘い海外のアレでしょ一口食べてポイだな、と思いきや、なんとも上品な甘さとチーズのコクを備えた絶品であり、原宿あたりのバカみたいなケーキ屋の数段上である。いやはや恐れ入りました。大満足でごちそうさまでした。
食後、私はこの記事を書いており、山田は帰国後の仕事の書類の下書きを開始。洋上であるため当然にネットには繋がらないのですが、仮にネットに繋がったとしたら、このような生活スタイルもありかもしれません。
「なあ山田、俺たち、リア充じゃね?昼間はダイビングして夜は仕事してさ」「ええ、この船、欲しいですね。買うといくらですかね」あな恐ろしや、ヒルズ族は発想が斜め上である。

「パラオ ダイビング クルーズ」シリーズ目次


関連記事
旅行が好きです。油断するとすぐに旅に出ます。楽しかった大型旅行の先頭記事をまとめました。リンクに飛んでから、順々に次のページをめくって頂ければ幸いです。