和久傳/京都

京都伊勢丹の飲食店フロア。高級和食店がキャベツおかわり自由系のとんかつやと同じ並びにあるのはいかがなものか。

カウンター席からの眺望。この後、日が暮れ真っ暗になって、ガラスに店内が反射し、自分と向かい合って食べることになるのである。
そば茶でスタート。し意味不明。京都の和食では最初に意味不明な液体を出すのが流行っているのでしょうか?いやもちろん口腔内を整えるとか色々あるのでしょうが、全然ピンとこない。
食前酒に大吟醸。サトイモの何か。印象なし。
初カツオのツミレ。これも全然ダメ。ネギはうまかった。
スズキを焼いたやつ。このあたりから本気出してきて良くなってきました。味付けがどうのこうのじゃなくて、スズキ自体がすごく美味しかった。トマトも爽やかに甘く印象的。
名前忘れました。トコロテンのオバケみたいなモノなのですが、歯ごたえが適度にあって楽しい一品。涼しげな味付けでいくらでも食べたくなる。肉でも魚でもないのにこんなに美味しく感じるモノを作れるのはすごいなあ。
牛肉の煮付け?結構どぎつい味付けで京都とか和食のイメージとはかけ離れますが、かなりどっしりまいうーです。ポーションも十分。脂が胃に染み渡る。
お食事はスペシャリテの鯛の黒寿司。これは文句なしですね。鯛の質も非常に良く、コリコリとした歯ごたえがたまりませんでした。
茶菓は貧弱。牛皮にずんだ。観光地のお土産じゃないんだから、もうちょっと頑張りましょう。

今回は初見だったので一番安いコースにしましたが、かなり満足のいくものでした。駅直結と立地も抜群。出張時の空き時間等で京都を一気に満喫したい場合にオススメのお店。いずれ高台寺や室町の料亭料亭した和久傳にもお邪魔したくなりました。



関連記事
関西も食のレベルは高い。しかも東京に比べて1~2割物価が安く、予約も取りやすいので良いこと尽くめです。印象的だった有名店をまとめました。
関西のグルメ本についてはミシュランガイドが最も優れています。どうも他のグルメ本は粉モノや串揚げ、大阪割烹など、物珍しさを優先して紹介されており、本質的な価値は置いてけぼりな気がします。



関連ランキング:懐石・会席料理 | 京都駅九条駅東寺駅

吉兆/京都

京都駅前はなんだかすごい。
こんなに巨大な階段は見たことがない。
たぶん外人がこんなにアーバンな京都を見るとびっくりすると思う。
さて吉兆。京都吉兆のグランヴィア店です。吉兆と言えば高級和食の代名詞。ただ、吉兆にも色々あって、総本山は大阪高麗橋の「本吉兆」。そこから親戚への暖簾わけによって、京都やら神戸やら東京やらに分かれていったのです。有名どころだと、本吉兆の高麗橋本店、京都吉兆の嵐山本店などでしょうか。賞味期限偽装、産地偽装、食べ残し再利用をやってのけたのは「船場吉兆」ですね。
新幹線駅直結なだけあって、お客のほとんどは地元客ではない。注文時に「新幹線の時間、大丈夫ですか?」と聞いてくるあたり、慌しいお客さんが多いのでしょう。
最初になんか出てきたけど意図がよくわからんかった。ナニコレ?
食前酒は吉兆独自の大吟醸。先付けはゴマ豆腐。イカのエンガワとじゅんさいもつるりとして美味しいです。濡れ箸で、「お箸の先端を湿らせてありますので」と解説してくれる。いや、そんな解説がいるんやったらわざわざもうそんなんせんでええやん。
お椀は海老しんじょうにヨモギ。うーん、味が薄い。味が薄いと味付けが薄いは意味が違うと思いますが、こちらは味も味付けも両方とも薄い。
スペシャリテの松花堂弁当。起源は16世紀にさかのぼる。松花堂昭乗というエライお坊さんが、四角い箱に十字の仕切りを入れてお道具箱的に使用していたらしいです。時は経て昭和の初期に吉兆の創始者の方が、このハコを使って弁当を出したのが始まりなんですって。
炊き合わせは茄子が美味しかった。
太刀魚は別に。サツマイモが甘くてうっとり。
ハモもカツオも別に美味しくない。ってかハモって食材として全然美味しいものじゃないですよね。ハモを食べて美味しいと感じたことが一度もない。
肉やらシャケやらキスやら。キスを生で食べるのは珍しい。しかし美味しくないのである。
食事の白ごはんはとても美味しかった。甘い。
デザートもナイス。量もたっぷりあってなおよし。

