ボタニカ/六本木

ミッドタウン4階、ひらまつ系のイタリアン。
 入店するとズラりとバギーが並ぶ。そしてパーティションで区切られたエリアに、お子様がたくさん。ワーとかギャーとか叫んでいます。当店は子連れウェルカムという方針。
 パンとホイップバターは普通です。
 鴨と冬瓜と水茄子。不味くはないのですが、一体感がない。ピンセットでパパパと盛り付けてエイヤとソースをかけただけの品。
 ウニとポルチーニ茸のカルボナーラ。旨味の多重奏。どう考えても美味しいですね。間違いありません。もう少し卵黄をキツくローマ風にしたほうが私の好みなのですが、それは人それぞれでしょう。
 メインは豚のロースト。見た目ほど脂っぽくなく、一方で塩気がビシっと効いていました。可もなく不可もなく。
ティラミスは面白い。いわゆるティラミス味のジェラートにマスカルポーネが効いたクリームを載せている?ナッツやビスケット(?)の多彩な食感も楽しい。味だけで評価してもわかり易く良い。本日一番の皿でした。

値段相応といったところでしょうか。まあ、こんなもんか。そんな感じ。文句はないけれども感動もない。ただ、窓の大きさや採光の良さ。サービスの的確さを考えれば、週末の昼にのんびりと、ちょっと美味しいものを食べるには良いお店だと思います。

それよりも、やはり子連れに優しいのがポイントですね。この雰囲気で子連れOKな店は珍しいので、ママ友が殺到しそう。しかも平日コースは2,500円だと。うまく街を見極めているお店だと思いました。

ただ気をつけて欲しいのは、子連れOKであっても、ラフな服装まで認めているわけではないという点。見ているほうが恥ずかしいほどだらしないナリをした家族が、他の客から養豚場のブタでもみるかのように冷たい目で見られていました。


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ひらまつ関連のお店にはかなり行きました。全般的に「外さないレストラン」で安心できるのですが、たまにハズレもあります。

「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。





http://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13037347/

慈久庵/常陸太田

竜神バンジーに行く際、近くに良い食事処はないかと食べログさんで検索すると、常陸のド田舎という立地にもかかわらず、3.80を叩き出す蕎麦屋を発見。

どうやら東京の蕎麦屋でずっと修行して独立開業までしていた方が唐突に店を閉め、地元である当地に戻って自ら蕎麦を栽培しているらしいです。いろんなグルメ雑誌にも載っている。「焼畑農法で自家栽培し手刈り天日乾燥したものを石臼で粗挽きに自家製粉しております」とか、こいつ未来に生きてんな。
なんとも不思議な雰囲気の建物。奥には恐らくお店の車であるディスカバリー。ちぐはぐである。
ちなみに駐車場は十数台駐車可能。いっぱいになることはないでしょう。
こんなテラス席があったりと、雰囲気は抜群。
店内はお座敷を含め、50名は入りそう。
ただし、ご主人が1人で全てをこなしているため、回転が異常に遅い。5~6人しか待っていないのに、入店から着席まで20分、注文をするまで10分、食事を待つこと30分。そんな店。
大盛りはプラス550円という強気の価格設定。葱天せいろの大盛りを注文。
入店から80分。確かにうまい。唸るほど美味しい。蕎麦は蕎麦でありそれ以上でもそれ以下でもないと考えていたのに、痺れるほど美味しかった。人生トップクラス。
葱も滋味豊かな甘さでうっとりする。
当然に蕎麦湯も良し。食べ終わるのに20分。そこからお会計をするのに15分と、2時間は見たほうが良いかもしれません。全く時間が読めないので、当店の後に時間厳守を求められる予定を入れちゃ絶対にだめだ。
14時前に退店すると売り切れのお知らせ。11:30オープンで30食ぐらいしか作ってないんじゃないだろうか。。。

