エスキス/銀座

「東京最高のレストラン2013」で大絶賛されていて、さらにオープン半年でミシュラン二ツ星獲得とか意味不明な出世街道を突き進む当店。もう、めっちゃくちゃ行きたくて行きたくて、でもめちゃくちゃ高いお店なのでお誕生日ディナーとしておねだりしてみたらOKでしたウヒョー。

ちなみにキュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロのシェフと、タテルヨシノの支配人兼ソムリエ、NYおよび台北のロブションのパティシエがチームを組んで臨む、現在の東京では最も華やかなスーパースター軍団のお店です。
シャンパーニュで開始。冬だから重いシャンパーニュ。こってりして美味しかった。しかしこの店、立地がイケてませんな。銀座の雑然とした風景が大きな窓から見えてイマイチ。あと内装もイマイチ。支払額ではロブションレセゾン級なのに、ハコがとてもチープ。
なんだっけ?なんか色々細かい説明があったけど、特に印象に残らない。
ウニフラン。フランの甘みが強すぎてイマイチ。
パン用のバターはチーズを混ぜたふんわり系。良かったです。
一方、パン自体は普通。数種類頂きましたがどれも普通でした。
牡蠣にオレンジ風味を効かせたもの。牡蠣自体は旨みが凝縮されていてとても良いのですが、オレンジ味がキツすぎ。上品でない。
フォアグラには青リンゴや赤ダイコンのすりおろしが添えられていましたが、全く調和せず。シェフは反省するように。
お魚はアンコウ。こちらは身がしまっていてとても美味しかった。ただ、素材は良いのですが、どうもソースとあっている気がいつまでたってもしない。
手長エビ。こちらも同様に、素材は良いが、調和はない。悲しくなってきた。
カトラリーの色が黒っぽくて少しカッコ良かった。少しだけね。
メインはエゾジカ。ここまで均一な断面を見たのは初めてかも。味も良し。ただ、どうもソースがバラバラなんですよね。肉うまい、ソースうまい、という具合。つけ麺で太麺かつスープがサラサラ系で全然絡んでこねーよ、みたいな感覚に似ている。
〆ということでシイタケに白トリュフ、鰹節ならぬ鴨節スープ。うーん、美味しいんだけどなぜここでこれを出す必要があるのかさっぱりわからん。白トリュフも香りが薄く、そこらのトリュフオイルのほうが食欲をそそる。鴨節も美味しいんだけど、「で?」って感じ。
チーズは素晴らしい。連れも「ストーリーが良くわからない。チーズだけまとも」とのこと。
「ここからの作り手はパティシエなので、これまでの料理とアプローチが変わります」と告げられました。このようなことをお店から言われるの初めてです。てゆーかアプローチ変えて良いの?ひとりのシェフがピラミッドの頂点に立って、彼の世界観を基に全てを組み立てるべきだと思うのですがコース料理って。ちなみに皮肉なことに、アプローチが変わったコチラの皿は非常にタイプでした。
お誕生日ということで、プレートにお絵描きして頂けましたワーイワーイ。美味しかったのですが、主題が不明確。ちょこちょこと細かな食材をつまむ感じで何がどうだったかは覚えていない。
プチフールは正統派。ピンク色のマカロンが美味しそうだったので早速食べようとすると、「それはあたしが食べる」と妨げられ、「今日は僕のお誕生日祝いだから、僕が最初に選ぶべきだと思う。一般論として」と抵抗してみたのですが、「あたしがお金を払うんだから、あたしが選ぶの」と一蹴されました。ごちそうさまでした。
お店からお土産もらえて、ピンク色が入っていて助かった。

むちゃくちゃ高い割に雰囲気はカジュアル。マクロで見るとストーリー性がなく、ミクロで見ると食材がバラバラ。なんでこんなに評価されているのかさっぱりわからん。あと、サービスもイマイチな気がする。話しかけてくるときに、やたらと距離が近いんですよね。テーブルウォッチングもわざとらしくて、近くをチョロチョロ動き回っていて落ち着かない。オリエンタルヒルズの監視を思い出してしまいました。

というわけで、ガッカリでした。もう行かないし、誰にも勧めない。


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「東京最高のレストラン」を毎年買い、ピーンと来たお店は片っ端から行くようにしています。このシリーズはプロの食べ手が実名で執筆しているのが良いですね。写真などチャラついたものは一切ナシ。彼らの経験を根拠として、本音で激論を交わしています。真面目にレストラン選びをしたい方にオススメ。

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食品偽装問題についてザ・リッツ・カールトン大阪に直接聴いてみたでござる vol.2