というわけで、不完全燃焼です。というか、高すぎる。最近は若手の和食料理人が手頃なコース料理を出すようになったので、完全に時代遅れな飲食形態だと思います吉兆は。まあ、松花堂弁当で全てを判断するのもかわいそうなので、そのうち嵐山本店で勝負してくる。



関連記事
関西も食のレベルは高い。しかも東京に比べて1~2割物価が安く、予約も取りやすいので良いこと尽くめです。印象的だった有名店をまとめました。
関西のグルメ本についてはミシュランガイドが最も優れています。どうも他のグルメ本は粉モノや串揚げ、大阪割烹など、物珍しさを優先して紹介されており、本質的な価値は置いてけぼりな気がします。



関連ランキング:懐石・会席料理 | 京都駅九条駅七条駅

和洋酒菜 ひで/心斎橋

吉祥寺で最も予約困難なお店といえば、「わ」というホルモン焼き屋を思い浮かべます。すべてのメニューが一律500円の小さなお店。いわゆるプレミアム焼酎たちも500円なので、非常に良心的です。

そして大阪の友人から「『わ』の兄ちゃんがやってる店が心斎橋にあるで」との通報。大阪を訪れる日程をお伝えすると、早速予約してくださいました。ありがたや。
宗右衛門町の裏路地にあるどう見ても入りづらいお店だったのですが、彼女、常連らしく、普通に名前で呼ばれてました。レベル高い。
トリガイ。思いっきりまな板にバチコーンって叩きつけてコリコリ抜群で美味しかった。貝類を思いっきりしばくのは、放っておくとダラーってしたまんまで歯ごたえが生まれないかららしいです。しばくとむっちゃビビって硬直してもうてそれが歯ごたえにつながるらしいで。でもたまにしばいてもダラーってしたまんまの貝もいて、それはそもそも死んでもうてるから鮮度は良くないねん。
モツのカレー煮。カレーは何やっても美味しい。
天然の鰻。バケモンみたいに巨大でした。恐ろしく肉厚。炭火で焼くだけで抜群の食感に。私は蒸してホロホロにする関東風の鰻調理を好まないので、本日はとても満足しました。

ちなみに当店の常連である西原理恵子さんのブログで、鰻の全体像を拝むことができます。
http://ameblo.jp/saibararieko/entry-10710055292.html

〆に豚肉。こちらも炭火で焼いただけのシンプルなもの。石垣の人が飲んだ〆にステーキを食べる気持ちがわかる気がしました。

どの料理も美味しくてお値段控えめ。おすすめです。



関連ランキング:居酒屋 | 心斎橋駅長堀橋駅大阪難波駅

百名伽藍/南城 vol.3


朝食は場所を変えてボールルームで。
ニンジンと何かのフレッシュジュース。旨し。
ドレッシングはバジルともういっこなんだっけ?忘れましたが美味しかったことは覚えています。
あくまでも食材は沖縄のもの。ソーセージまで沖縄の豚肉とか頑張るよなあ。私が経営者なら、ソーセージみたいに味の濃いものなんてドコの肉かわからないから中国産を使っとけ、と言ってしまいそうなので、当ホテルのオーナーは人格者というか、自分のビジネスに矜持があるのだなあと感心しました。
炊き合わせのダイコン(?)みたいなのがとっても良かった。沖縄料理って醤油と黒糖と泡盛でグツグツ煮込むばっかと思いきや、こういう上品な調理法もあるのですね。
ボロボロジューシーもとても上品。ジューシーというものは味付きご飯全般を指す単語で、いわゆる炊き込みご飯はクファジューシー、この写真のようなジューシーはヤファラジューシーまたはボロボロジューシーと呼ぶらしいです。
相変わらずパイナポーが美味しいです。
8時と20時が満潮なので、ホテル下のビーチには青い水が満ちています。