なんとも強気なお店です。主導権の全てをお店側が握っている。何も知らずに訪れると激おこぷんぷん丸だと思いますが、予備知識を持ちすんげー待つことを前提条件として臨めば、味は確かなので満足するはずです。

竜神大吊橋、ならびに竜神バンジーのついでに是非どうぞ。



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和食は料理ジャンルとして突出して高いです。「飲んで食べて1万円ぐらいでオススメの和食ない?」みたいなことを聞かれると、1万円で良い和食なんてありませんよ、と答えるようにしているのですが、「お前は感覚がズレている」となぜか非難されるのが心外。ほんとだから。そんな中でもバランス良く感じたお店は下記の通りです。
黒木純さんの著作。「そんなのつくれねーよ」と突っ込みたくなる奇をてらったレシピ本とは異なり、家庭で食べる、誰でも知っている「おかず」に集中特化した読み応えのある本です。トウモロコシご飯の造り方も惜しみなく公開中。彼がここにまで至るストーリーが描かれたエッセイも魅力的。


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竜神バンジー/常陸太田

2014年、日本で最も高所からのバンジージャンプがオープンしました。
これまでの62メートルを大きく更新し、その高さなんと100メートル。マンションだと30階ぐらい。バンジージャンプが盛んな国であるニュージーランドのバンジー会社(?)が日本にて運営。

私はお化けは苦手なのですが、高さやスピードについては不感症。これまでスカイダイビングマジックマウンテン、大磯ロングビーチの飛び込み台でも、まあこんなもんか、ぐらいにしか思えなかった。

さらなるスリルを求めて、人生初のバンジージャンプへ!
モータースポーツ界に属し、世界を駆け巡る友人と共に、いざ茨城県常陸太田市へ。スイス土産にレダラッハのチョコ。嬉しいですねこういう唐突なプレゼント。