前回の「食品偽装問題についてザ・リッツ・カールトン大阪に直接聴いてみたでござる vol.1」においては、婚礼セールスからメールでのご説明を頂いたところまでを書きました。ただ、利用した個別のレストランについては別途調査の上、連絡を頂けることに。

結局、メールでの説明からちょうど1週間後、すなわち最初の問い合わせから10日後に着信アリ。説明およびQAは以下の通り。
============
【説明】
・来店履歴を確認したところ、○○様は誤表記食品を口にしている可能性が高い
・誤表記食材でご迷惑をおかけしたお客様には一律で500円を返金させて頂く

【Q&A】
Q:リッツに滞在する客層は、多少価格が変動したところで、意に介さないのではないか?こんなことで信頼を落とすのはもったいない。
A:今回の誤表記は原価低減を目的としたものではない。我々の不勉強、プロとして食材を評価する力量が不足していたことが原因。
============

ご、ごひゃくえん。。。
いや別に金返せなんて一言も言ってないし、その上ごひゃくえん。。。これは良くないでしょう。返金なんてしないで謝るだけでいいのに。この返金額は怒ってない人まで怒らせてしまう破壊力がありますね。もちろん芝海老とバナメイエビの価格差は数匹で500円も無いでしょうから、直接材料費という観点ではリッツは責任をきっちり果たしていると言えば果しているのですが。うーん、響きが良くないですね、ごひゃくえんっていう。5,000ウォンとか100,000ドンならもうちょっと受け止め方が違ったかもしれません。

しかし3~4年前のレストラン利用履歴まできっちり追跡できたのは素晴らしいと思います。調査リードタイム10日はやや長いように感じられますが、今回の偽装問題でリッツは矢面に立たされており、同様の問い合わせが殺到していることを加味すると仕方ないかもしれません。

また、電話でご説明下さった方も非常に誠実で、『500円はないよな…でも会社が決めたことなんですよ…』という微妙な雰囲気が伝わってきて何ともいえない味のある会話となりました。

電話を切る間際、「○○様には当館およびレストランを度々ご利用頂いているのに、ご迷惑おかけして本当に申し訳ありません!是非改めてもう一度、ご利用頂ければと思います!予約の際にはどうか私を呼び出して頂ければと思います!」と、人間味溢れるお言葉。大丈夫大丈夫そのうち必ず行きますとも。

今回の騒動を通じて色々考えたのですが、私なりの結論は「日本のメディアはダサい」です。何のエビ使ってようが美味しいならいいじゃねーか毒が入ってるわけじゃないんだし。てゆーかおめーら実際にこういうところでメシ食ったことあんのかよ。指摘するポイントが全然本質的じゃない。記者会見で日系のメディアが「どう責任とるおつもりですくゎ!?」と色めき立っているのを、海外のメディアは冷ややかに捉えている、と、アメリカの通信社に勤めている友人も言っていました。

私がレストランに行く理由は、そのレストランでシェフの料理を楽しみたいからです。特定の食材をピンポイントで狙いに行くなんてことは絶対に無い。というかそれをしたいならデパ地下でお買い物したほうがよっぽど割安ですもの。

結果的に偽装に加担してしまったレストラン関係者の方々、起こってしまったことはしゃあない。これからは気をつけましょう。むしろゲストの味覚なんていいかげんで、食材の違いなんかわかりっこないことが証明されたのだから、調理が食材を超えたことに自信をもって欲しいと思います。

今回の騒動を逆手に取って、美味しく割安なバナメイエビを提供してくれるお店が増えればいいな。
結局、振込み金額は1,300円でした。なぜ。

そして3週間後、ホームページの目立つ位置にきちんと説明書きが載りましたとさ。

偽装後、早速お邪魔した際の記事はこちら。

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大所のホテルブランドであればリッツカールトンが好き。その街にリッツがあれば極力泊まるようにしています。




従業員の面接を、宿泊客と同様にもてなすリッツ・カールトン。ドアマンとピアノの生演奏が志願者を迎えるとか冗談みたい。そりゃあ凄いサービス集団が生まれるわけです。



石頭楼/乃木坂

石頭楼(すーとうろう)。当ブログにこれまで何度か登場したテンダーリビング社の超絶美人代表取締役にお誕生日祝いとして連れて行って頂けました。

昔は完全会員制のお店だったらしいのですが、ネットが普及して電話番号もバレバレなので、会員制を取りやめたとのこと。それでも看板等は一切出していないので、通りがかって入ることは絶対にないお店。