朝食後はお風呂でまったり。夜は何とも思いませんが、明るいうちは少し恥ずかしい。
さてランチ。これまでの料理にとても満足したので、追加料金で昼食もお願いしました。ただ、昼食は宿泊客以外にも開放しており、宿泊客とランチ客の客層が明らかに違うので戸惑いました。先ほどまでの静寂はいずこへ。
イカが良かった。ねっとりセクシーな味わい。
味噌ラフテー。ゆうべの上品な味付けとうってかわって攻撃的な味付け。どっしりです。これはこれですごく好き。
サラダにはもずくを圧縮したモノや、沖縄でしか採れない特殊な海草で作った寒天みたいなのが散りばめられていましたが、特に美味しくはありません。まあ、伝統を食べるという意味ですね。
メインはやんばる鶏の香草焼き。やんばるでトリとか言われるとヤンバルクイナを食べれるのかとドキドキしましたが、さすがにそんなことはありませんでした。
酢の物と
ごはんで〆。昨晩は中身汁のことをあまり良いように書きませんでしたが、高野豆腐のお椀にされちゃうと、やっぱ中身汁のほうがいいよなあ。
デザートにまたパイナポーがでてきてくれて嬉しい。

素晴らしいホテルでした。繰り返しますが、客層がほんと素晴らしい。夫婦やカップルでのんびり静かにひきこもるに最適のリゾートです。ただ、客数が少なすぎて、本当にビジネスとしてやっていけるのかは心配。沖縄のほとんどのホテルは通年稼働率が40%を切るらしいでのすが、当ホテルはもっと低いんジャマイカ。なんとか頑張って持ちこたえて欲しいものです。また来るぜ。

飛行機まで時間があったので、DFSギャラリアに行ったのですが、自分にぴったりのモノは見つかりませんでした。DFSはLVMHグループなので、いきおいLVMHグループ製品が多くなりますね。しかし沖縄でなんで減税になるのかさっぱりわからん。色んな人に何度も説明してもらっているのですが、いまいちしっくりきていません。
近くの公園でちょっとしたお祭り。平和がここにある。
博物館へ。沖縄在住の方は気づいていませんが、この博物館ってものすごいデザインだと思う。ドラクエとかに出てきそう。展示は沖縄の歴史や自然がコンパクトにまとまっていて良いと思います。ただ、動線がおそろしく悪く、網羅的に楽しむためには何回もグルグルしなきゃいかん。
クィクリーで一休み。台湾のタピオカミルクティー屋なんですが、どの飲み物も一律300円と激安。ミルクティーだけじゃなく、スムージーとかヨーグルトもあります。どうして東京には無いんでしょうか。竹下通りとかに出店すれば、一日100万個ぐらい売れそうなのに。
空港に戻り、〆にA&Wでモッツァバーガーとルートビア!モッツァバーガーはバンズが全然ダメですね。そしてルートビアは安定のまずさ。なんであんなにまずい飲み物を作れるのか。おかわり自由とかいらねーよ。でも、怖いものみたさで数年後に飲みたくなるんだろうなあ。

羽田からは運転があるのでノンアルコールで我慢。しかしやっぱアレだ。飲めない飛行機は味気ない。羽田へは車で行くとすごく楽だけど、やっぱ今度からは電車にしようかな。

充実した土日でした。普通の週末って、のんびり起きてインターネットしてゴロゴロしてるとサザエさんです。意図的に遠出すると、今回のようにとても色鮮やかなものになる。全力で遊ぶ。休息日はカラダを休めるだけでなく、やりたいことを全部やるくらいがちょうどいいのかもしれません。

関連記事
この年は1年で10回沖縄を訪れました。1泊15万円の宿から民宿まで幅広く手がけています。
TACが世に出した一風変わった沖縄本。もはやガイドブックではなく参考書の域です。非常に情報量が多く、かつ、うまく整理されており読みやすい。大判ではないので持ち歩きやすいのも素晴らしいです。オールカラーの割に高くない。数多ある沖縄ガイドブックの中では突出した存在です。