東京から当地までの移動は快適そのものでした。運転技術もさることながら、やはりドイツ車のクルージングは安定感があります。「そもそも毎日数百キロを数百キロで移動する前提で設計されているから日本車とは根本的に思想が違う。長距離を走ってこそドイツ車」とのこと。なるほど。
竜神大吊橋に到着。意外にも観光客が多く、バンジーだけじゃないんです。
受付へ。赤フンがいました。結婚式の新郎サプライズビデオ撮影に来たとのこと。
タブレットを用いて保険の契約を行い、
係員にハーネスを装着して頂きます。
ハーネスを着けたまま体重を測り、しっかりと記録。
体重によって宙吊りゴムを替えるので、とにかく間違いがないように、油性ペンで手の甲にも記録。まるで囚人のようである。
よくある土産物屋とレストランがあり、
飛ぶ側の気持ちなどつゆ知らず、間抜けなメニューをご提供。
ちなみに竜神大吊橋は、竜神峡に架かる観光用の歩行者専用橋です。交通としての機能は全くなく、通行料金が安い上に訪れる客も少ないため、大赤字な観光スポット。税金の無駄遣いの代表と各種メディアで槍玉にあげられています。
確かに景色を見るためだけにこの橋は大げさかもしれない。
た、高い。。。
スカイダイビングと異なり、色々と想像できる高さなのが恐怖を掻き立てる。
バンジーなど無ければ風光明媚な場所なのに。ハーネスをつけながら橋を歩くので、ものすごく目立つ。他の観光客からの「お金払って恐怖を買うだなんて信じられない。よくやるよ」という無遠慮な視線にさらされる。
謎の鐘があり、
100円入れたら鳴るとのこと。こういうビジネスセンスって病気ですよね。
恐怖のあまり、少しだけガンダムに見えた。
橋の脇から橋下の特別スペースへ。
ジャンプ台付近の係員は外人だらけ。ニュージーランド本国の従業員なのかなあ。
すごくやめてほしいこういうの。
係員の方がしっかりと足に固定具を装着して下さいます。
飛び方指導。からまらないようにするためか、なるべく遠くに飛べとのこと。後ろ向きでもOKですって。さらに当バンジーは、あまりに高いため、飛び終わった後は下に降ろすわけではなく、ウインチで再び上まで引き上げるのです。したがって、飛び終えた後にもセルフでしなければならない作業が色々ある。
飛び降りたのち、宙吊りのままびよーんびよーんと2往復したら、足下にあるヒモを根元から右側に思い切り引っ張る。そうすることで宙吊りから地面と平行仰向け状態へと遷移します。アメイジングスパイダーマン2の最後らへんでこんな感じで人が死んでたのを思い出す。
その後、橋から引き上げるためのワイヤが降りてくるので、自分でそのワイヤを身体に装着して、橋に向かって準備OKサインを出す。飛び降りた直後、地上数十メートルでヒモ一本でつながっているのみの状態で、これら一連の作業をせよというのは中々に要求が高い。
飛ぶ直前。カラ元気を装ってはいますが、完全に腰が引けています。
あからさまに姿勢が悪い。
事務所が顔出しNGのため黒塗りしていますが、ものすごく遠い目をしていますこの写真。0.1秒だけ「リタイヤしようかな」という思いが頭をよぎる。
唐突に外人がヘタな日本語で「ゴ、ヨン、サン、ニ、イチ!バンジーふぉぉおー!」と叫ぶので何かが吹っ切れました。
自分としては水泳選手のようにぴょーんと飛んでるつもりが
ただの腰砕けである。
ゴムが長すぎるため、係員が冷静に落下状況を見ながら送り出しているのですね。
私は近視なのですが、なんかこのときは眼が良くなって、色々とはっきり見えた気がする。
色々開いて完全にガニ股。
自動的に「ウォー!!」とか叫んでしまう。
紐のたるみ具合が長さを物語っていますね。
ようやく「かっこよく飛ばなきゃ」という意識が芽生え、フォーム修正。
最下部へ到着。この間、体感的に2~3秒。人間ってこんなに速く落ちちゃうんだ。
「シュルシュルシュルル」という、ゴムが伸縮する音が聞こえてなんとも不気味。
足下のヒモを外すのに手間取り「間違って違うヒモ外して落ちちゃったらどうしよう」の恐怖。かつ、橋からワイヤが降りてくるのに意外と時間がかかるので、スリルは続く。橋および空を見上げていれば怖くはないのですが、手持ち無沙汰なのでつい下をチラ見してしまうと、やっぱ高い。怖い。
結構なスピードで引き上げられる。最後、この枠にぶつかるんじゃないかと余計な怖さもあります。
なんとか作り笑顔で帰還。

いやー、怖かった。これまでのアトラクションで一番、そしてダントツに恐ろしかった。他のお客さんも、わざわざ東京から3時間かけて訪れ、1ジャンプ14,000円という決して安くない値段を払うぐらいなので、絶叫系不感症の猛者揃いなのすが、それでも皆一様に「これは怖い」と唸っていました。

身の危険を感じてアドレナリンやらインスリンやらようわからんホルモンが多量に分泌されるのか、終わった後は異常にハイテンション。池袋あたりで同じテンションだと確実に脱法ドラッグをキメてると取り違えられそう。

それでも、やって良かった。14,000円支払う価値はアリ。むしろ安いぐらい。なにかこう、ものすごく前向きに、ポジティブな考え方になります。「バンジーごときでそんなことないだろう」と読者の皆様は懐疑的だと思いますが、飛んだ人はこの感覚、わかってくれるはず。「うおーもう怖いもんなんてないぜー!」と叫ぶぐらい、不思議な全知全能感を得ることができますよ。冗談抜きで。

マラソンの気持ちよさはランナーにしかわからないのと同様、バンジーの気持ちよさは飛んだ人にしかわからないと思います。いやー気持ちよかった。もっぺんやりたい。今度は世界一の
ロイヤル・ゴージ・ブリッジ(コロラド州)にチャレンジしよう。東京タワーと同等の321mうひょー!


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絶叫系が得意です。絶叫体験をまとめました。