当店は3店舗目の新店で、洋風の巨大な邸宅というかなんというか、絶対にごま油の鍋とは思えない建屋と内装です。カキモトアームズみたいな雰囲気って言ったらわかるかな。
 前菜は上海蟹!「ごま油の効いたウマい鍋食わせたる」と事前に聞いていたので、突然の酔っ払い蟹で驚きました。大好きなんですよね、コレ。いきなり酒がすすみます。
 続けて蒸した上海蟹。
 お店の方が全て解体してくれます。ちなみにお店の方はエグザイルみたいな兄ちゃん(以下ザイル兄)で、今月お会いした男子で一番のイケメンだと思います。このページの写真にザイル兄が写ってた。
 全ての身と味噌をしゃぶりつくし。おいしゅうございました。
 真打登場。ゴマ油の鍋。元々は韓国のエラい人が食べる料理で、台湾に伝わってブレイクして、さらに当店のオーナーが台湾で食べて「これはイケる」と思って日本人向けにアレンジとのこと。
 まずは肉などを油通し。ごま油の香りがタマラン。
 海鮮やお野菜などが次々とザイル兄の手によって投入されていきます。鍋って、どうしても気の弱い女子や下っ端の男子に作り手が押し付けられ、結局何食べたんだか何話したんだかわからんくなるから、お店の方が完璧に作ってくれるのはすごく良いことですね。

蛇足ですが、関西人とお好み焼き系を食べに行って、ただ関西人だからという理由で作らせる方々、あれは絶対にやめたほうが良いですよ。関西人は場の空気を読んでそれなりにやってやりますが、なんやねんコイツめんどいやっちゃなーもうコイツとは絶対粉モン食いにいかへんって思っている関西人がほとんどなんで。日本人だからってチョンマゲしてるのかメーン?
タレはポン酢と
 卵入りポン酢。前者は海鮮やお野菜に、後者は肉系を入れて楽しみました。
 お好みでニンニクと腐乳。腐乳は卵入りポン酢にすごく良く合う。
肉の旨みが油で封じ込められて美味。やっぱごま油、うまいよなー。食欲をそそるというかなんというか。悪く言うとフラットで終始一貫同じ味なのですが、駆け抜けきってしまうほどのスピード感があるお鍋です。駆け抜ける歓び。
 〆は雑炊かラーメンかを選択できるので、ラーメンをお願いしました。「ごま油の鍋?しつこそう」と思われる方、どうでしょうかこの澄んだスープ。意外とあっさりそうでしょ?食材の旨みがスープとごま油に取り込まれすごく美味しい。
 デザートの杏仁豆腐も本格的。アーモンドエッセンスではなくホンモノの杏仁豆腐です。いやー食った食った満腹じゃと大満足してると、、、
ザイル兄がケーキにローソク立ててケーキ持ってきてくださいました!ワーオ!嬉し過ぎてかぶりついてしまい、新品の状態の写真を撮り忘れてもうた!しかもこのケーキ、お店が用意したものではなく、彼女が事前に外で買ってきて下さり、さらにお店と調整してお出し下さったのです!仕事ができる人はほんとこういうところ手抜きしませんよね。嬉しいな~今まで真面目に生きてきて良かった。

誕生日って大好き。子供の頃は家族ぐらいしか祝ってくれなかったけど、歳を重ねるにつれて祝ってくれる仲間がどんどん増えていく。加えて質が豪華になって、演出も手が込んでくる。老いるのが怖いと感じる方もいますけど、お祝いしてくれる人が増えるという定量的な事実は間違いないんだから、歳とるのを楽しんでいきましょうぜメーン。
 家に帰ってレプリカに挑戦。
それなりにうまくできた。ケチって一番安い肉にしたけど、高いのにしたらかなり近づくと思う。

石頭楼/乃木坂

エッグスンシングス/山下公園

ビルズとの闘争三部作(赤レンガ・七里ガ浜・台場表参道赤レンガ)が完結し、日本国内は制圧したので次なるターゲットはエッグスンシングス!エッグスンシングスはハワイ休暇の最終日に訪れた際に臨時休業という苦い思い出があるので、日本上陸と聞いた際には興奮したものです。
ド快晴。紅葉も素晴らしい。
そして土曜日の8:45でこの行列。異様な光景。私もその一部なのですが。

ビルズは名前を伝えると「何時ごろに戻ってきてくださーい」方式だし、夜なら予約もできるので、その点ではビルズのほうが親切だなと思いました。

列が進んできてもうすぐ入れるか?という状況となると、「テラス席なら今すぐ入れますよ。店内ならここから30~60分待ちですよ」という悪魔のささやきがあります。しかし寒いし行列からジロジロ見られるので鉄の意志を持ってお断り。結局10分チョイで入れたので我々の勝利。結局1時間弱並んで入店。思ったよりも長く待たなかったです。
私はアサイーヨーグルト。タリーズのアサイーヨーグルトは底のほうにちょこっとアサイーが沈んでるだけですが、当店は全面的にアサイーで良いですね。
連れはカフェラテ。当店はビルズに比べて全般的に価格が控えめです。ビルズはどのドリンクも1,000円弱しますが、当店は500円を切るドリンクが殆どで非常に良心的。
本日のオムレツ。モツァレラチーズにベーコン、カボチャなどなどが盛りだくさん。チーズの量がケチケチしてなくドカンとしてて、すごく美味しかった。付け合せのポテトもいい感じ。これがビルズのスクランブルエッグと同じ価格とは悪い冗談にしか思えません。
HappyBirthdayがうまく書けない…。
スペシャリテのパンケーキ。ネタでWホイップにしようと思いましたが、シングルホイップでこの量。やめといて良かった。パンケーキ自体はどこにでもあるパンケーキ味でまあ普通。ベリーや生クリームが大量ですが特に美味しくはない。まあ別に、ここは味というよりも写真を撮るための皿なので全然問題ありません。
タレはグァバ、ココナツ、メープルシロップの3種。グァバはグァバというよりイチゴジャムみたい。グァバってタイプし辛いですねパソコンで。

というわけで、エッグスンシングスはとってもまともなお店だと思います。味と値段のバランスがまとも。ただ、行列がなー。並ばないならまた来たいお店です。
お誕生日プレゼントにルピシアのお茶セット頂きました!嬉しいな~自分じゃ中々買いづらいもんな~。クルミのチョココーティングのお菓子が上品な甘さですごく美味しかった。
大満足したのでなんとなくワニワニパニック。120点以上取ると景品がもらえるのですが、貫禄の147点。ハハハ大人が本気だせば楽勝楽勝。
脱出ゲーム、なるものが流行中とのことでチャレンジ。参加者のうち、我々以外全員が経験者でかなりガチでひいてしまった。部屋に入ったらすぐに置物の裏とか下とかを覗き込んで必死でヒントを探しまくる。結局私は何もできずに10分が経ち失格。というか参加者全員が失格でした。

部屋を出た後、近くの机で1時間ぐらいかけて悩みぬいて答えを導き出し、店員に告げると正解とのこと。むう、これを10分でこなすのはムリムリ。昔からパズルとかなぞなぞとか苦手なんです。



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私はビルズが日本に上陸してすぐ、食べログ4点を超えていた頃から一貫して「まずい」と言い続けています。もちろん店舗ごとのブレが内容に全ての店舗にお邪魔しましたが、評価は変わりませんでした。大炎上で大変でした。まずいものはまずい。どうして素直な感想を言うと怒られるのか。情報を食べるのではなく、自分の感性で判断する世の中がいいなあ。


グランド・セントラル・オイスターバー&レストラン/品川

牡蠣の季節です。安直ですが、品川のオイスターバーへ。むかーしむかしにNYの本店に行ったことがあって、その雰囲気がとても印象的で思い入れのあるお店。あの内装を、そのまんま品川のアーバンなビルに持ち込んだのはすごいと思う。
オイスタープラッター。ワシントン州のクマモトがタイプでした。クマモトというのは品種の名前で、むかーしむかしに熊本から種が輸出されたらしいです。牡蠣についてはカキペディアに詳しいのでお時間がある方はどうぞ。
コブサラダ。ちょっとイメージと違う。もっと縦ラインを強調してカラフルにして欲しかった。そうそう、当店は照明が暗く、写真があまりイケてませんがお許しください。
コーヴォと同じスタイルのカキフライ!本日一番の皿でした。オイスターバーではこういう出し方、標準的?
ピクルスで箸を休め、
ニューイングランドクラムチャウダー。ちなみに当店はマンハッタンクラムチャウダーもありますよ。
おなかいっぱいなのになぜか炭水化物は入ってしまう。
〆。私はチーズケーキ。バニラアイスクリームがソフトボールぐらいでかくてびっくらこいた。

やや割高感はありますが、客層や雰囲気が良い代だと考えれば妥当かもしれません。あと、アメックスで支払うと2割引になります。2割ってすんごい値引き方だよな。普通の客として行くのがばからしくなります。
そうそう、出産祝いのお返しに頂いたソースとドレッシングが美味しかった。プレゼントはこういう自分では買いたいし買えるけど買わないものをもらえるのが一番嬉しいですね。ありがとうございましたー!



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グランド・セントラル・オイスターバー&レストラン 品川店オイスターバー / 品川駅北品川駅高輪台駅
夜総合点★★☆☆☆ 2.0